2026/6/22
小学校や中学校の水泳の授業をめぐって、全国でさまざまな動きが出ています。
学校のプールの老朽化、維持管理費の増加、教職員の負担、猛暑による授業中止、安全管理の難しさ。こうした課題から、水泳の授業を縮小したり、民間のスイミングスクールに委託したり、公共施設のプールを活用したりする自治体が増えているとのことです。
この記事を読んで、あらためて感じたのは、水泳の授業は単に「泳げるようになるための授業」ではないということです。
もちろん、クロールができる、平泳ぎができる、何メートル泳げるということも大切です。しかし、それ以上に大切なのは、水の怖さを知ること、水の中であわてないこと、浮いて待つこと、自分の命を守る方法を学ぶことだと思います。
つまり、水泳は「命を守る授業」なのです。
日本は海に囲まれ、川や池、用水路も身近にあります。大垣市も水の都と言われるように、水との関わりが深いまちです。だからこそ、子どもたちが水に親しむことと同時に、水の危険を知ることはとても大切です。
一方で、学校現場の負担も見過ごすことはできません。
学校のプールを使うとなれば、授業の前には掃除があり、水質管理があり、安全確認があり、授業中には複数の目で子どもたちを見守る必要があります。水泳指導そのものも専門性が求められます。教職員のみなさんにとって、水泳の授業は非常に負担の大きい授業であることも事実です。
さらに、学校プールの維持管理には多額の費用がかかります。使用する期間は限られているにもかかわらず、老朽化すれば改修費も必要になります。猛暑で屋外プールの授業が難しくなる日も増えています。これまで通り、すべての学校にプールを維持し、同じ形で授業を続けることが、本当に現実的なのか。ここは冷静に考える必要があります。
ただし、ここで間違ってはいけないのは、「学校プールをどうするか」という問題と、「水泳の学びをどう守るか」という問題を一緒にしてはいけないということです。
学校のプールを維持することが難しいから、水泳の授業そのものも縮小する。これは違うと思います。
大切なのは、形を変えてでも、子どもたちに必要な学びを残すことです。
民間のスイミングスクールへの委託には、専門的な指導を受けられる、屋内プールで天候に左右されにくい、教職員の負担軽減につながるといったメリットがあります。一方で、移動に時間がかかり、水に入っている時間が短くなる、授業時間の確保が難しくなる、地域によって利用できる施設に差があるといった課題もあります。
公共施設の活用、学校間での共同利用、民間委託、チケット方式、着衣泳や安全教育を重視した授業への見直しなど、全国ではすでにさまざまな工夫が始まっています。大垣市としても、こうした動きをよく調査し、これからの学校水泳のあり方を考えていく必要があると思います。
まず必要なのは、現状の把握です。
市内の学校プールはどれくらい老朽化しているのか。今後、改修や更新にどれだけの費用がかかるのか。教職員の負担はどの程度なのか。水泳の授業は十分な回数を確保できているのか。猛暑や雨天による中止はどれくらいあるのか。民間施設や公共施設を活用する場合、移動時間や費用、安全管理はどうなるのか。
こうしたことを一つひとつ確認したうえで、大垣市にとって最もよい形を考えるべきです。
私は、すべてを昔と同じ形で続けることだけが正解だとは思いません。施設のあり方は変わってもよいと思います。民間の力を借りることも、公共施設を活用することも、場合によっては必要です。
しかし、子どもたちが水と向き合い、自分の命を守る力を身につける機会は、決して失ってはいけません。
水泳の授業は、体育の一単元であると同時に、命を守る教育です。
大垣市においても、学校現場に負担を押しつけるのではなく、また単に施設維持の問題だけで判断するのでもなく、子どもたちにとって必要な学びをどう守るのかという視点で、これからの水泳授業のあり方を議論していく必要があると思います。
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