小谷 英次郎 ブログ

「見守りおむつ定期便」の事業化について 厚生文教常任委員会報告 #小田原市議会

2026/8/8

先日の厚生文教常任委員会で、「見守りおむつ定期便」の事業化について報告がありました。神奈川新聞(カナロコ)でも取り上げられていましたが、県内では初めての取り組みとなる事業です。

私としては、加藤憲一市長のマニフェストになる前から、小田原市議会において一般質問など行ってきました。政策提案の実現でもあります。

委員会でのやり取りを踏まえ、私自身の考えもお伝えしたいと思います。

 

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どんな事業か

生後3か月から1歳(誕生月)までの乳児がいる家庭を対象に、毎月1回、子育て経験のある見守り支援員が訪問し、紙おむつなどの育児用品を対面で手渡ししながら、子育ての相談に応じるという事業です。対象となる乳児は月あたり約720人と見込まれています。

生まれてすぐの「こんにちは赤ちゃん事業」のあと、1歳までの間に母子の見守りの機会が手薄になっている――その空白を埋めることが目的とされています。スケジュールとしては、令和8年10月からプロポーザル方式で事業者を選定し、研修期間を経て、令和9年度中(令和10年1月頃を想定)の配達開始を目指すとのことです。

委員会で出た懸念

当日の質疑では、いくつかの重要な指摘がありました。

まず、支援員の質とプライバシーに関する懸念です。資格を持たない子育て経験者が家庭に入り、主観的な助言をすることが、かえって保護者の負担やプレッシャー(監視されているような感覚)になるのではないか、という指摘です。これに対し当局は、「助言」というよりもまず「話を聴く」ことで孤立感を和らげるのが主眼であり、専門的な支援が必要だと判断した場合には、子育て支援課などの専門職につなぐ橋渡し役を想定している、と説明しました。

また、ニーズ調査を行っていないこと、市内にこうした業務を委託できる専門性を持つ事業者が実際にいるのか、個人情報の取り扱いを含めて検討が十分とは言えないのではないか、という厳しい指摘もありました。当局からは、関西や都内の先進自治体の枠組みを参考に、同様の事業を担える系列事業者と意見交換を進めているとの説明があり、この日出された各委員からの懸念を受け止め、制度の整理・見直しの機会を持ちたい、との答弁がありました。

私自身の考え

いくつか、私自身の考えをお伝えしたいと思います。

まず、この「お節介な行政」の方向性そのものは、私は良いことだと思っています。

これまでの行政サービスの多くは、「困った人が自分から窓口に来る」ことを前提にしてきました。しかし、本当に助けが必要な家庭ほど、自分から声を上げることが難しいものです。誰にも会わず、誰にも相談できないまま、赤ちゃんと二人きりで追い詰められていく――そうした孤立を防ぐには、行政の側から「毎月必ず会いに行く」という、ある種のお節介さが必要だと考えています。プライバシーへの配慮は当然必要ですが、それを理由に「行政は家庭に踏み込まない」という姿勢に閉じてしまうことのほうが、私はリスクだと感じます。

そして、乳児期という最も大切な時期に、専門機関へすぐにつなげられる仕組みができることは、非常に大きな利点だと考えています。

生後3か月から1歳という時期は、虐待のリスクや産後うつ、育児不安が最も深刻化しやすい時期でもあります。この時期に、月1回とはいえ「顔を合わせて話を聴く」機会があり、必要に応じて子育て支援課などの専門職に橋渡しできる体制があることは、早期発見・早期支援という観点から見て、単なる育児用品の配布以上の価値があると思います。

一方で、この事業を外部委託で進めることには、懸念点もあります。

家庭という最もプライベートな空間に入り、個人情報や家庭の状況を扱う仕事だからこそ、本来は市が直接責任を持つ「市直営」で行うことが望ましいと考えています。委託の場合、支援員の質の担保や、異変を察知した際の専門職への橋渡しのスピード、情報共有の確実性が、委託先次第で変わってしまうリスクがあります。

また、委員会でも指摘があった通り、そもそも市内にこの水準の業務を担える事業者が十分にいるのか、まだ見えていません。子育て支援課などの専門部署と一体的に、市が直接この事業を担う体制も検討すべきだと、私は考えています。

制度の中身が固まっていく大切な段階です。引き続き、注視し、必要な提言を重ねていきたいと思います。

 

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著者

小谷 英次郎

小谷 英次郎

肩書 世界中を旅した元熱血高校教師
党派・会派 立憲民主党

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