2026/5/27
巨人・阿部慎之助さんの逮捕報道について、noteブログとYouTubeで詳しく解説しました。
noteはこちら
https://note.com/takasan_japan/n/n4e58a2757d23?sub_rt=share_sb
YouTubeはこちら
https://youtu.be/jp6amsL20Rc?si=qh5-ECCJtKGWreKR
今回の報道で、多くの人は「有名監督の家庭内トラブル」「ChatGPTに相談した娘」「監督辞任」という部分に注目したと思います。
しかし、児童相談所問題を見続けてきた立場から見ると、本当に問うべきなのは別の点です。
児童相談所は、本当に姉妹の利益を考えたのか。
報道によれば、18歳の長女が児童相談所に相談し、児相から110番通報があり、警察が臨場しました。阿部さんは18歳の長女への暴行容疑で現行犯逮捕され、その後釈放されています。事件当時、15歳の娘も自宅にいて、暴行の様子を見ていたとも報じられています。
さらに続報では、長女がChatGPTに相談し、匿名で相談できる児童相談所へ連絡したところ、児相から警察に通報されたという経緯も報じられました。長女は「警察が来て一番驚いているのは自分自身」という趣旨を説明し、父が連行される姿を見て泣き崩れたとも報じられています。
もちろん、父親が娘に手を出したことは問題です。暴力を正当化するつもりはありません。
しかし、ここで考えなければならないのは、児相の110番通報が本当に姉妹の利益につながったのかという点です。
長女は、父親を逮捕してほしくて児相に電話したのでしょうか。
報道を見る限り、そうではありません。
父親の対応を正してほしかった。
どうすればよいか分からず相談したかった。
ChatGPTに聞いたら、児童相談所に相談できると出た。
だから電話した。
しかし、その結果、父親は逮捕され、全国報道され、巨人監督を辞任しました。
家族にとって、これはあまりにも大きな出来事です。
この姉妹は、これから先、
「自分が児相に相談したから父が逮捕されたのではないか」
「自分が父の仕事を奪ってしまったのではないか」
「自分が家族の未来を変えてしまったのではないか」
と、自問自答し続ける可能性があります。
これは、子どもにとって深刻な心の傷になり得ます。
児相は、そこまで考えたのでしょうか。
18歳長女は、児童相談所が身体的虐待として扱う典型的な児童虐待案件の対象ではありません。児童福祉法上の「児童」は満18歳に満たない者です。したがって、18歳長女への暴行は、基本的には警察が扱う暴行事件です。
だから児相が110番したこと自体は、制度上は理解できます。
しかし、問題はその先です。
15歳の妹は児童です。
姉への暴行を見ていたなら、面前DV型の心理的虐待として、児相が扱うべき入口になります。
では、児相は15歳の妹をどう扱ったのでしょうか。
安全確認をしたのか。
警察から児童通告を受けたのか。
面前DVとして心理的虐待を認定したのか。
一時保護の必要性を検討したのか。
そもそも、警察臨場時に児相職員は同行したのか。
報道からは、ここが見えません。
警察は虐待認定機関ではありません。
警察ができるのは、暴行事件として動くこと、そして必要があれば児相に児童通告することです。
その後、15歳の妹をどう扱うかを判断するのは児童相談所です。
ところが、児相は説明しません。
今回、外に出ている情報の多くは、警察側、捜査関係者側、会見、家族側の説明によるものです。
一方で、児相自身は何を説明したのでしょうか。
なぜ110番通報したのか。
長女の意向を確認したのか。
警察通報以外の手段を検討したのか。
15歳妹をどう扱ったのか。
その判断は本当に姉妹の利益になったのか。
ここが見えない。
私は、児相が110番したことが絶対に間違いだったと断定しているわけではありません。
本当に差し迫った危険があったなら、110番は当然です。
しかし、長女にけがはなかったと報じられています。阿部さんは釈放され、勾留もされていません。長女側の説明では、父娘はすでに仲直りしたとも報じられています。
そのような事案で、本当に児相には110番以外の方法がなかったのでしょうか。
子どもの最善の利益とは、単に通報して親を罰することではありません。
子どもの意向を聞くこと。
子どもの将来への影響を考えること。
家族の回復可能性を見ること。
必要な介入と過剰な介入を見極めること。
そして、その判断が後から検証できること。
これが本来の児童福祉行政です。
今回の事件で見えたのは、児相が絡むと行政判断が黒箱になるという問題です。
警察にも守秘義務はあります。
それでも、警察は差し障りのない範囲で、逮捕容疑、通報経路、釈放の有無などを社会に出しています。
もちろん、警察や検察の情報提供にも問題はあります。推定無罪の人を、報道によって犯人扱いするようなリークは本来あってはなりません。
しかし、今回の警察側の情報は、少なくとも「公務員がどう仕事をしたのか」を国民が知る材料になっています。
一方で、児相はどうでしょうか。
児相は110番した。
しかし、その110番が本当に姉妹の利益になったのかを説明しない。
15歳妹をどう扱ったのかも説明しない。
他に方法がなかったのかも説明しない。
個人情報を守ることと、行政判断を検証不能にすることは違います。
児相は「子どものため」と言います。
しかし、「子どものため」という言葉が、行政判断を黒箱にする免罪符になってはいけません。
今回の報道で問われるべきは、阿部慎之助さん個人を断罪することだけではありません。
本当に問われるべきは、児童相談所の判断です。
児相は、本当に姉妹の利益を考えたのか。
110番通報以外の手段はなかったのか。
その判断を、なぜ国民が検証できないのか。
ここに、児童相談所行政の深刻な問題があります。
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