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川越市プレミアム付電子商品券「小江戸ペイ第3弾」がスタート これは本当に効率的な物価高対策なのか?

2026/6/4

 

川越市のプレミアム付電子商品券「小江戸ペイ第3弾」の使用期間が始まりました。

物価高が続く中で、少しでも家計の助けになる制度として期待している方も多いと思います。
一方で、この事業には「市民に届くお金」と「途中でかかるコスト」の関係について、冷静に考えるべき点もあります。

今回は、市民向けに制度の概要と使い方を整理したうえで、私なりに感じている問題点も述べたいと思います。

小江戸ペイ第3弾とは?

小江戸ペイ第3弾は、川越市内で使えるプレミアム付電子商品券です。

1口1万円で購入すると、1万3千円分の電子商品券として利用できます。
つまり、3,000円分お得になる仕組みです。

プレミアム率は30%。
購入できるのは市内在住者で、1人あたり最大3口までです。

1口あたりの内訳は、全加盟店舗で使える「共通券」が1万円分、中小規模店舗で使える「専用券」が3,000円分となっています。

使用期間は、令和8年5月26日から10月31日までです。
期間を過ぎると使えなくなるため、購入された方は早めに使い切ることをおすすめします。

使い方の基本

小江戸ペイには、主にスマートフォン型とQRカード型があります。

スマートフォン型の場合は、店舗で会計金額を確認したあと、店舗側が提示するQRコードを利用者が読み取り、支払額を入力して決済します。

QRカード型の場合は、店舗側が支払額を入力し、利用者が支払内容を確認したうえで、店舗がQRコードを読み取って決済します。

使える店舗は、川越市内の加盟店舗です。
ただし、店舗によって「共通券だけ使える」「専用券も使える」など違いがありますので、利用前に確認しておくと安心です。

特に中小規模店舗で使える専用券は、地域のお店を応援する意味でも積極的に活用したいところです。

市民にとってのメリット

この制度は、購入した市民にとっては分かりやすいメリットがあります。

1万円で1万3千円分使えるので、単純に考えれば3,000円分お得です。
3口購入すれば、3万円の負担で3万9千円分使えるため、最大9,000円分のプレミアムがつきます。

物価高の中で、日用品や食事、買い物に使えるのであれば、家計の助けになることは間違いありません。

また、市内店舗で使われる仕組みなので、地域経済の活性化という面もあります。
市内の飲食店、小売店、サービス業の方にとっては、売上アップの機会になる可能性があります。

実施される以上、市民は制度をよく理解し、賢く使うべきだと思います。
事業者の方も、加盟店情報や利用方法をしっかりキャッチアップして、販売促進につなげていただきたいです。

しかし、問題は「税金の使われ方」です

ここからが、私が市民として、そして市政をウォッチする立場として疑問に感じている点です。

今回の事業費は約5億2,000万円です。

そのうち、プレミアム分として市民の買い物に上乗せされる原資は約3億6,000万円。
一方で、業務委託料は約1億5,700万円、さらに人件費なども含めると、約1億6,000万円が運営・事務コストとしてかかる構造です。

ざっくり言えば、市の予算5億円超のうち、約3割がプレミアム原資ではなく、運営コスト側に使われることになります。

もちろん、電子商品券を運営する以上、システム構築、コールセンター、加盟店対応、決済管理、問い合わせ対応などに一定の費用がかかることは理解できます。

しかし、物価高対策という目的から考えたときに、これだけ大きな中間コストが発生する仕組みが、本当に最も効率的だったのか。
ここはきちんと検証されるべきです。

「市民支援」のはずが、外部事業者に大きなお金が流れる構造

私が特に疑問に感じるのは、一見すると市民にメリットがあるように見える一方で、実際には外部の大企業にまとまった業務委託費が流れる構造です。

市民から見ると、「1万円で1万3千円分使える」という分かりやすいお得感があります。
しかし行政側の予算を見ると、その裏側では、システム運営や事務局運営のために多額の委託費が発生しています。

もちろん、事業者が業務を担い、正当な対価を受け取ること自体を否定するものではありません。
問題は、物価高で苦しむ市民を支援するという目的に対して、どれだけのお金が直接市民に届き、どれだけが中間で消えているのかという点です。

市民の生活支援が目的であれば、もっと直接的に市民へ利益還元できる方法に予算を多く割くという選択肢もあったのではないでしょうか。

1万円を先に出せる人への支援でよいのか

もう一つの論点は、商品券を購入するためには、まず市民が1口1万円を支払う必要があることです。

最大3口なら3万円です。
3万円を先に出せる世帯にとってはお得ですが、本当に物価高で困っている世帯ほど、そもそも先に1万円、3万円を出す余力がない可能性もあります。

そう考えると、この制度は「生活困窮者への支援」というより、「購入余力のある人への消費喚起策」という性格が強いようにも見えます。

もちろん、消費喚起が悪いわけではありません。
市内経済を回すことも大切です。

ただし、それならば「物価高対策」として市民生活を支える施策なのか、それとも「地域消費を促す商業振興策」なのか、政策目的をもっと明確にすべきだと思います。

目的が曖昧なまま、「市民にもお得」「事業者にもメリット」「地域経済にもプラス」と説明されると、かえって本質が見えにくくなります。

大事なのは、実施後の検証です

すでに事業は始まっています。
だからこそ、私はこの制度を単に批判して終わるつもりはありません。

利用できる方は、ぜひ賢く使ってください。
事業者の方は、売上アップのチャンスとして活用してください。

しかし同時に、市民として次の点を見ていく必要があります。

どれだけの市民が利用したのか。
どの地域・どの業種で使われたのか。
中小店舗にどれだけ効果があったのか。
大型店や大企業に利用が偏っていないか。
業務委託費に見合う効果があったのか。
結果として、市民生活の支援につながったのか。

ここを検証しなければ、「やって終わり」の事業になってしまいます。

税金を使う以上、必要なのは事業の実施だけではありません。
費用対効果の検証です。

税金の使い方をチェックするのが議会の仕事

私は、こうした税金の使い方をチェックすることこそ、川越市議会議員の大事な仕事の一つだと考えています。

行政が提案した事業に対して、
「市民にどれだけ届くのか」
「中間コストは妥当なのか」
「もっと良い方法はなかったのか」
「実施後にどう検証するのか」
を問うことは、議会の重要な役割です。

一見すると市民にメリットがありそうな事業でも、構造を見れば、別のところに大きなお金が流れている場合があります。

私は、そうした事業には懐疑的です。

物価高で苦しむ市民を支援するのであれば、できるだけダイレクトに市民へ利益が届く制度設計を目指すべきです。
市民のためという看板の裏で、外部事業者の中間マージンが大きく膨らむような仕組みになっていないか。
そこをしっかり見ていく必要があります。

市民として、使いながら監視する

小江戸ペイ第3弾は、すでに使用期間が始まっています。

市民としては、使える制度は賢く使う。
事業者としては、地域のお店にお金が回るよう活用する。
そして同時に、税金の使われ方を冷静にチェックする。

この三つが大切だと思います。

「お得だからいい」で終わらせるのではなく、
「この事業は本当に市民のためになったのか」
「税金の使い方として妥当だったのか」
「次回以降、もっと良い制度にできないか」
を考えるきっかけにしたいです。

川越市のお金の使い方を、市民の目線でこれからもウォッチしていきます。

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著者

徳宮 勇気

徳宮 勇気

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肩書 フリーランス / 自衛隊支援協会理事長
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