2026/8/20
事務事業評価の客観性を高める方法として、「外部評価を導入すべきだ」という提案があります。越谷市については、この表現も事実関係を整理する必要があります。越谷市は平成16年度に外部評価を試行し、平成17年度から本格実施しました。令和5年度は通算15回目で、市の制度説明では平成28年度以降、隔年実施とされています。
通常の事務事業評価は、事業を担当する課が自ら必要性、有効性、効率性を点検する内部評価です。これに対し外部評価は、担当課以外の専門的、中立的な視点から事業内容や成果指標、実施方法を検証し、客観性と透明性を補う役割を持ちます。ただし、外部評価は監査とは異なります。会計処理の適否を調べる制度ではなく、事業の目的や効果、今後の改善を検討する行政経営上の評価です。
令和5年度は、内部評価を行った423事業から7事業が外部評価の対象に選ばれました。選定の観点は、市独自の事業や国・県制度への上乗せ・対象拡大があること、民間活用など業務改善の余地があること、担当部門が今後の方向性について外部意見を求めていることでした。市とコンサルタントが協議して対象を選び、事前質問と、一事業当たり約1時間のヒアリングを経て評価しています。
ここでいう外部評価は、市民委員だけで構成する委員会方式ではありません。令和5年度の報告書は株式会社富士通総研が作成し、ヒアリングを担当したコンサルタントが、内部評価と同じく必要性、有効性、効率性の三つの視点からAからDまでの総合評価を決定しました。一方、市民参加を促すため、この年度から市民意見を募集し、外部評価ヒアリングの概要も公表しています。専門評価と市民参加を組み合わせた形です。
結果は、B「一部見直しが必要」が5事業、C「大幅な見直しが必要」が2事業でした。Cとなったのは、ふるさと納税活用推進事業と障がい者手当給付事業です。ふるさと納税では、財源確保、特産品PR、関係人口づくりという複数の目的に対応した指標が十分でないことや、定型業務に職員の時間が取られていることなどが指摘されました。障がい者手当では、市独自部分の目的、対象、支給額の妥当性を検証する必要性などが指摘されています。
外部評価の価値は、単に厳しい評点を付けることではありません。内部評価ではBだった二つの事業が外部評価でCとなったことは、外から問い直すことで、目的と指標のずれや、市独自の上乗せ部分の根拠が見えやすくなることを示しています。同時に、外部評価は廃止を自動決定するものでもありません。担当課は指摘を踏まえた今後の方向性を別途公表し、改善の具体化は行政と予算編成の責任で行います。
今後の課題は、外部評価を「実施した」という事実だけで終わらせないことです。第一に、何件をどの基準で選ぶのかを毎回明確にする必要があります。第二に、過去にCやDとなった事業を何年後に再確認するか、追跡の周期を決める必要があります。第三に、担当課の対応方針だけでなく、実施済みか、成果指標や予算がどう変わったかまで公表する必要があります。
市民参加の方法も検討の余地があります。専門家による詳細な分析は重要ですが、サービスを利用する当事者や納税者の視点は、専門評価だけでは補えません。対象事業に応じて利用者ヒアリング、公募市民の意見、公開の場での質疑などを組み合わせれば、評価の納得感を高められます。ただし、人気投票にせず、法的義務、必要性、効果、コストを共通資料で確認する設計が必要です。
越谷市には、外部評価の歴史も実績もあります。求められるのは、新制度の導入を掲げることではなく、対象選定、評価、改善、再評価という循環を強くすることです。外部の指摘が翌年度以降にどう実行されたのかまで追えるようになれば、外部評価は一時的なイベントではなく、行政を継続的に改善する仕組みになります。
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