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埼玉県農業技術研究センターを視察しました。(白岡市議会産業建設常任委員会所管事務調査)

2026/5/30

白岡市議会議員 細井藤夫です。


5月21日、白岡市議会産業建設常任委員会の所管事務調査(視察)で、埼玉県熊谷市の埼玉県農業技術研究センターに伺い、埼玉県内の先進農業(いちごの品種開発等)について、座学とビニールハウスの視察を行いました。

 

今回お伺いした、埼玉県農業技術研究センター(農技研)は、明治33年に創設された埼玉県律農事試験場にルーツをもち、平成27年に組織再編され現在の組織になったものです。
 現在は、熊谷市の農業技術研究センター、玉井試験場、久喜市の久喜試験場の3場に加え、秩父市(秩父農林振興センター内に鳥獣害防除担当の秩父駐在をおいて、品種開発のほか、病害虫防御対策、鳥獣害防除、環境安全、次世代技術実証普及など、農業全般の技術研究を行っている組織です。

農業技術研究センター - 埼玉県

 

農技研の野菜育種担当で、イチゴの品種改良の研究を行っています。

野菜育種担当 - 埼玉県

 埼玉県産のイチゴは「全国いちご選手権」で「あまりん」、「クリスマスいちご選手権」で「べにたま」が、いずれも令和5年から令和7年まで3年連続で最高金賞を受賞しているほか、令和5年から令和7年まで3年連続で、日本野菜ソムリエ協会から「プレミアムいちご県」として表彰されており、高品質のいちごの産地として定評を得ています。

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/159107/0109_ichigo.pdf


 埼玉県内のイチゴの生産面積は、令和6年度の農林水産統計では、95ヘクタール(全国比2.0%)、産出額は52億円(全国比2.4%)。
 1969年をピークに生産面積が減少を続け、市場出荷農家が減少する一方、2000年代後半から観光農園が増加するなど、明るい兆しを見せはじめています。
埼玉県内の主要な産地としては、秩父地域、加須市、久喜市(旧菖蒲町)、川島町、吉見町などがあげられます。

 埼玉県育成のイチゴ品種としては、1975年の「ベリースター」、1996年の「彩のかおり」がありましたが、県内でも大々的に栽培されるに至りませんでした。

その結果、2007年当時の主要栽培品種は「とちおとめ」、「紅ほっぺ」、「章姫」等と、他県産地との差別化ができずにいたこともあり、埼玉県オリジナル品種の不在が長年の課題とされていました。


 農技研で長年研究を重ね、2019年に「かおりん」「あまりん」の品種登録、2021年に「べにたま」の出願公表を行い、埼玉県オリジナル品種として県内栽培を行うことで、「プレミアムいちご県」の評価を得るまで盛り上げてきています。


一例として、「あまりん」の場合、2009年に交雑・播種・選抜を開始し、2012年までセンター所内での選抜、2013年から16年にかけて所内選抜と現地栽培試験を行い、2016年に品種出願公表、さらに、試験栽培を重ね、2017年にウイルスフリー株を作出、2018年に「あまりん」商標の出願、2019年に品種登録を行い、種苗センター苗の配布を開始しており、研究の開始から品種登録まで11年の歳月をかけて、商用栽培が可能な規模に育ててきたものです。

 

選抜の方法として、埼玉県では、「交雑育種法」「突然変異育種法」など、交配で出来た株の性質を見極め、優良なものを次につなげる方法で、できるだけ自然に品種改良を行っています。
第1次、第2次選抜では食味を中心に、第3次、第4次選抜では収穫開始時期、収穫量、糖酸度によって市場流通を考慮した選抜を行い、選ばれた苗については、第5次選抜に加え、生産者に協力いただいての現地栽培試験を行い、生産者の所感等を踏まえて、品種登録妥当と判断したものを品種登録申請するプロセスを踏んでいます。

観光直売向け品種では「良食味(高糖度)」を最重視目標としており、そのほかに「大果性(つぶの大きさ)」「果実外観」を、育成目標として研究を行っています。
一方、市場出荷向けには、「良食味」「大果性」「果実外観」に加えて。「多収性」「早生性」「輸送性・日持ち性」「耐病性」を育成目標として、主にクリスマス商戦の需要に対応できる輸送にも強い品種を目指した品種開発を行っています。

 

「かおりん」「あまりん」「べにたま」は、いずれも消費者の評価の高いおいしいイチゴですが、現地栽培試験において生産者から課題があがっているとのことで、もっと良い品種をめざして、今後の品種改良の取組につなげられています。

 

埼玉県育成品種は、「埼玉県産いちごプラットフォーム」「養液いちご研究会」を通じて埼玉県内にほ場をもつ生産者に配布されており、県内のいちご農家の保護をはかっています。
令和6年の県産いちご栽培面積95ヘクタールのうち、育成品種の栽培面積は3品種合計で41.3ヘクタールと、4割強を占めています。

 

2022年に研究成果が発表された病気に強い種苗については、味が良くないことから品種化は断念したものの、耐病性は評価しており、その耐病性を活用する方法を考えているとのことでした。交雑の品種改良なので見通しが立たなかった株のほうが多いと思いますが、それぞれの株の特性を見極め、どうしたら使えるかを考えていく地道な研究の一端をうかがい知ることが出来ました。

 

農技研内のイチゴ研究用のビニールハウスでは、株ごとにプランターでの栽培研究を行っています。

お聞きした話では、「茶色のプランターは長期間の使用に向くものの、熱などで植物をやけどさせるので、白いカバーをかけている」とか…。

「何と何をかけあわせて栽培しているか」ひとめでわかるように、整理番号を付して管理されていました。

地道な研究作業の積み重ねで、新しい品種が登場する日を楽しみにしたいと思います。


白岡市内においても、既存の農家、観光農園にくわえ、「イチゴノオカプロジェクト」によって、今後のイチゴ生産が大幅に拡大することが見込まれています。
 広範に流通している品種の栽培では、他県産品に対して優位になることが難しく、埼玉県の育成品種の導入による高価値化、高収益化を検討すべきと考えました。

 白岡市内においては、「埼玉県産いちごプラットフォーム」「養液いちご研究会」に加盟している生産者はいないようです。このままでは、育成品種の栽培ができないことから、今後、いちご生産者に対して市から情報提供、加盟促進の周知をはかるなど、育成品種の栽培を推進することを求めてまいります。

 

(補足)

「かおりん」「あまりん」「べにたま」の販売農園、直売所等の情報は、下記リンクでご確認いただけます。
いちご | 埼玉農産物ポータルサイト SAITAMAわっしょい! 

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著者

細井 藤夫

細井 藤夫

選挙 白岡市議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 550 票
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肩書 白岡市議会議員(会派WAKABA) 産業建設常任委員+議会広報常任委員。 白岡市都市計画審議会委員。 白岡市指定家庭保育室「サクラ保育所」施設長
党派・会派 無所属
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