2026/2/11
| 小森さだゆき|参政党所属/市議会議員
地元の経営者の方々と話をしていると、「求人を出しても日本人の応募がまったく来ない」という切実な声を耳にします。
一方で、政府の統計やニュースを見れば「就業者数は過去最多」「労働参加率は上昇している」というデータが並びます。
この「数字上の増加」と「現場の欠乏感」のズレはどこから来るのでしょうか。
結論から言えば、日本で起きているのは単純な「人手不足(数の不足)」ではなく、深刻な「労働量の不足とミスマッチ」です。
多くの人が働いているように見えて、実は現場が必要とする戦力が供給されていないのが現状です。
一つ目の要因は、労働の中身の変化です。
統計上、労働人口は増えていますが、その内訳は短時間勤務の高齢者や、扶養内で働くパートの方が中心です。
一方で、現場(物流、建設、介護、飲食など)が求めているのは、フルタイムで責任を持って働ける人材や、夜間・土日も対応できる人材です。
「週2日・数時間」働ける方がいくら増えても、現場を支える「馬力」としての不足は埋まりません。
「統計上の人数(頭数)は足りていても、現場を回すための労働量(時間×体力)が圧倒的に足りていない」というのが、人手不足の正体の一つです。
二つ目の要因は、この不足分を外国人労働者で埋めてしまっている構造です。
ここには、「総論反対、各論依存」という日本社会の大きな矛盾があります。
社会全体としては、「治安や文化の違いが心配だから、安易な移民受け入れには反対だ」という声が根強くあります。私自身も、無秩序な開放には反対の立場です。
しかし、個別の現場においては、「日本人が来ない以上、彼らがいないと店が開かない」「工場が止まる」という現実があり、依存度は年々高まっています。
「口では反対と言いながら、実際には生活インフラを外国人労働者のハングリー精神に依存して維持している」のが実態です。
三つ目は、若年層の価値観の変化です。
かつては「きつくても給料が高ければ人は来る」という理屈が通じましたが、今は通用しなくなっています。
「単純労働」や「自分の関心が持てない仕事」には、多少賃金を上げても若者は見向きもしません。
その一方で、クリエイティブな分野や自分が意味を感じる仕事であれば、低賃金でも若者が集まる傾向があります。
社会維持に必要なエッセンシャルワークと、若者がやりたい仕事の間に、決定的なミスマッチが起きているのです。
ここで重要なのは、これを「外国人を増やして解決しよう」とするのか、「構造を変えて解決しよう」とするのかの選択です。
安易に安い労働力(外国人)を入れて数を合わせれば、企業は省力化投資をサボり、日本人の賃金も上がらないままになります。
日本がいま直視すべきなのは、「なぜ日本人がその現場で働けないのか」という問いです。
「足りないから入れる」という数合わせではなく、「日本人が働ける環境と賃金構造を取り戻す」ことこそが、政治が果たすべき責任です。
| 小森さだゆき|参政党所属/市議会議員
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