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大阪都構想の「4区案」とは?

2026/8/6

大阪都構想の「4区案」とは?  
大阪都構想「24区から4区へ」~人口・行政体制・住民サービスの具体的な変化~

| 小森さだゆき |高槻市議会議員

2026年6月3日、大阪府議会で法定協議会の設置議案が可決されました。

5月27日には大阪市議会でも可決されており、3度目の住民投票に向けた制度案づくりが、いよいよ動き出しています。

吉村洋文知事は、2027年春の統一地方選挙と同日での実施を目指すと表明しています。

そこで改めて確認しておきたいのが、2020年11月1日の住民投票にかけられた「4区案」の中身です。

3度目の区割りが同じ形になるとは限りませんが、議論の出発点は間違いなくこの案になります。

「24区が4区になると、暮らしと行政の仕組みは実際どう変わるのか」を、数字で押さえておきましょう。


1. 人口規模と区役所体制の変化

現在の大阪市には24の行政区があり、人口はおよそ275万人です。

1区あたりの平均は約11万人。

ただし内訳を見ると、最も少ない区は6万人台、最も多い平野区は約19万人と、3倍近い開きがあります。

これが4区案では、「淀川区」「北区」「中央区」「天王寺区」の4つの特別区に再編されます。

2020年の協定書によれば、1区あたりの人口はおよそ60万人から75万人。

熊本市や岡山市といった政令指定都市に匹敵する規模の自治体が、大阪市の中に4つ生まれる計算です。

 

人口規模の変化

・現行:平均 約11万人(24区)

・再編後:1区あたり 約60万~75万人(4区)

区役所の位置づけの変化

・現行の区役所は大阪市の「出先機関」であり、独自の条例制定権も予算編成権もありません。

・再編後は、淀川区役所、大阪市本庁舎、中央区役所、天王寺区役所の4か所が各特別区の本庁舎となる想定でした。

・残る区役所の庁舎も窓口として活用され、住民票の交付や基礎的な福祉手続きは、これまでどおり身近な場所で受けられる計画です。

つまり、近所の区役所が消えるわけではありません。

消えるのは、大阪市という自治体そのものです。

2. 権限と政治体制(公選区長と区議会)の変化

ここが4区案の核心と言っていい部分です。

区長と議会の誕生

・現行:区長は大阪市長が任命する職員であり、区独自の条例をつくることも、予算を編成することもできません。

・再編後:区長は住民の選挙で選ばれ、各区に区議会が置かれます。条例制定権、課税権、予算編成権を持つ、正真正銘の基礎自治体になります。

議員数と身近さの変化

2020年案での区議会議員の定数は、淀川区18人、北区23人、中央区23人、天王寺区19人の合計83人。

・現在の大阪市会議員の定数と同じ数を、4区に振り分ける形です。

・各エリアの声が直接届きやすくなる一方、市全体で足並みをそろえる判断には、区どうしの協議が必要になります。

3. 財政基盤とサービス内容の変化

実は最大の論点は、財政です。

法人市民税や固定資産税の配分

・現行:法人市民税は梅田や難波など商業地に偏って生まれますが、大阪市全体で一括管理・配分されています。

・再編後:梅田、難波、天王寺、新大阪といったターミナルを各区に分散させる区割りにして、税収基盤の偏りを抑えます。

・それでも埋まらない差は、大阪府と特別区の間に設ける「財政調整制度」で再配分します。

住民サービスとコストの変化

・福祉、介護、保育、小中学校といった身近なサービスは各特別区が担い、地域の実情に応じた制度設計が可能になります。

・一方で、庁舎の改修や情報システムの再構築といった初期コストは確実に発生します。

・さらに、サービスの水準が将来的に区ごとに分かれていく可能性もあります。これは自治が進むことの裏返しでもあり、単純な善悪では割り切れません。

見落とされやすい二つの点

一つは、一度特別区になると大阪市には戻れないという点です。

制度上、特別区から政令指定都市へ戻る手続きは用意されていません。

もう一つは、住民投票の「有権者の範囲」をめぐる議論です。

2026年5月には、副首都に関する法案とあわせて、投票対象を大阪市民から大阪府民へ広げる案が報じられました。

誰が決めるのかという問題は、何を決めるのかと同じくらい重い論点です。

まとめ

24区から4区への再編は、単に区をまとめる話ではありません。

大阪市を廃止し、政令市に匹敵する規模と権限を持つ4つの新しい自治体を誕生させる、根本的な構造改革です。

高槻市民に投票権はありませんが、無関係ではありません。

大阪府の財政運営が変われば、府補助金や広域インフラの優先順位が動き、府内の他市の予算にも波及するからです。

市議として日々の予算審議を見ていて思うのは、制度の形そのものよりも、誰が責任を負うのかが有権者から見えるかどうかが決定的だということです。

区長を選挙で選べば、責任の所在ははっきりします。

その分、区ごとの財政体力の差が、そのまま暮らしの差として表に出てきます。

賛成か反対かを決める前に、この構造をどう受け止めるか。

2015年、2020年と二度否決されてきた構想が三度目の場に立とうとしているいま、改めて問われているのはそこだと思います。

参考 
大阪市副首都推進局「特別区設置協定書・関連資料」

| 小森さだゆき |高槻市議会議員

 

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