2025/9/1
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
先日、北海道での地方議員研修フォーラムの後、倶知安町に移動し、元町議の田中よしひとさんにご案内いただき、ニセコエリアの現状を学んできました。
ひとつひとつが美しい建物は、いわゆる“キラキラ系”の人たちにもってこいの場所だなと。しかし、その裏側にはさまざまな問題が潜んでいるのです。以下、書ける範囲でご紹介します。
北海道研修・視察の関連ブログ
【視察報告】 倶知安町の違法開発 【北海道】
【視察報告】 ニセコエリアの現状と問題点 【北海道】(本記事)
【石狩市】 洋上風力に暗雲:関係者は落胆だが動物は安心したでしょうね
■ 開発が進むニセコエリア
倶知安町の玄関口である倶知安駅は、ICカードも使えない昔ながらの駅舎です。しかし少し行けば、外国語が飛び交うリゾート地に様変わりします。
現在、北海道新幹線の札幌延伸に向けた工事が進んでおり、本来2030年開業予定だったものの、最大8年延期とのこと。資材高騰、人手不足…何かと原因はありそうです。
参照:開業延期に… 北海道新幹線の札幌延伸
函館本線といっても現在は特急が走っておらず、線形も良くありません(札幌へは室蘭本線がメイン)。新幹線が開通すれば利便性が大きく向上するので期待されていることでしょう。

スキーをしない私には実感がありませんが、ニセコは世界的に見てもパウダースノーの発生率が高く、スキーヤーにとって最高のロケーションだそうです。その価値を最初に見出したのはカナダ人で、そこから本格的なリゾート開発が始まりました。

海外の富裕層が投機・別荘・貸出目的で億単位の物件を購入し、あるいはリゾート全体を開発して、VIPが快適に過ごせる環境を整えていきました。下図の宿泊地マップを見れば、2005年から15年間で開発が急速に進んだことがわかります。

観光地の地価は高騰し、その影響は住宅地にも波及しました。つまり、固定資産税など住民負担の増加につながっているのです。
■ 看板が外国語だらけ:経済還元は限定的
スキー場へ向かうメイン道路「ひらふ坂」周辺には、昔からの日本人経営の店舗も一部残ってはいますが、少し離れると中国・香港・マレーシア・アメリカ・フランスなど外国資本の建物がほとんどです。
田中さんは「ひらふ」でレンタルスキーショップを営まれており、現地事情を詳しく伺いました。
看板は英語が中心。観光客の多くが外国人で、町の人口1万5千人に対して観光客は3万人を超えるそうです。英語が主流になるのも無理はありません。
しかし問題は、外国資本による開発が多く、地域や日本への経済的還元が小さい点です。なお、土地代は70㎡(約42畳)で1億円を超えるといいます。

■ 乱開発と放置された建設現場
資金調達に無理があり、工事途中で断念して放置された事例もあります。橋の基部はすでにひび割れを起こしていましたが、撤去もされないまま残されているのは大きな問題です。

また、外資系企業による突然の開発中止で、負債を日本企業が負ったという話も聞きました。下請け業者をつぶさないためです。開発が過熱すればするほど無理な開発も増えていくのでしょう。
■ グレーゾーン開発(法律の上面だけを対処)
とある生活路が未舗装です。傾斜が強く、舗装するにしても排水路整備など膨大なコストが必要となるためそのままとなっています。さらに幅員が3m未満で道路構造令の基準を満たしておらず、建築基準法上も建物を建てられないようになっています。

その道沿いの建物を作りたい…そこで土地を購入し、目の前を部分的に幅員6m以上に拡幅することで建築基準を形式的に満たし、造成工事を進めたのです。基準だけを満たしても、積雪時やすれ違い時など実際の安全性に疑問が残ります。

この先を進むとGoogleマップのストリートビューで見れない道がありますが、建物がしっかり立っています。
「砂利のままだぞ~」とクチコミされていますね^^;

■ 新たな地区開発(大規模開発)
ニセコが飽和状態となる中、新たな開発が進みます。花園地区のスキー場は、スキーヤーからしたらあまり物足りないらしく、そのためか元々閑散としたエリアでした。そこにハイアットリージェンシーがでっかいホテルと併設する豪華なレジデンスを建設したのです。

これが呼び水となって周辺の土地が買われていき、店舗やコンドミニアムなどの建設が増加中です。駐車場が砂利状態ですが、この場所にはさらにホテル建設を予定しています。要は、日帰りスキーヤーではなく、がっつり泊まってもらえる客を呼び寄せたいという意図があるのです。
しかし、このあたりはニセコと違ってのどかで、静かだし私はとても気に入りました。泊まってみたいですね。
■ 問題は水源
ニセコエリアがリゾート地として発展した要因に、豊富な水資源、整った上下水道インフラがありました。ゲームのシヴィライゼーションと同じで、町は川沿いが発展すると言うやつです。しかし花園エリアには大きな水源がなく、それが課題となっているのです。
倶知安町と違いニセコ町自体も水源地には苦労しているそうで、だから水源地訴訟の問題が起こってるのかなと思います。田中さんは係争地の場所を含め、この問題についてはあまりよく知らないとのことでした。
当ブログ参照:ニセコ水源地訴訟 ― 町は“とばっちり”か、それとも法の必然か
ホテル建設に伴い、敷地内の工事は所有者の責任ですが、水の供給や下水処理の維持管理は市町の責務です。寄付制度もあるものの、現実には町のメンテナンス費用は増え、町民負担に跳ね返ります。ホテル側も下水道代を支払いますが、それ以上に自治体負担が増えるのが実情です。

■ 海外観光客からの適正負担
海外では観光客と地元住民で料金を分ける制度がよくあります。ニセコの現状を考えると、日本でも導入すべきでしょう。その収益を地域サービスに還元するのが望ましいと感じます。
倶知安町は全国で初めて「定率制」の宿泊税を導入しました。宿泊費が500万円に達するケースもあるため、定額制より定率制が合理的で、世界のリゾート地でも一般的だそうです。しかし、北海道は2025年から全道一律の「定額制」宿泊税を導入予定と報道されています。
参照:北海道の宿泊税導入 再来年4月から・・・
宿泊税の導入に携わってきた田中さんも非常に懸念を抱いており、定率制であるメリットを訴えています。
参照:北海道の宿泊税 進め方が雑な件
私は、日本人観光客には減免措置をしてほしいと思います。外国人観光客に追加負担を求める仕組みを検討して、日本人が旅行しやすい制度設計を進めるべきだと考えます。
■ 倶知安町とニセコ町が協力
このような状態だったら、もう合併して包括的に行政が管理した方がいいんじゃないのって感じませんか?
ニセコ町は、元々「狩太町」でしたが、ニセコアンヌプリの開発に従事してきたということで1964年にニセコ町へ改名し、駅名もニセコ駅となりました。周辺地域、特に倶知安町は”ニセコ”を独占していると反対運動もあったとか。したがって、両町はあまり仲良くないらしい…
合併の話もあったそうですが、立ち消えているようです。いつも思うけど、町名はそのままにして行政区だけ合併できないのかね。〇△市倶知安町でも町のアイデンティティは守られませんかね。

飛行機の時間もあり、田中さんからは凝縮して多くの問題点を伺いましたが、ニセコの現状は“弱体化した日本”の姿を映し出しているようで、暗澹たる気持ちになりました。
根本には法律があり、その法律を作るのは国会の役割。そして国会を正常に機能させるには、日本国民のために働く政治家が不可欠です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
ご意見・ご感想はこちらまで↓
takuya_nagata_1026@yahoo.co.jp
•━━━━━━• ∙ʚ🐤ɞ∙ •━━━━━━•
各種SNSもフォローを宜しくお願いします。
X(旧Twitter)
Facebook
インスタグラム
LINEオープンチャット(ニックネームで参加可能)
•━━━━━━• ∙ʚ🐤ɞ∙ •━━━━━━•
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>長田 たくや (ナガタ タクヤ)>【視察報告】 ニセコエリアの現状と問題点