2026/8/23

先日、今は教師として教壇に立っている教え子の一人が、私にこんなことを言ってくれました。
「いつも、教師・小谷英次郎なら、この時どうするかを意識しながら、子どもたちと向き合っています」
冗談ではありませんでした。
真剣な眼差しで、そう話してくれました。
嬉しかった。
でも、それ以上に、不思議な気持ちになりました。
私はもう、教師ではありません。
教壇を離れてから、ずいぶん時間が経ちました。
それなのに、かつて教室で私が伝えた何かが、一人の教え子の中に残っている。
そして今度は、その教え子が教師になって、毎日、自分の生徒たちの前に立っている。
もしかすると、私が18年前から約10年間、蒔きつづけていた小さな種が、私の知らない教室で、今も芽を出しているのかもしれない。
そう思いました。
教師という仕事は、本当に不思議な仕事です。
自分が蒔いた種が、いつ、どこで芽を出すのか。
そのときには、分からないのです。
私は、高校教師という仕事が大好きでした。
若者たちと毎日向き合う。
話す。
一緒に悩む。
時には叱る。
昨日までできなかったことが、できるようになる。
自信のなかった子が、少しずつ自分を信じられるようになる。
そして、それぞれが自分の道を見つけ、教室から巣立っていく。
その姿を一番近くで見守ることができる。
私は、それが本当に幸せでした。
だから今振り返っても、迷わず言えます。
教師は、私にとって天職でした。
政治の世界へ進むために教壇を離れましたが、心のどこかにはずっと「教師だった自分」が残っていました。
でも最近、少し違うのではないかと思うようになりました。
「教師だった自分」が残っているのではない。
もしかすると私は、今も形を変えて、教師を続けているのではないか。
そう思わせてくれた若者たちがいます。
現在、小谷英次郎事務所には、18歳、19歳の大学生3人がインターンに来てくれています。
もちろん、私の教え子ではありません。
担任でもありません。
そこに教室も、黒板も、出席簿もありません。
それでも、一緒に過ごしていると、教師だった頃と同じ感覚になる瞬間があります。
一緒に街頭に立つ。
政治について話す。
社会について話す。
時には、仕事や人生について話す。
彼らから質問が飛んできます。
私は、自分が知っていること、経験してきたことを伝えます。
すると、また質問が返ってくる。
そして時には、私の方が、
「そんな見方があるのか」
と気づかされる。
ああ、これも教師だった頃と同じだな、と思います。
教えているつもりで、教えられている。
そして、日々少しずつ変わっていく彼らの表情や言葉を見ていると、私はやっぱり嬉しいのです。
3人が来てくれたことで、私は気づきました。
私は、大好きだった「先生」という仕事を、形を変えて今も続けさせてもらっている。
3人には、心から感謝しています。
教え子の中には、今、教師として教壇に立っている子たちがいます。
中には、
「先生の背中を追いかけて、教師になった」
と言ってくれる子もいます。
教師だった頃の私は、そんな未来を知りませんでした。
目の前にいる生徒に、必死に向き合っていただけです。
それが何年も経ってから、
「あの時の言葉を覚えています」
「あの時のことが、今につながっています」
と返ってくる。
そして今、彼ら彼女らは、自分の目の前にいる子どもたちと向き合っています。
私がかつて渡した何かを胸のどこかに持ちながら、今度は自分の言葉で、自分の生徒たちに何かを手渡している。
そう考えると、胸がいっぱいになります。
教育とは、そういうものなのかもしれません。
何かを教えて終わる仕事ではない。
受け取ったものが、いつか別の誰かへ手渡されていく仕事なのだと思います。
私は教師を辞め、政治家になりました。
仕事は大きく変わりました。
でも、本当に大切にしているものは、あまり変わっていないのかもしれません。
人を信じること。
その人の中にある可能性を見つけること。
今できていることだけで、その人を判断しないこと。
そして、未来を信じること。
これは、教師として大切にしてきたことです。
そして私は、政治もまた、未来を信じる仕事だと思っています。
政治は、今日だけを良くするための仕事ではありません。
10年後、20年後。
今の子どもたちや若者たちが大人になったとき、どんなまちで暮らしているのか。
どんな仕事をしているのか。
どんな夢を持てるのか。
そしていつか、
「このまちで生きてきてよかった」
と思えるのか。
教師は、一人の子どもの未来を信じる。
政治は、まだ見ぬ次の世代の未来に責任を持つ。
そう考えると、高校教師だった私と、政治家になった今の私は、別々の人生ではありませんでした。
教室が、まちに変わっただけなのかもしれません。
今、教師になった教え子たちがいます。
彼ら彼女らの前には、たくさんの子どもたちがいます。
私がかつて渡したバトンの一部が、そこにあるのだとしたら。
そのバトンはもう、私の手を離れています。
それでいいのです。
むしろ、それが嬉しい。
そして今、私の目の前には18歳、19歳の3人がいます。
彼らがこれから、どんな人生を歩むのかは分かりません。
教師になるわけでもないかもしれない。
政治の世界に進むわけでもないかもしれない。
それでいい。
いつの日か、それぞれの場所で、誰かと出会うでしょう。
そしてその誰かに、自分が受け取った何かを手渡す日が来るかもしれません。
そのとき、私はそこにはいません。
きっと、そのことを知ることさえないでしょう。
でも、それでいいのだと思います。
教師だった頃だって、同じでした。
自分が蒔いた種が、どこで芽を出すのか。
そのときには、分からないのですから。
最後に、3人へ。
私のところへ来てくれて、本当にありがとう。
一緒に街頭に立ってくれること。
たくさん質問してくれること。
一緒に考えてくれること。
そして、少しずつ成長していく姿を見せてくれること。
君たちのおかげで、私は大切なことを思い出しました。
先生という仕事が、私は本当に好きだった。
そして、人が成長していく姿を見ることが、私は今でもこんなに好きなんだ、と。
18年前、私は教室で生徒たちに何かを手渡しました。
その中には今、教師になり、自分の生徒たちへ何かを手渡している人たちがいます。
そして今、私はまた、若い3人と一緒に歩いています。
いつの日か、君たちも誰かに何かを手渡す日が来るかもしれない。
人から人へ。
世代から、次の世代へ。
バトンは、そうやって渡っていくのだと思います。
教える場所は、教室からまちへ変わりました。
黒板も、出席簿もありません。
けれど、人の可能性を信じ、未来へ何かを手渡していくことは、何も変わっていません。
そう考えると――
私の教師人生は、まだ終わっていないのかもしれません。
(今日もYOUTUBE更新します!)
https://www.youtube.com/shorts/ywC6QtwVd8Y
*写真はインターン生たちと。
【小谷英次郎・活動インフォメーション】
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(※電話は出れないことが多く、メールかSMSだと確実です。2027年4月に向けて、共に頑張りましょう!)
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