選挙ドットコム

白川 司 ブログ

平和教育について(令和8年第2回定例会一般質問・その1)

2026/7/29

2026年7月1日におこなわれた千代田区議会定例会で、白川がおこなった一般質問の原稿です。

ーーー

千代田区自由民主党議員団の一員として、一般質問を行います。

テーマは2つです。1つはいわゆる平和教育について、もう1つは公共事業の効率性について、です。

私は2023年7月24日から3泊4日で、沖縄と鹿児島への千代田区平和使節団に同行いたしました。沖縄・鹿児島での体験は、戦争の悲惨さをリアルに知ることができる、誠に貴重なものでした。

その一方で、沖縄ツアーにおける案内や説明が特定の政治的立場に偏っていることに、強い違和感を覚えました。

2023年9月22日の区議会定例会における一般質問で、私はその問題点を具体的に指摘し、改善を求めました。その後、事前学習などの機会が設けられ、沖縄戦や原爆投下の時期のみを扱うのではなく、戦争全体の流れを踏まえて訪問地の意味を学ぶ内容へと改善が図られたと承知しております。

速やかに対策を講じていただいた区長ならびに担当所管の皆様には、まず感謝を申し上げます。

第二次世界大戦は、1939年9月1日のドイツ軍によるポーランド侵攻から、1945年9月2日の日本による降伏文書調印まで6年間に及びました。1941年12月8日の真珠湾攻撃からでも約4年間です。

ところが、いわゆる平和教育は、米軍による日本本土への攻撃が本格化した終盤の1〜2年に偏りがちです。戦争の全容を知らずに個々の悲劇のみを学ぶことは、視野の狭い理解にとどまる危険があります。

今回の改善は、子どもたちにより正確な歴史認識を与えるという観点から、高く評価するものです。

さて、この問題を改めて取り上げることにしたのは、本年、沖縄での平和学習の最中に発生した船舶転覆事故をきっかけに、より根本的な次元からこの問題を考え直す必要を感じたからです。

3月16日に沖縄県名護市辺野古沖で発生した、民間船2隻の転覆によって痛ましい死亡事故が起きました。同志社国際高校の2年生生徒と、抗議船の船長のお二人の尊い命が失われました。とくに高校生のご遺族によるnoteでの発信には胸を抉るような悲痛な思いがいたします。

ここでは問いたいのは、事故原因ではなく、あくまで学校や区が進める「平和教育」のあり方です。

私は辺野古をかなり以前より取材で訪れています。現地で実際に話を聞くと、基地移設についての住民の考え方は、基本的には移設を容認する意見でまとまっている印象を受けました。反対派の行動が日常生活の邪魔になっているというお話も伺っています。

ところが、そうした声は長年、報道にほとんど反映されておりません。移設に反対する声のみが一方的に発信され続け、現地の実態とはかけ離れた情報環境が形成されてきました。

今回の事故の遠因の一つに、こうした偏った情報の蓄積と、それを是正してこなかった社会的構造があると考えます。この構図は辺野古に限った話ではなく、現在の平和教育全体に通底する課題です。

戦後日本の平和教育は、「戦争は悪で、平和が善である」「核兵器は廃絶すべき」という命題を、批評すら許されない絶対的な出発点として、組み立てられてきました。

その精神は尊重すべきですが、問題は国際環境が変化し現実と大きく乖離していることです。

冷戦期にも代理戦争や地域紛争は多発しましたが、米ソの相互抑止のもと、大国間の直接戦争や核兵器の使用は回避されてきました。ところが冷戦終結後、その均衡は崩れつつあります。

ウクライナ戦争ではロシアが核使用を示唆して国際社会を恫喝し、北朝鮮は核開発やミサイル開発を着々と進めています。戦略核が中心だった冷戦時代と異なり、戦術核の拡散により、核はかつてよりはるかに身近な脅威となりました。広島や長崎の悲劇が繰り返される危険性は、私たちの祈りとは無関係に、むしろ高まっています。

このような現実の国際安全保障と、戦後平和主義に基づく平和教育との間には、今や著しいギャップが生じています。核廃絶が究極の目標であることは論を俟ちませんが、「いかにして戦争を防ぐか」を考えるうえでは、核抑止という考え方は重要テーマの1つです。

子どもたちがこの現実を知らずに育つことは、むしろ平和を守る力を削ぐことになりかねません。

教育の本来の役割は、一部の大人が用意した一つの結論を植え付けることではなく、客観的な情報と多様な視点を与え、子どもたち一人ひとりが自ら考え、判断する力を育てることにあります。学習指導要領も、社会的事象を多面的・多角的に考察する力の育成を求めています。

一方の立場の主張のみを学ばせるのではなく、対立する両論を知ることが不可欠です。

言論の自由を重んじる日本の教育において、イデオロギーは極力排すべきであり、平和教育もその例外であってはなりません。

そこで、3点伺います。

第一に、平和教育において、核抑止を含む現実の安全保障環境や、対立する複数の見解を教材として扱い、多面的・多角的に考察する力を育成することについて、どのようにお考えでしょうか。

第二に、平和使節団の事前学習および現地での案内・説明について、政治的中立性をどのように担保していくのか、具体的にお示しください。

第三に、小中学校の修学旅行などにおける平和教育の現状をどのように分析し、辺野古沖転覆事故を受けて、今後、実態調査などを検討しておられるでしょうか。

私は、平和教育のあり方を、名称も含めて根本的に見直す時期に来ていると考えています。

真の平和教育とは、恒久平和の実現というこれまで人類が実現し得なかった答えのない理想と格闘するための場であるべきです。ここでは大人も子供も同じように葛藤すべきであり、決して1つの予断を子供に刷り込むことなどではあってはなりません。

本会派から、永田壮一議員が今夏の沖縄への平和使節団に同行する予定です。その結果も踏まえ、今後の平和教育のあり方について、さらなる提案を行う所存です。行政におかれましても、引き続き真摯なご検討をお願いいたします。

 

公共事業における決定と実行のあり方について(令和8年第2回定例会一般質問・その2)に続く。

この記事をシェアする

著者

白川 司

白川 司

選挙 千代田区議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 630.651
選挙区

千代田区議会議員選挙

肩書 評論家・翻訳家。国際政治・経済について、雑誌・著作・ニュースサイト・YouTubeなどで精力的に発信。
党派・会派 自由民主党
その他

白川 司さんの最新ブログ

白川 司

シラカワ ツカサ/60歳/男

白川 司

白川 司 トップページへ

寄付して応援する

「白川 司」をご支援いただける方は、是非個人献金をお願い申し上げます。
※選挙ドットコム会員登録(無料)が必要です。

月別

ホーム政党・政治家白川 司 (シラカワ ツカサ)平和教育について(令和8年第2回定例会一般質問・その1)

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtubeicon_postcode