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副首都法案に二度も否定された都構想を忍ばせる維新の会

2026/6/3

維新上の都合により・・・。

 自民党と日本維新の会が今国会で成立を目指す副首都構想関連法案の全容が明らかになった。東京一極集中の是正や大規模災害時の国家機能維持を掲げることは重要である。首都直下地震などへの危機感が高まる中、政治・行政・経済機能を分散させる議論は避けて通れない。しかし、今回の法案には看過できない重大な問題がある。法案の附則に大都市地域特別区設置法(大都市法)の改正を盛り込み、大阪都構想の再挑戦を可能にする制度変更が織り込まれている点である。

 維新が掲げる大阪都構想は2015年、2020年の二度にわたり住民投票で否決されている。特に2020年の住民投票は維新が府市双方を掌握し行政力を総動員した中で実施されたにもかかわらず大阪市民は反対多数の判断を下した。民主主義において住民投票は極めて重い意味を持つ。民意によって否定された構想であることは明らかである。

 今回の法改正では住民投票の対象を大阪市民だけでなく大阪府全域に広げ大阪都への名称変更まで同時に問える仕組みが検討されている。これは制度変更によって再挑戦を有利に進めようとするものではないかとの疑念を招いて当然だろう。そもそも、副首都構想と大阪都構想は本来別問題である。副首都構想とは国家機能のバックアップ体制や多極分散型国土形成をどう進めるかという国家戦略の議論だ。一方、大阪都構想は大阪市を廃止し特別区へ再編する地方自治制度改革の問題である。両者を一つの法案に結び付け、附則という形で制度改正を滑り込ませる手法には強い違和感がある。附則とは本来、法律施行に伴う経過措置や関連整備を定めるためのものであり、国論を二分するような大型制度改革を実質的に抱き合わせるための道具ではない。もし本当に大阪都構想を再び国民的・住民的に問いたいのであれば独立した法案として堂々と議論すべきである。

加えて、「都」という名称問題も軽く扱われ過ぎている。東京都は単なるブランド名ではなく戦時体制下で成立した特殊な自治制度を背景に持つ存在だ。大阪都という名称変更が行政権限や財政制度にどのような実質的意味を持つのか十分な説明はなされていない。名称先行の政治的演出であれば自治制度改革としての本質を見失う。

 無論、日本全体として東京一極集中を是正し多極分散型国家へ転換する必要性は高まっている。大阪がその中核を担う可能性も十分にある。しかし、それと都構想の再挑戦を同一視するべきではない。国家戦略と一地方政党の悲願を一体化させれば副首都構想そのものへの国民的不信を招きかねない。二度否定された民意をどう受け止めるのか。制度変更によって再挑戦の土俵を変えることが民主主義にかなうのか。いま問われているのは副首都の是非だけではない。維新の会の看板政策は二度も民意に否定されている。維新の会の民意に対する姿勢が問われている。

#副首都構想 #都構想 #2度否定された維新の会の看板政策


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坂本 雅彦

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