五十嵐 りょう ブログ

【見附市】福知山市に学ぶ廃校利活用|公共施設最適化に必要な視点

2026/5/27

 

 

総務文教委員会の行政視察として、京都府福知山市を訪問しました。

 

 

福知山市での行政視察テーマは「廃校Re活用プロジェクト」「民間事業者に届くサウンディングの手法」です。

 

 

見附市においても、学校適正配置により今後小中学校の集約が進んでいく見通しです。 

 


学校再編は、教育環境の充実という面で重要な取り組みである一方、その後に残る校舎や跡地をどう活用するのかという大きな課題につながります。

 

 

つまり、見附市にとって廃校利活用は、公共施設の最適化を考えるうえで避けて通れないテーマです。

 

 

福知山市は、京都府北部に位置し、福知山城や長田工業団地、公立大学などを有する地域の拠点都市です。 
一方で、平成の合併により市域が広がり、公共施設の保有量が増え、人口減少や施設老朽化への対応が大きな課題となってきました。

 

 

福知山市では、市立学校教育改革により、平成24年度に27校あった小学校が約半分の14校となり、16の廃校が発生しました。 

 


その後、令和元年度に「廃校Re活用プロジェクト」を立ち上げ、民間事業者との連携やサウンディング調査、廃校マッチングバスツアーなどを通じて、廃校を新たな地域資源として活用してきました。

 

 

視察で特に印象的だったのは、福知山市が廃校を単なる「使われなくなった公共施設」として扱っていない点です。

 

 

廃校は、地域にとって単なる建物ではありません。子どもたちが学んだ場所であり、地域行事の拠点であり、災害時には避難場所にもなる、地域の記憶が詰まった公共施設です。

 

 

だからこそ、福知山市では廃校活用の方針の中で「地域の意向を重視した活用」を大切にしていました。

 

 

とりわけ参考になったのは、サウンディングの前段階で地域に対し「どんな事業者に来てほしいか」だけでなく「どんな事業者だと困るか」を確認していた点です。

 

 

これは非常に現実的で、大切な視点だと感じました。理想を積み上げるだけでは、地域の合意形成は進みません。 
騒音、臭気、交通量、地域行事への影響など、地域が不安に感じる要素を先に聞き取り、それを公募条件や事業者との調整に反映していく。

 

 

この手順があるからこそ、地域と事業者の関係性を良好に保ちながら、廃校利活用を進めることができるのだと思います。

 

 

また、福知山市では、民間事業者との窓口を資産活用課へ一本化していました。 

 


もともとは教育委員会が廃校に関わる窓口でしたが、現役校の管理だけでも負担が大きく、民間事業者との調整や契約、地域対応まで担うには限界があります。

 

 

そこで、資産活用課が地元調整、事業者募集、優先交渉権者の決定、契約対応まで担う体制を整え、教育委員会は廃校までの建物管理を担うという役割分担を明確にしていました。

 

 

この庁内体制の整理は、見附市にとっても大きな学びです。

 

 

見附市で今後、学校再編により空き校舎が発生した場合、教育委員会だけで廃校利活用を進めるのではなく、財政、管財、地域経済、教育委員会などが横断的に関わる必要があります。

 

 

さらに、民間事業者にとって分かりやすい窓口を設けることが、サウンディングや公民連携を進めるうえで重要になります。

 

 

公共施設の最適化というと、どうしても「施設を減らす」「維持管理費を削減する」という議論になりがちです。

 

 

もちろん、見附市の財政や将来世代への負担を考えれば、公共施設の最適化は必要です。 

 


しかし、福知山市の取り組みから学ぶべきことは、公共施設を減らすだけではなく、使われなくなった施設を地域の新しい価値につなげる視点です。

 

 

福知山市では、廃校を活用して、農業、製造、福祉、スポーツ、キャンプ場など、多様な民間活用が行われていました。 

 


廃校を民間事業者に貸し付けることで維持管理費の削減につながるだけでなく、地元雇用の創出や固定資産税収入、交流人口の拡大といった効果も期待できます。 

 


視察では、民間活用により年間1校あたり約100万円の維持費が不要になるとの説明もありました。

 

 

見附市でも、今後の公共施設マネジメントにおいては、「残す施設」「統合する施設」「廃止する施設」「民間活用する施設」を整理していく必要があります。

 

 

その際に重要なのは、単に行政側の都合だけで決めるのではなく、地域の意向、民間事業者の可能性、将来の財政負担、そして市民サービスの維持を総合的に考えることです。

 

 

今回の行政視察を通じて、見附市の公共施設の最適化に必要な視点は大きく三つあると感じました。

 

 

一つ目は、廃校を「負担」ではなく「地域資源」として捉えること。

 

 

二つ目は、地域の不安や条件を事前に整理し、サウンディングや公募に反映すること。

 

 

三つ目は、民間事業者が相談しやすく、庁内調整も進めやすい窓口を明確にすることです。

 

 

学校は、地域の中心にあった公共施設です。その学校が役割を終えた後も、地域の未来につながる場所として再び活かすことができるかどうか。ここに、見附市の公共施設最適化の大きな可能性があると感じました。

 

 

福知山市の廃校Re活用プロジェクトから得た学びを、見附市の学校再編、廃校利活用、公共施設マネジメント、そして持続可能なまちづくりにしっかり生かしていきます。

 

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著者

五十嵐 りょう

五十嵐 りょう

肩書 見附市議会議員
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