2026/6/24
こんにちは、亀山市議会議員の草川たくやです。
「亀山はゴミの分別が楽で助かる」
「環境センターに自分で持ち込めば、引っ越しのときも処分が楽」
市民の方からこんな声を、私は何度も聞いてきました。毎日の暮らしに一番密着している行政サービスが、ごみ処理です。その亀山のごみ処理が今、四半世紀に一度の大きな分かれ道に立っています。
令和8年6月17日の産業建設委員会協議会で、「亀山市次期ごみ処理施設整備基本構想(案)」が示されました。122億円から148億円という、市の一大プロジェクトです。今日はこの構想案を、市民の皆さんと一緒に読み解いていきます。

亀山市総合環境センターの溶融施設は、シャフト式ガス化溶融炉80t/24h。平成12年4月の稼働から25年が経過しました。市は令和8年3月に長寿命化計画を改訂し、さらに3年の延命を図る方針ですが、それでも令和14年度末で溶融施設の稼働を終える予定です。次の施設は令和15年度の稼働開始を目標としています。
さらに深刻なのが粗大ごみ破砕処理施設です。こちらは平成2年稼働で35年。全国の同種施設の平均供用年数27.0年をすでに大きく超えています。「待ったなし」というのは、まさにこの状況を指します。
国は令和7年2月18日、新たな廃棄物処理基本方針を告示しました。3R(リデュース・リユース・リサイクル)にRenewable(再生可能資源)を加え、2050年の脱炭素、そして熱回収できる焼却施設の整備を優先する方向です。あわせて国は「既存建屋を活用したごみ焼却施設の更新」を交付制度で後押ししています——全国で更新需要が一斉に来るのを平準化するためです。
三重県も動いています。令和8年3月に広域化・集約化協議会を立ち上げ、令和9年度末には「三重県ごみ処理長期広域化・集約化計画(仮称)」を策定する予定です。亀山の判断は、この県の枠組みとも無関係ではいられません。
亀山市のごみ処理経費は令和4年度に県内で高い方から4番目でした。市民1人当たりの処理経費はR5=29,551円、R6=26,659円。近隣同規模都市の高浜市16,988円、岩倉市11,649円、菊川市16,877円と比べても高額です。高温溶融という方式は、ガラスも陶磁器も処理できる代わりに、燃料コストがかさみます。
一方で、亀山には全国に誇れる強みがあります。1800度の高温溶融で、平成22年度から飛灰を全量再資源化(山元還元)し、最終処分量ゼロを達成。日本で初めて最終処分場のプラを掘り起こして溶融処理した実績もあります。能登半島地震など他自治体の災害廃棄物も受け入れてきました。資源化率はR6現状26.3%で、R12目標38.0%にはまだ届きませんが、1人1日当たり排出量861gは目標を前倒しで達成する水準です。指定ごみ袋を導入していない「自由袋」方式も、亀山の暮らしやすさの一部です。
焼却施設の規模は48t/日(現有の80t/24hから、人口減によるごみ量減少を反映して縮小)、粗大ごみ破砕処理施設は13.4t/日。処理方式と事業費の比較(令和7年時点モデル試算・税込)は以下のとおりです。
財源は循環型社会形成推進交付金+一般廃棄物処理事業債+一般財源。運営費は稼働後20年で方式により約112〜116億円規模に上ります。スケジュールは、R7基本構想→R8以降に基本計画・生活環境影響調査・基本設計→建設工事→令和15年度稼働、という流れです。
施設の「形」(処理方式)と並んで大事なのが、「誰が建てて、誰が運営するのか」という事業方式の選択です。構想案では、大きく3つのタイプが比較されました。
構想案は、これまでの長年の安定操業を踏まえると公設民営型が効果的とし、なかでも設計・建設・運営を同じ事業者が一体で担うDBO方式を最も優位と評価しました。民間のノウハウでコストを抑えつつ、施設そのものは市の所有に保つ——いわば「持ち主は市のまま、運転はプロに任せる」という考え方です。具体的な財政負担の軽減効果は、今後のPFI導入可能性調査で検証される予定です。
ここでも私の立場は変わりません。民間に運営を委ねても、ごみ処理は市が責任を負う公共サービスです。手数料や搬入サービス、緊急時の対応が後退しないよう、契約の中身まで議会がしっかり確認していく必要があります。
ここで市民の皆さんに知っておいてほしい大事な留意点があります。これは「基本構想(案)」で、方式はまだ確定していません。もし新たにストーカ炉になれば、ガラスや食器は溶融処理できず別の分別が必要になります。さらにプラスチック資源循環促進法により、プラの分別収集も必要になる可能性があります。つまり分別区分が増えるかもしれない——市は周知期間を設けて丁寧に説明する方針です。
実は私は、2025年6月の本会議一般質問で、この問題を「新ごみ処理施設整備事業と周辺道路改良・土地利用の方向性」として取り上げました。私の論点はただ一点、「市民サービスを後退させない」ことです。具体的に市へ確認・要求したのは3つ。
(1)分別のしやすさ——これは亀山の暮らしやすさであり、移住の理由にもなる魅力です。これを損なわないこと。
(2)ごみ袋の有料化・指定袋導入をせず、現行の自由袋方式を続けること(市は「現時点で導入の考えはない」と答弁しました)。
(3)家庭ごみの自己搬入(市内在住者は350kg以下の持込み無料)を、工事期間中も途切れさせないこと。市からは「敷地内のレイアウトを検討し、受入れを続けたい」との答弁を引き出しました。
この構想を、私はコストの多寡だけでは判断しません。安さと市民サービスの両立、そして脱炭素——この3つの軸で、議会からチェックしていきます。
産業建設委員会協議会で示されたのは、まだ比較段階です。これからの基本計画・生活環境影響調査・建設地検討では、住民説明と情報公開を徹底させていく必要があります。116億〜148億という巨額事業を、「安さ」だけでも「今までどおり」だけでもなく、20年後の市民負担と、毎日の分別の利便性——その両面から、市民の皆さんと一緒に見極めていきます。
毎日の暮らしを支えるごみ処理を、未来につなぐ。議会の場から、しっかり問い続けてまいります。
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