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人口減少時代の日高市をどうつなぐか 「多極ネットワーク型」の都市経営 日高市議会議員ヨコオ貴文

2026/9/2

画像はイメージです

人口が減る時代のまちづくりで、避けて通れない問いがあります。

「すべての地域に、これまでと同じようにすべての施設や機能を置き続けられるのか」

一方で、効率だけを理由に何でも一か所へ集めれば、そこから遠い地域の暮らしは不便になります。

私は、この二択ではなく、「必要な機能を適切に集め、複数の拠点を交通やデジタルでつなぐ」という考え方が、これからの日高市に重要だと思っています。ここでは便宜的に「多極ネットワーク型の都市経営」と呼びたいと思います。

最初に明確にしておかなくてはならないこととして、「多極ネットワーク型」は日高市の計画に記載された正式な政策名称ではありません。市の都市計画、公共交通、公共施設再編などを横断して考えるための、私自身の整理です。

日高市の公式計画は、すでに「複数の拠点」を前提にしています

日高市都市計画マスタープランでは、高麗川駅周辺、高麗駅南西部、武蔵高萩駅周辺の「3つの主要な駅周辺市街地」を中心とした、集約した都市形成を掲げています。

日高市立地適正化計画でも、武蔵高萩駅、高麗川駅、高麗駅を中心としたコンパクトな市街地が形成されているという市街地構造を踏まえています。

つまり、日高市の将来像はもともと「一つの中心だけですべてを支える」という構造ではありません。

この複数拠点を、日常生活の機能と移動手段まで含めてどう機能させるかが次の課題です。

「集約」は、人を一か所に集めることではない

コンパクトシティという言葉から、「郊外を切り捨てて駅前へ引っ越してもらうのか」と受け取られる方もいるかもしれません。しかし私はそのように考えていません。

人口減少下で必要なのは、人を一か所へ集めることではなく、行政・医療・買い物・教育・交流などの機能を、持続可能な形で配置することではないでしょうか。

言い換えれば、すべての機能をすべての地域にフルセットで置くことが難しくなっても、必要なサービスへアクセスできる状態は守らなければなりません。

そのため、集約とネットワークをセットで考える必要があります。

公共交通は「拠点をつなぐ線」になる

日高市地域公共交通計画は、2026年3月の改訂で、おでかけワゴンの本格運行や高麗川駅東口開設を反映しています。

計画では「拠点同士を連絡する公共交通軸を維持し、市民誰もが自分の行きたい場所に行って、活動して、帰ってくることができる環境を移動面から支える」としています。

これは多極ネットワークを考える上で非常に重要な考え方です。

駅、公共施設、医療、買い物などの目的地が単独で存在するだけでは、車を使えない人には届きません。おでかけタクシー、ワゴン、鉄道、路線バス、徒歩・自転車をどう組み合わせるかが、拠点政策の実効性を左右します。

公共施設再編も「どこを残すか」だけで考えない

人口減少と施設老朽化の中で、公民館、学校跡地、行政窓口など公共施設の再編は避けにくい課題です。

その際、「この建物を残す・なくす」という個別論だけでは対立しやすくなります。

大切なのは、その施設が担ってきた機能を分解することです。

相談、証明書、学習、子どもの居場所、地域活動、避難、文化。機能によっては一つの建物に複合化できるものがあります。オンラインやリモート窓口で補えるものもあれば、対面で地域に残すべきものもあります。

「建物を守る」から「必要なサービスへのアクセスを守る」へ、議論の軸を少し変える必要があります。

デジタルは「行かなくても済む」ためのネットワーク

ネットワークは道路や交通だけではありません。

行政手続のオンライン化、リモート相談、情報提供が進めば、市役所本庁まで行かなければできなかった用事の一部を地域や自宅で済ませられます。

ただし、デジタル化だけに置き換えると、スマートフォンやオンライン手続が苦手な人を取り残すおそれがあります。

デジタルで便利にすることと、必要な人には対面支援を残すこと。この両方を組み合わせることが、人口減少時代の公共サービスには必要です。

私が考える「多極ネットワーク型」の4つの視点

1.拠点ごとに役割を持たせる

すべての拠点を同じ形にせず、地域特性や既存機能に応じて役割を考えます。

2.移動できることを先に設計する

施設を集約してから交通を考えるのではなく、誰がどうアクセスするかを同時に設計します。

3.建物ではなく機能で再編する

公共施設の名称や所管課を越えて、住民が必要とする機能を組み合わせます。

4.地域ごとの声とデータで見直す

利用者数だけでなく、年齢構成、移動手段、生活圏、将来人口などを見ながら、地域ごとの違いを政策に反映します。

「どこに住んでいても、必要なサービスへアクセスできる」日高市へ

私は、人口減少を「できない理由」にするのではなく、まちの仕組みを組み替えるきっかけとして捉えたいと思います。

人を一か所に集めるのではなく、機能を適切に集め、地域と地域をつなぐ。どこに住んでいても、必要なサービスにアクセスできる日高市をつくる。

そのためには、都市計画、公共交通、公共施設、福祉、教育、DXを別々に議論せず、一つの暮らしから逆算することが必要です。

皆さんの生活圏では、「これだけは近くに必要」「ここへ行ける手段があれば暮らしやすい」と感じる機能は何でしょうか。地域ごとの実感を、これからの日高市を考える材料としてお聞かせください。

関連公式情報

日高市都市計画マスタープラン 第4章・地域別構想

日高市都市計画マスタープラン改訂資料

日高市立地適正化計画

日高市地域公共交通計画

日高市DX推進計画

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