2026/5/26
総務文教委員会の行政視察として、滋賀県湖南市を訪問しました。
今回の行政視察のテーマは「公共施設の最適化」です。
見附市においても、公共施設の老朽化、学校適正配置、将来的な維持管理費の増加など、公共施設をどう最適化していくかは避けて通れない課題です。

湖南市は、平成の大合併によって旧町から多くの公共施設を引き継ぎ、施設の重複や老朽化、維持管理費の増加に直面してきました。令和5年4月時点で136の公共施設を有しており、庁舎機能や文化施設、図書館なども旧町単位で残っている状況がありました。
こうした中で湖南市が進めてきたのが、公共施設等マネジメント推進基本条例に基づく公共施設マネジメントです。
この条例の特徴は、単に公共施設を減らすためのものではなく、長期にわたる公共施設の統廃合や適正配置について、一貫して守るべき基本理念を定めている点です。
公共施設の最適化は、短期的な判断や一時的な財政事情だけで進めるべきものではありません。市民と課題を共有し、将来世代への負担も考えながら、長期的な視点で進める必要があります。
湖南市では、公共施設等マネジメント推進委員会を設置し、総合管理計画や個別施設計画の進捗状況を毎年確認しています。
委員会には専門家や地域関係者も入り、計画の評価、点検、提言を行う仕組みが整えられていました。
ここは、見附市にとっても大きな学びです。
見附市でも公共施設等総合管理計画や個別施設計画は策定されていますが、今後、小中学校の配置適正化や公共施設の再編がより具体的に進む段階に入っていきます。
その時に必要なのは「どの施設を残すか、減らすか」という個別論だけではなく、見附市として公共施設の最適化をどう進めるのかという共通の理念です。
また、湖南市では専門性の確保にも工夫がありました。個別施設計画の策定にあたり、行革担当に建築士を配置し、施設の現状把握や老朽化調査を進めたとのことです。
公共施設の最適化は、感覚だけでは判断できません。建物の安全性、耐震性、維持管理費、利用状況、将来の更新費用など、専門的な視点が不可欠です。
見附市でも来年度、個別施設管理計画の改定に取り組む中で、建築士などの専門人材の活用や、外部の知見を取り入れる仕組みは非常に重要になると感じました。

もう一つの視察テーマが、小規模多機能自治です。
湖南市では、小学校区単位の地域まちづくり協議会を基礎としながら、4つの中学校区を生活圏域として、行政サービスや地域活動のあり方を見直そうとしています。行政がすべてを担うのではなく、行政が担うもの、地域が担うもの、行政と地域が共同で行うものを整理し、持続可能な地域運営を目指す考え方です。
この点は、見附市の地域コミュニティの取り組みにも通じる部分があります。
見附市でも地域コミュニティは大切な仕組みですが、理念通りに運用していくことの難しさもあります。担い手不足、財源、人材、行政の伴走体制など、現実的な課題を避けては通れません。
湖南市でも、小規模多機能自治はまだ道半ばとの説明がありました。
だからこそ、非常にリアルな学びがありました。制度を作れば地域自治が自然に進むわけではありません。地域に役割をお願いするのであれば、行政側の支援、財政的な裏付け、人的な伴走、そして市民との丁寧な対話が必要です。
今回の湖南市への行政視察を通じて、見附市の公共施設の最適化に必要な視点は大きく三つあると感じました。
一つ目は、公共施設マネジメントの理念を市民と共有すること。
二つ目は、専門性を確保し、客観的なデータに基づいて公共施設の最適化を進めること。
三つ目は、地域コミュニティや住民自治と公共施設のあり方を一体で考えることです。
公共施設は、単なる建物ではありません。学校、公民館、図書館、文化施設、庁舎など、それぞれが地域の暮らしや市民サービスを支えてきました。だからこそ、公共施設の最適化は「削減」だけで語るべきではありません。
見附市に必要なのは、公共施設をどう減らすかではなく、これからの見附市に必要な機能をどう残し、どう再配置し、どう次の世代につなげていくかという議論です。
今回の行政視察で学んだ湖南市の取り組みを、見附市の公共施設マネジメント、公共施設の最適化、そして持続可能なまちづくりにしっかり活かしていきます。
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