2026/8/20
今日の話題は“食料品消費税減税 財源確保できるか?”です。
結論、“財源確保 至難の業、税収外収入に注意”です。
<見出し>
1.消費税と赤字国債
2.毎年28兆円の国債増加が成立するか?
3.頼みの綱は、“一般会計/税収外収入”
1.消費税と赤字国債
そもそも、戦争国債の乱発で、アジア・太平洋戦争後のハイパーインフレを招いた教訓から、1947年に法律で国債は禁止された。以降、佐藤栄作内閣で“建設国債”が始まり、三木内閣で“赤字国債”がなし崩し的に始まった。消費税も“赤字国債”に頼らぬ財源確保のために生まれたものの、今日では、消費税も“赤字国債”も常態化している。
そう言った意味では、食料品限定とは言え消費税8→1%に減税することは、効果の善し悪しは別にして、低所得者を中心に生活を守る方向に進むと思っている。
しかし、先の衆議院選挙で落選した元衆議院議員曰く、「ポルトガルと同じように消費税が額面通り減税され効果が出る」「減税セールに期待」とのことだ。額面通りの減税に期待はすれど、実態は英国同様に消費税は減税されたが、単価が上がって、差し引き効果は小さいと私は予想する。
理由は、日本の企業物価指数が平均7%上昇しても市場物価はそこまで上がらなかったことで、値上げしないなら“企業努力”だが、値上げなら“価格転嫁不完全”だ。
減税効果平均7%、7%超値上げ予定企業、あるいは、値上げ検討企業が多いようだが、これを、便乗値上げと見るか、妥当な価格転嫁と見るかで、出来上がりの価格が変わる。
また、財政の悪化度が英国以上に厳しく、財政悪化は企業の調達コストを上げ、企業にとっては収益を下げる方向というのが日本の実態だ。
減税セールも、対象から外れた外食・農業従事者に配慮して、規模は小さいかやらないと私は予想する。
2.毎年28兆円の国債増加が成立するか?
10年物日本国債が一時、2.945%に到達したというような報道が目を引いている。しかし、30年物日本国債が4.1%を超えていて、日本政府に対する市場の不安視が金利差に現れている。ちなみに、10年物米国国債と30年物米国国債の差は、0.58%程度だが、日本の場合、1.22%程度、FRB(連邦準備委員会)議長の信頼が悪化、AI(人工知能)投資に懐疑的の米国の2倍だ。市場は、微改善より超悪化と見ているようだ。
日本の重点17分野への投資370兆円も全て国債が頼りだ。2040年度まで、単純に毎年28兆円の投資をするとして、借金を積みますことができる新たな考え方を披露するのは勝手だが、累積の借入金は増えることはあっても、減ったことは一度もない。
日本銀行が、かつてのように国債を購入できないか検討しているようだが、単純に毎年28兆円の国債増加が成立するか甚だ疑問だ。
3.頼みの綱は、“一般会計/税収外収入”
「一般会計120兆円、特別会計200兆円、食料品消費税減税財源5兆円を確保できない訳がない。」前述の落選した元衆議院議員の言葉である。2025年度の税収上振れが、3.5兆円あるので、財源5兆円は問題ないように思えるが、既に防衛費増額等で、上振れ3.5兆円の使途が決まっている。
特別会計も、例えば、免許証やパスポートを更新する際の証紙代が収入だが、支出も固定化されていて財源には不向きだ。一般会計で財源5兆円を確保するのは至難の技だ。そこで、注意すべきは税収外収入だ。
税収外収入、聞きなれない言葉だが、代表例は、反則金(規模は1000億円程度)要は罰金だ。罰金は全額国庫に編入される。また、世情に左右されるが概ね計画比85~95%で着地するのが罰金だ。世情に左右されるとは、簡単に言うと政府批判が強い時は取り締まりが緩められ、政府批判が弱い時は取り締まりが厳しくなる。現在は、政府支持率は高く、取り締まりが厳しくなる。よって、罰金刑が増える予想だ。罰金刑と言うと交通違反の印象が強いが、交通違反だけでなく、風営法違反、迷惑条例などもある。遵法は基本だが、一層、注意しておいて損はない。
神奈川県警で、不法な交通違反取り締まりがあったことは記憶に新しいと思うが、警察にも罰金徴収のノルマ(厳守すべき下限値)があるのだ。
禁じ手は、一般会計から、医療や介護への支援を減額することだ。具体的には、介護や健康保険に悪影響を及ぼす目に見えない支援の減額だ。これをやられると、消費税減税で生活を守る方向にあるものの、財源確保のために福祉抑制になってしまう。
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