2026/6/3
現在、多くの地域でバスの減便や路線の見直しが進み、地域交通の維持が深刻な課題となっています。地域交通法に関する質疑において、現在の政府の対応や改正案に対する重要な問題提起をいたしました。
①人材不足の根本解決には「処遇改善」が不可欠
運転手の休息時間を確保する「2024年問題」への対応が求められる中、人手不足による減便は暮らしに直結する大きな問題です。今回の法案は「地域の輸送資源のフル活用」を中心に据えていますが、本来もっとも優先すべきは人材確保と処遇改善です。新たな担い手を増やすだけでなく、現在働いている方が働き続けられるよう、賃金や労働時間の改善といった実効性のある対策を国が責任を持って進めない限り、交通空白はさらに広がってしまいます。
②公共ライドシェアの安全性と被害者救済への懸念
新たに導入される公共ライドシェアでは第2種免許が求められておらず、実技講習にも合否を判定する試験がありません。人の命を預かる仕組みとして、この技能確認で本当に安全が担保できるのか疑問が残ります。
さらに、事故時の賠償責任保険の基準は20年前に定められたものです。近年の賃金上昇や法定利率の変更などを踏まえると、重大な事故が起きた際の被害者救済に不足が生じる恐れがあり、現在の実務に照らして十分な基準なのか改めて検証することが求められます。
③既存交通の衰退と外部団体への依存リスク
公共ライドシェアなどの新しい仕組みが、赤字でも地域を支えてきた既存のバスやタクシーを衰退させてしまう「置き換え」になってはなりません。また、ノウハウが不足している自治体が外部の「連携促進団体」に依存しすぎると、実質的な地域交通政策の主導権が外部に移り、自治体内に知識や人材が残らなくなるという懸念もあります。
④まとめ
国が責任と財源を持つ「真の公共交通」へ
地域が懸命に知恵を出し、自助努力をしなければ移動手段を守れない現状は、果たして本当に「公共」交通と呼べるのでしょうか。
公共交通は国民の生活を支える不可欠な社会基盤です。民間事業者の採算や自治体への丸投げを前提とするのではなく、国が安定的な財源と責任を持って地域交通を支える制度へと、根本的な転換を図っていくべきだと訴えました。
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