2026/2/27

一昨日から八尾市議会本会議が開会していますが、各会派の代表質問を聞いていて、考えさせられることがありました。
八尾市議会は一問一答方式を採用しています。本来これは、執行部と議会がその場で真剣に向き合うための質問の仕組みです。緊張感があり、論点が深まり、市民にも分かりやすい議論が展開されることが期待されています。
しかし、質問の構成や表現ぶりを聞いていると、どう考えても「執行部職員が議員の質問原稿を作成しているのではないか?」と、疑念を抱かざるを得ない場面がありました。
もし、職員が作成した原稿を議員が読み、それに対して用意された答弁を執行部が返すという構図が存在するならば、それは質疑ではなく台本の確認作業です。一問一答の本来の趣旨とは異なります。
さらに看過できない視点があります。
この間、八尾市執行部は、働き方改革や業務時間の縮減に取り組み、限られた人員で効率的な行政運営を目指しています。一方で、行財政改革や人件費縮減を強く主張する議員側が、質問原稿作成依頼・代筆という形で職員のリソースを使っているとすれば、議論の整合性が取れません。
「職員負担を減らせ」「人件費削減」「職員の働き改革」などと声高に主張しながら、議員が別の形で職員の負担を増やしているのであれば、本末転倒です。
地方自治は、議会と執行部の二元代表制によって成り立っています。
執行部は事務事業を執行し、議会はそれを監視する。この関係には適度な緊張感が必要です。
議会質問原稿を執行部が作成し、監視する側と監視される側の境界が曖昧になれば、緊張関係は失われます。その先に生じるのは、馴れ合いともたれ合い、そしてぬるま湯のような、市民不在の議会・行政運営です。
地方公務員法第35条は、自治体職員に職務専念義務を課しています。議員の質問原稿の“代筆”や“質問立案”は、答弁作成とは別であり、職員の「職責遂行」には含まれません。答弁の準備は職務ですが、質問そのものを作成することは本来の職務の範囲を超えています。
また、職員による特定議員の質問構成・立案が、その議員や属する政党・会派の政治的主張形成に資する態様で行われる場合、、政治的中立原則に反します。地方公務員法第36条は、職員が特定の政治的立場を利する行為を行うことを厳しく制限しています。質問は議会活動であり、政治的主張そのものです。その構成に関与することは、実質的に特定議員の政治活動を支援する行為に他なりません。
※例えば大阪市では「大阪市職員の政治的行為の制限に関する条例」により、政治的中立の具体的な運用が定められており、特定の政治的立場を職員が助長する行為は許されないと整理されています。この趣旨に照らしても、特定の議員の質問構成・立案への職員の関与は許容される範囲を超えていると言えます。
さらに、「八尾市職員のコンプライアンスの推進に関する条例」の第13条では、「不当要求行為等があった場合、職員はこれを拒否し、上司等へ報告しなければならない」と定めています。同条例に照らし、
今後、議会の場でこれらの点を具体的に確認し、整理を求めていきたいと考えています。
この問題は八尾市に限った話ではありません。東京都東村山市議会などでも、職員が議員の質問原稿や質問項目を作成しているのではないかという趣旨の問題提起がなされ、議会で議論されています。
全国的にも論点化しているテーマであり、避けて通れない問題です。
八尾市議会に限れば、この問題は特定の政党や会派の問題ではありません。問題は所属党派ではなく、議員個々人の姿勢です。
どの会派にも自ら考え、自ら書き、自分の言葉で語る議員もいます(むしろそれが多数派だろうと感じます)。反対に、党派に関係なく、職員依存の傾向が強いと見受けられる議員もいます。これは構造というより、習慣とスタンスの問題です。最終的には、期数や経験も含めた議員個々人の姿勢に帰着します。
少なくとも私は、公職を拝命して以来、質問原稿の作成依頼や代筆を職員に求めたことは一切ありません。自分の言葉で考え、自分の文字で書き、自分の責任で発言してきました。その積み重ねがあってこそ、現在の議会での発言スタイルが確立されたと自負しています。
今は、自身の考えや概念を文章として整えたいのであれば、生成AIが十分にその役割を担える時代です。構成整理や推敲は、技術的にいくらでも支援を受けられます。にもかかわらず、議員が職員に原稿の代筆を求めるとすれば、それはあまりにも時代錯誤と言わざるを得ません。
この問題は、議員側だけを責めて終わる話でも、職員側だけの問題でもありません。双方の姿勢とルールの問題です。
今後、市議会予算委員会の場等において、職員側の服務管理やコンプライアンス体制、そして議員側の倫理や自律の在り方について、制度として整理すべき点を確認し、議論していきます。
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