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鳴海 まさのり ブログ

【2026年6月一般質問】「主権者としての子ども」――子ども・若者がまちづくりに参画するために

2026/7/31

はじめに

2026年6月議会で一般質問を行いました。今回のテーマの一つは、策定が進む「京丹後市こども計画」と、子ども・若者のまちづくりへの参画についてです。

 

こども基本法のもと、日本社会全体で「こどもまんなか社会」の実現が目指されています。京丹後市でも「京丹後市こども計画」の策定に向けた議論が進められており、市議会からも本年3月31日、施策提言として「子どもにやさしいまちづくり条例(仮称)」の制定を提言してきたところです。

 

もちろん、子育て支援の充実はこの文脈の中で重要です。ただ、私の認識では、「こどもまんなか社会」とは子育て支援だけではありません。見落とされがちだと感じているのは、**「主権者としての子ども」**という見方です。

 

今回の質問では、子ども・若者が主権者としてまちづくりに参画していくことの重要性をテーマに、市の考え方と仕組みづくりについて議論しました。

市はどういう考えで子どもの意見を聴いているのか

市議会の政策提言の中でも、子どもを権利の主体として位置づけ、年齢や発達段階に応じて意見を表明し、市の施策やまちづくりに参画できる基本的な仕組みをつくること、そして子どもの意見が施策の立案・実施・評価に適切に反映されるようにすることが明記されています。

 

実際、こども計画の策定にあたっては意見聴取やその反映を大事にしていく方針が示されていますし、総合計画の審議会をはじめ、他の計画でも中高生への意見聴取を目指すケースが増えているように感じています。まず、どういった考えでこうした取り組みをされているのかを問いました。

 

子ども部長からは、こども計画の策定にあたり、小学生・中学生・高校生へのアンケート調査や、職員が学校に直接出向いて声を聴く出前講座を進めていること、総合計画では高校生に審議会委員として参画いただいてきたことが紹介されました。その上で、

 

「子ども・若者を将来の担い手としてだけではなく、同じまちづくりのパートナーとして受け止め、若々しい柔軟な発想を含めた声を計画や施策に生かす取り組みを進めてまいりたい」

 

との答弁がありました。

 

とても素晴らしい考え方だと思っています。こうした取り組みは、こども基本法ができたから始まったものではなく、以前からその種はあったはずです。「決まっているからやる」のではなく、本質的に意義があると感じて取り組まれている――その姿勢を、まず評価したいと思います。

成果と、見えてきた課題

続いて、取り組みの成果と課題を尋ねました。

 

市長公室長からは、総合計画では市内3つの高校の高校生委員の参加に加え、中学生・高校生ワークショップで意見を聴取し、公共交通や空き家の有効活用、郷土教育などで若者の視点を計画に反映できたこと、都市拠点構想や教育振興計画、策定中のこども計画(医療的ケア児や障害のある子ども、未就学児など多様な声の把握に努めている)でも同様の取り組みを進めていることが示されました。

 

一方で課題として、参画した若者の経験を当事者だけでなく多くの同世代へ広げていくこと、計画策定時に限らず継続的に若者がまちづくりに関わる仕組みを充実させることが挙げられました。

 

私自身、若者や高校生にお話を聞かせていただくと、「聞かれるから言っているけど、言ってもなかなか解決されないし、特に手応えは感じていない」という声をいただくことが少なくないのが実態ではないかと感じています。

 

これは行政・市役所だけに問題があるという話ではありません。私たち議会や議員も、同じ問題を抱えているのだと思います。共に解決していきたい――そんな思いを持って、この議論を深めました。

「意見を言って終わり」にしないために――フィードバックの重要性

アンケートやワークショップ、出前講座など、「聴く」作業は丁寧に進められています。では、聴いた後はどうか。意見がどのように施策になったのか、あるいはならなかったのか。結果と理由の説明=フィードバックこそが重要ではないかと質問しました。

 

子ども部長からは、寄せられた意見をどう受け止め、計画や施策にどう生かしたのかを子どもたちにも分かりやすくフィードバックすることが重要であり、総合的な学習の時間などの授業で活用できる資料の作成や出前講座の形式など、方法の検討を始めているとの答弁がありました。さらに、

 

「意見を言って終わりではなく、自分たちの意見が真剣に受け止められたと感じられることが、今後の子どもたちの参加意欲にもつながる」

 

として、反映が難しい意見であってもその理由をできる限り分かりやすく示すことも大切だ、との考えが示されました。期待をしたいと思います。

 

また、こども計画以外の計画についても確認しました。例えば公共交通は、中高生の生活に特に密接に直結する分野であり、中高生は大きなステークホルダーです。市長公室長からは、総合計画審議会では高校生を含む委員に、意見をもとに計画案をどう作ったかを丁寧に説明したこと、教育振興計画では検討会のまとめの中に子どもたちの声を直接掲載し、意見がどう生かされたかを見える形で示したことが紹介されました。

子どもに限らない、「言うてもしゃあらへん」を越えるコミュニケーション

ここで少し視野を広げました。子どもに限らず、大人も含めて、「市に言うてもしゃあらへん」「どうせ見てくれへん」という声は、少なからずあるのではないでしょうか。

 

「子どもたちに分かりやすい資料」は、大人にとっても分かりやすいはずです。この考え方をぜひ大切にしていただきたいと思います。

 

市民から要望があったとき、その返し方が「できる/できない」「予算化する/しない」という結論だけに重きが置かれすぎていないか。「内部で検討していたので、ほったらかしにしているわけではない」というのは、市役所の立場としてはよく分かります。分かるのですが、それは住民の方には伝わらないコミュニケーションではないでしょうか。

 

どういうことを検討していくのか、そのためにどのくらいの時間がかかるのか、いつ頃どんな回答ができそうなのか――結論を出すまでの過程にこそ、住民とのコミュニケーションがあり得るはずです。

 

要望型のまちづくりではなく、「行政にできるのはここまで」「でも、こういう課題が残っている」と解像度を高くオープンにすることで、協働の場面や機会がより生まれやすくなる。そんなまちづくりを実現したいと考え、市の見解を問いました。

 

市長公室長からは、複雑化する地域課題への対応には、できる・できないだけでなく**「回答の出口に幅を持たせる」**――100か0かではなく「こういうことだったら」も含めて考えることが多様な参加につながる、との見解が示されました。あわせて、公民連携の民間提案制度(テーマ型・フリー提案型)や、提案につながりやすい提示の仕方を工夫するマッチング支援事業への取り組みも紹介されました。

 

行政リソースが限られていることを前提にしても、「ここまではできて、ここから先はできない」が見えてくれば、地域や市民、事業者の方々も「自分たちにやれること」を思いつきやすくなるのではないでしょうか。

私の提案:子ども・若者の挑戦を支える「マイクロファンド」を

議論の最後に、一つの提案をしました。

 

少額でよいので、例えば1プロジェクト10万円程度のマイクロファンド的な事業予算を用意し、子どもたち・若者たちが地域課題の解決や新たな価値づくりのアイデアを、自ら実現できる仕組みをつくれないか、というものです。

 

京丹後市では、小・中学校からの「丹後学」、高校での総合的な探究の時間、「ルーツ」など、子どもたちが地域に関わる「関わりしろ」が積み重ねられてきました。ただ、現状ではそれが**「提案で終わってしまっている」**のではないか、という問題意識を私は持っています。

 

提案を実践につなげる基盤を仕組みとして用意すれば、関わりしろは一層広がります。まちづくりは長い時間のかかる営みです。教育課程の中では1年、あるいは数ヶ月で形にしなければなりませんが、こうした仕組みがあれば、より長い目で事業を育てていけるのではないでしょうか。

 

市長からは、

 

「大切な、魅力的なご提案をいただいたと受け止めております」

 

との答弁がありました。子どもたちをまちづくりのパートナーとして捉えるだけでなく、意見表明の機会にとどまらない**「プレイヤーとしての参画」**は、将来を担う子どもたちが自分ごととしてまちづくりに関わる実践的な経験になり、彼ら彼女たちの将来にとっても、町の今と未来にとっても重要だ、との認識が示されました。全国の中高生が起業する「一般社団法人Sustainable Game」との連携協定や、ルーツ、丹後万博など、実践の機会づくりを進めながら、提案を参考に環境を整えていきたいとの前向きな答弁をいただきました。

おわりに

今回の質問を通じて、市が子ども・若者を「まちづくりのパートナー」として受け止める姿勢を持っていること、そして「聴く」から「返す(フィードバックする)」、さらに「共に実践する」への課題が明らかになりました。

 

子どもの意見をどう扱うかという問いは、単なる計画策定の手続きの問題ではなく、行政と市民のコミュニケーションのあり方、そして次の世代とどんなまちづくりを目指すのかという根本的な問いにつながっています。

 

子どもや若者が、意見を言う存在から、まちをつくるプレイヤーへ。その仕掛けづくりを引き続き提案し、市民の皆さんとともに議論を深めていきたいと思います。

 

📺 詳しくは、私の質問をYouTubeに公開しています。ぜひご覧ください。

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著者

鳴海 まさのり

鳴海 まさのり

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