2025/9/7

少子高齢化などを背景に、医療費の増加が自治体財政を圧迫しています。国内各地ではジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及を通して、医療費の削減と持続可能な地域医療体制の構築を目指す動きが広がっています。ここでは自治体が実施した代表的なジェネリック普及施策と、その具体的手法について紹介します。
広島県呉市では、ICT(情報通信技術)を活用した「ジェネリック医薬品使用促進通知サービス」を展開しています。これは、処方薬をジェネリック医薬品に変更した場合にどのくらい負担が減るのかを市民にわかりやすく通知し、切り替えの動機付けとするものです。この取り組みの結果、2008年から累計で約3万5千人が切替え、約1億9千万円の医療費削減につながりました。
奈良県生駒市では「ジェネリック医薬品推奨薬局制度」を設け、全国で初めて健康保険証に貼付できる「ジェネリック希望シール」を市民に配布。受診時にシール提示で希望をスムーズに伝えられるようにしました。また利用時の差額通知も組み合わせ、わずか数年で利用率が約24%増、累計約1億3千万円の医療費削減効果を出しています。
各自治体ではジェネリック推奨薬局や一般名処方の推進、市報やセミナーを通じた周知啓発活動も積極的に実施されています。薬剤師会や医師会と行政が連携し、住民説明会やパンフレット配布を通じて市民の理解促進や不安払拭にも努めています。
北海道帯広市では、ウォーキングアプリ等で市民の運動習慣を促進し、取り組みの一環としてジェネリック普及も後押ししました。こうした健康増進と医薬品政策の組み合わせが、一人あたり年間約22,000円の医療費削減効果にも寄与しています。
差額通知や希望シールなど市民参加型で「見える化」「選びやすさ」を意識した取り組みが、ジェネリック医薬品の普及に有効です。今後も地域の創意工夫が、医療費抑制と持続可能な医療体制に大きく貢献していくでしょう。
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サトウ サヤカ/37歳/女
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