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小森 さだゆき ブログ

カーナビと法規制の歴史

2026/5/28

カーナビ進化の裏側にあった「規制」との攻防|技術は止まらない

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

今やスマートフォン一つでどこへでも行ける時代ですが、かつて日本のカーナビゲーションシステムが「世界最強」と呼ばれていたことをご存知でしょうか。その進化の歴史を紐解くと、そこには警察当局による厳しい規制と、それを技術で突破しようとした研究者たちの壮絶なドラマがありました。


警察が立ちはだかった「車速信号」の壁

1980年代から90年代にかけて、カーナビの精度を飛躍的に高めるためには、GPSの電波だけでなく、車が実際にどれだけの距離を走ったかを知る「車速パルス(車速信号)」の利用が不可欠でした。ビル影やトンネル内でも自車位置を失わないためには、車本体からデータを取り出す必要があったのです。

しかし、ここで警視庁(警察庁)が強く抵抗しました。警察側の主張は「車両の基幹システムに社外品を接続すれば、スピードメーターの故障や重大事故を招く恐れがある」というものでした。事実上、車両データへのアクセスは「聖域」として封じられていたのです。

研究者たちの執念が生んだ「逆転の技術」

この巨大な規制の壁に対し、日本の研究者たちは驚くべき方法で対抗しました。車から信号が取れないのであればと、タイヤの回転を非接触で検知するセンサーや、路面の流れを読み取る光学的流速計など、車体に一切触れずに速度を計測する代替技術を次々と開発したのです。

こうした研究成果の積み上げと「車速信号を利用しても安全性に問題はない」という実証データの提示により、1990年、ついに警察当局を納得させ、車速パルスの利用が解禁されました。この「規制」があったからこそ、日本は「GPSがなくても正確に位置を特定する」という世界最高峰の推測航法技術を手に入れることができたのです。

「注視」規制と現在への歩み

その後も、1999年の道路交通法改正による「画面注視」の禁止など、安全確保のための規制は幾度となく強化されてきました。しかし、そのたびにメーカー側は、音声案内やステアリングスイッチ、そして現在の自動運転支援技術へとつながるUI(ユーザーインターフェース)の革新で応えてきました。

規制は安全を守るために必要ですが、時としてイノベーションを阻む壁にもなります。それを突破するのは、いつの時代も「より便利に、より豊かに」という研究者や技術者の情熱に他なりません。

政治の役割も同様です。安全を担保しつつも、新しい技術が芽吹く土壌をいかに守るか。歴史に学びながら、未来への突破口を考えていかなければなりません。

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

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