2025/11/17
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
世界の制度が示す「取り消しの限界」と、審査の重要性
以前に書いた簡単すぎる日本国帰化要件もご覧ください
https://go2senkyo.com/seijika/185873/posts/1198655
近年、日本でも「帰化した人が犯罪を起こした場合は、国籍を取り消すべきだ」という意見を耳にします。 しかし、世界の制度を見れば、帰化後に国籍を取り消すことは現実的には非常に難しいのが実情です。 制度としては存在していても、実際に適用されるのは国家反逆やテロなど、極めて限られたケースにとどまっています。
カナダやオーストラリア、イギリスなどでは、二重国籍者が国家の安全を脅かす重大犯罪を犯した場合に、市民権を失うことがあります。 しかし、その対象は「国家への反逆」や「テロ行為」に限られ、一般的な刑事事件では適用されません。 また、無国籍状態を生じさせる国籍剥奪は国際法で明確に禁止されており、法的なハードルは極めて高いものです。
つまり、帰化後に国籍を取り消すというのは、制度として存在しても、実際にはほとんど使うことができない「最後の手段」なのです。 一度国籍を与えれば、その人は国家の一員として保護される立場になります。 だからこそ、本来重視すべきなのは「取り消し」ではなく、「認定の段階」であると言えます。
日本の帰化制度は、書類や形式面では一定の厳格さを持っています。 しかし、社会への適応度や価値観の共有、地域での信頼関係といった観点では、まだ十分とは言えません。 在留期間や収入の条件だけでなく、その人が日本社会でどのように暮らし、どのように責任を果たしてきたかを総合的に見極める必要があります。
形式的な基準だけを満たせば帰化できるという現行制度のままでは、国籍の重みを守ることは難しいのです。
世界の実例が示しているのは、「帰化後の取り消しは法的に極めて難しい」という現実です。 だからこそ、今見直すべきは「取り消す仕組み」ではなく、「与える判断」のほうです。
国籍を与えるということは、社会の信頼と責任を共有するということです。 その重みを守るために、帰化の審査段階からより実質的な確認と精査を行う必要があります。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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