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「自衛隊失格」を読んでもう一度シビリアンコントロールの意味を考えた

2021/7/6

 

「自衛隊失格」を読んだ。

2018年に刊行されていたのが今回、文庫化にされたのだ。

著者の父親が「中野陸軍学校」出身と能登半島沖での北朝鮮の工作船と遭遇し、あわや銃撃戦になる寸前だった事件が記されており、そこに興味を持って読んだ。

 

憲法9条第2項は「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」

        「国の交戦権はこれを認めない」

となっているが1999年、能登半島沖で北朝鮮工作船と対峙する事になる。

 

行き先が航海長(筆者)にも言えない位の秘のグレードが高く、航海直前になってやっと

伝えられた位の事案だ。

任務は「特定電波発信している不審船の特定」でやがて発見し、巡視船が応援に入ったと思ったのも束の間、威嚇射撃をしただけで帰還してしまう。

(帰還の理由が如何にも公務員らしく笑ってしまった)

 

護衛艦「みょうこう」は工作船との相対位置を維持するうちに海上警備行動が海上自衛隊

発足以来、初の発令がなされる。

こうなると警告射撃に加えて立入検査実行する事が決定される。

北朝鮮の工作船には「邦人」が拉致されていると考えられ、奪還という名目の立入検査となれば生きて帰って来る事は…。

 

この命令を戦後、命令した事がない者が出し、また死を覚悟する命令を受けた事が無い者が受ける瞬間の記述と出撃する際の「航海長、後は宜しくお願い致します。」と言う言葉を受ける時の描写は読んでいても緊張感を持った。

 

彼らは防弾チョッキも無く、雑誌をグルグル胴着の代わりに巻いて代用するような有様で…。

しかし彼らの表情は半世紀前以上、特攻隊で飛び立った若者ときっと同じだったろうと記されている。

戦争から半世紀以上経って、まさか自分がという思いよりも任務を遂行しようとする気持ちが「清々しい」という表現になったのだろうか。

 

結果的に出撃しようとした瞬間に工作船が動き出した為に命令は回避されたが、もし出撃していたら…。

 

この事件後に「特殊部隊」を創設する事になる。

しかしどうやって教育するのか?施設は?どのような道具を揃えたら良いのか?…。

誰にも分からない。

挙げ句の果てには上司から「007の映画を参考にしたらどうか?」などと言い出す始末。

 

こういう何も無いところから準備して「特殊部隊」の教育はスタートする。

訓練はハードで時には死亡事故も出た程であった。

 

筆者は2年間の教官を務めた後に転勤を命じられて退職を決意する。

そこには自国の特殊部隊の状況を理解していない防衛省への歯がゆさと退職して自分で培ったネットワークを使って海外で技術を磨き、それを日本で広めた方がはるかに国益に資すると考えたからだ。

 

しかしどうやって日本で広めるのだろう?

 

ここに今年の1月にニュースになった事件が絡んでくるのではないだろうか?

https://www.47news.jp/5756306.html

 

今回のTVのニュースで名前が出た元初代指揮官もきっと著者と同じ思いからの自衛隊退職→今回の訓練行動に繋がったのではないだろうか?

(著者の上司であった)

この練習場所が三重県という事で東海地方や関西地方に所属する隊員なのかとも勘繰ってしまう。

「情報漏洩隊」の調査の結果は公開されたのかは定かではないが、余りにも重なる事が多く、少々不気味な感じがしている。

 

以前、小沢先生の記念講義で北朝鮮についての質問をした際に「緩衝帯としての」北朝鮮で一番怖いのは軍の若い連中の「暴発」だと。

今の「シビリアンコントロール」下ではそのような事はないと思っていた。

しかし北陸での事件事の戦時中と同じ「玉砕命令」。またこれを契機に創設された「特殊部隊」での隊員の葛藤。

 

想像するに、現在の「シビリアンコントロール」下での双方の判断の未熟さに於ける「本気で国を想う」隊員の葛藤から、こうした訓練に参加するのではないだろうか?

平成29年の稲田前防衛大臣の答弁に始まり翌30年の「南スーダンPKOの日報問題」においても自衛隊に於けるシビリアンコントロールが上手く機能されていない事が表面化している。

 

自衛隊に於けるシビリアンコントロールが上手く機能せず、結果、一部の隊員による暴発・・・。

あり得ない話ではなくなってきているのではないだろうか?

 

こうした側面からも(簡単ではないが)「自衛隊が抱える憲法との矛盾」、「改憲問題」等の諸問題を今一度、真剣に考える必要があるのではないだろうか?

 

画像はパブリネットから

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著者

かなざわ 一

かなざわ 一

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肩書 防災士  元自由党愛知県連 幹事長代理 瀬戸市の未来を考える会 主宰
党派・会派 無所属
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