2026/8/6

日高市の自然と聞くと、巾着田や日和田山、高麗川を思い浮かべる方が多いと思います。
一方、私が6月議会で取り上げたのは、もっと日常に近い「緑ある街並み」です。
家の生け垣、街路樹、庭先の花、道を歩いたときに目に入る山の緑。こうした日々の景色も、日高市らしさを形づくる地域資源ではないか。シビックプライドや移住定住の観点から日高市の考えを確認しました。
8月1日発行の市議会だよりに答弁の概要が掲載されましたので、今回は「その後に何を考えるか」を整理します。
6月定例会の一般質問で、私は「緑ある街並みを、日高市の魅力や地域資源として捉える考えは」と質問しました。
日高市は、緑や自然は市の魅力を高めるキーワードであり、貴重な地域資源と捉えていると答弁しています。また、緑ある街並みは地域のアイデンティティーを高め、緑化活動を通じたコミュニティーの活性化や当事者意識の創出につながり、シビックプライド醸成の要素になり得るとの考えも示しました。
移住定住についても、緑豊かな街の姿は市のイメージ向上につながるとの答弁がありました。
私は、この認識が共有されたことを一歩前進と受け止めています。
観光資源としての自然は「わざわざ見に行くもの」です。
一方、街並みの緑は「毎日目にするもの」です。
通学路の木陰、住宅地の生け垣、駅までの景色、公園から見える山並み。転入を検討している人にとっても、実際に住んだ後の暮らしを想像する材料になります。
日高市の移住情報でも、都心へのアクセスと身近な自然を組み合わせた暮らしの魅力を発信しています。6月議会では、移住体験ツアーが昨年10月の開始以降5件あり、そのうち参加した子育て世帯1世帯が転入したことも答弁で示されました。
もちろん、この1件だけで緑の効果を語ることはできません。しかし、住宅、交通、子育て、買い物と同じように「日常の景色」を移住検討者に体感してもらう意味はあります。
「緑は良いものだから増やせばよい」と単純には言えません。
樹木や生け垣には剪定、落ち葉、安全確認などの管理が必要です。道路沿いで視界を遮れば交通安全上の問題にもなります。個人宅の緑を地域資源として評価するときも、所有者に過度な負担を押しつける制度であってはいけません。
行政が管理する公園・街路樹と、民有地の緑では、取れる政策手段も異なります。
だからこそ、保全、管理、更新、支援、情報発信を一つのパッケージとして考える必要があります。
観光写真だけでなく、駅から住宅地までの道、子どもと歩ける道、季節ごとの緑など、生活者目線の写真や地図を移住情報に生かすにはどんな方法が考えられるか。
市民が「残したい」と感じる場所と、「管理が負担」と感じる場所の両方を把握するには何が必要か。
行政が一律に整備するだけでなく、地域の花壇、生け垣、清掃、樹木管理など、既に行われている活動を尊重し、無理なく続けられる支援の在り方は何か。
日高市都市計画マスタープランは「緑の恵みと活力が調和した安心快適都市」を掲げています。緑を観光・環境部門だけのテーマにせず、住宅、景観、道路、移住定住と横断して扱うにはどうすればよいか。
シビックプライドは、行政が「誇りを持ってください」と言って生まれるものではありません。
「この道が好き」「この景色を残したい」「この季節の日高が好き」。そうした日常の実感が積み重なって、自分のまちへの関わりが生まれるのではないかと思います。
緑ある街並みを、単に保存する対象ではなく、暮らしの価値としてどう育てていくか。管理する人の負担や安全面にも目を向けながら、次の政策提案につなげていきたいと思います。皆さんが「日高らしい」と感じる緑や景色はありますか。ぜひお寄せください。
横尾貴文(日高市議会議員)
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