2026/6/27
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
私たちの生活に直結する年金制度。その根幹にある「賦課方式(ふかほうしき)」という仕組みについて、改めてその本質と世界の動向を整理してみたいと思います。
賦課方式とは、簡単に言えば「現在の現役世代が納めた保険料を、そのまま今の高齢者の年金給付に充てる」という仕組みです。自分が積み立てたお金を将来受け取る「積立方式」とは異なり、世代から世代へとバトンを渡していく「世代間の仕送り」のような性質を持っています。
この方式の大きなメリットは、インフレ(物価上昇)に強いという点です。現役世代の賃金水準に合わせて給付額を調整できるため、貨幣価値が変動しても高齢者の生活水準を維持しやすいという特徴があります。
しかし、最大の課題は少子高齢化の影響をダイレクトに受けることです。支え手である現役世代が減り、受給者である高齢者が増えれば、一人あたりの負担は必然的に重くなってしまいます。
少子高齢化は日本だけでなく、多くの先進国・中進国が直面している課題です。賦課方式の限界を乗り越えるため、大胆な改革を行った国々があります。
| 国名 | 改革の内容 | 現状と課題 |
|---|---|---|
| チリ | 公的賦課方式から完全な「私的積立方式」へ移行 | 経済成長には寄与したが、低所得者の積立不足による格差が拡大。現在は公的補完を強化。 |
| スウェーデン | 「名目確定拠出(NDC)方式」を導入 | 賦課方式を維持しつつ、給付額を経済状況や平均余命に連動させる「自動調整」を組み込んだ。 |
| ポーランド | 賦課方式の一部を民間積立に振り分け | 金融危機による運用悪化を受け、現在は積立金の一部を再び公的部門に戻すなど揺り戻しが発生。 |
賦課方式から積立方式へ完全に移行しようとする際、必ず直面するのが「二重の負担」という問題です。移行期の現役世代は、今の高齢者を支える保険料を払いながら、同時に自分のための積み立ても行わなければならず、その膨大なコストをどう処理するかが最大の難所となります。
現在、多くの国では「完全な積立」を目指すのではなく、スウェーデンのように「賦課方式をベースとしながら、経済状況に合わせて給付額を自動調整する」というハイブリッドな形が主流になりつつあります。
日本においても、これからの時代に合った持続可能な制度設計は避けて通れない議論です。次世代に負担を先送りするのではなく、世界中の失敗と成功の事例を教訓に、地に足の着いた議論を深めていく必要があります。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>小森 さだゆき (コモリ サダユキ)>年金制度の「賦課方式」を考える