2025/11/10
ちょうど刑事訴訟法を学んでいたところですが、この法律を読むと、警察・検察といった行政権力の暴走を抑止する目的が明確に組み込まれていることがわかります。
つまり刑事訴訟法は、単なる「手続のマニュアル」ではなく、権力統制のための憲法実践法なのです。
そして当然ながら、その抑止の仕組みを最終的に担うのは裁判所のはずです。
しかし今回の逮捕は、まさにその原則が形骸化している現実を露わにしました。
名誉毀損は
✅ 発言がSNSや動画で残るため証拠隠滅の余地がない
✅ 公人であり、逃亡可能性もゼロ
✅ 任意聴取にも応じていた
つまり、刑事訴訟法上の逮捕要件である
「逃亡の恐れ」「証拠隠滅の恐れ」が見当たりません。
通常であれば
事情聴取 → 書類送検 → 検察が起訴/不起訴判断
の流れで足ります。
すぐ、検察が起訴して、裁判をすれば済む話です。
それにもかかわらず、なぜ逮捕に踏み切ったのか?
立花氏は発言について「名誉毀損にあたるが、違法阻却性がある」、つまり、それを信じるに足る「真実相当性」があると主張していました。
何らかの“情報源”に基づいて発言したことを示唆しているわけです。
もし、任意聴取で、立花氏が情報提供者を庇い捜査機関に話していなかったら…
捜査機関の視点ではこうなります:
しかしこれは、
✅ 黙秘権を行使したら逮捕
✅ 取調べ目的の逮捕(本来違法)
という、刑事司法の基本原則を揺るがす構図です。
さらに問題なのは、その逮捕状を裁判所があっさり発付したことです。
本来、裁判所は「行政権力のブレーキ」であるはずなのに、
現実には「行政の同意装置」と化している。
これは「司法審査(Judicial Review)」ではなく、
単なる「司法承認(Judicial Authorization)」に堕してしまっています。
https://note.com/takasan_japan/n/n1dc3f89abd28
| 国 | 名誉毀損で逮捕? | 取扱い |
|---|---|---|
| アメリカ | 逮捕不可(民事のみ) | 言論の自由最優先 |
| イギリス | 逮捕は例外的 | ほぼ民事・在宅 |
| ドイツ | 逮捕なし | 損害賠償で処理 |
| 日本 | 逮捕→身柄拘束→取調べ | 国連から「人質司法」と批判 |
→ 民主主義国家で“名誉毀損で逮捕”が一般運用される国はほぼ存在しません。
欧米諸国が「冤罪をゼロにするために法の厳格運用を重視」するのに対し、
日本は「運用で法を曲げ、冤罪を許容する」構造を選んでいます。
今回の事件で露わになったのは、
一人の政治家の是非ではなく、日本の刑事司法そのものの脆弱さです。
――これが今の日本の姿です。
刑事訴訟法は、本来「権力の手続制限法」であり、
その理念は憲法31条・33条・35条の具体化にほかなりません。
それが、ここまで骨抜きにされている現実こそ、
私たちが直視すべき“制度崩壊”の象徴なのです。
この事件は、立花孝志という個人の問題ではなく、
刑事訴訟法という国家の安全弁が機能していないことを可視化した出来事です。
行政権の暴走を止める最後の砦が司法である以上、
その司法が「形式的承認機関」と化してしまえば、
次に逮捕されるのは、誰でもあり得る。
これは、私が長年追及し続けている児童相談所関連の法令と運用と、まったく同じ構図なのです。
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ホーム>政党・政治家>たか さん (タカ サン)>名誉毀損で「逮捕」??――立花孝志氏逮捕が浮かび上がらせた“日本の刑事司法の異常”