2026/8/4
こんにちは、練馬区議会議員高橋しんごです。
先日、練馬区立美術館・貫井図書館の再整備について、区内でご商売を営む方から、率直なお気持ちをお寄せいただきました。
その方は、物価上昇が続く中で、少しでも区の力になりたいとの思いから、日々のお仕事で得られた大切な収入の一部を、美術館のために寄付されたとのことです。
寄せられたお言葉の中には、
「区民から集めた大きなお金を、多くの方々に還元する行政であってほしい」
という、非常に重いメッセージがありました。
今回の事業中止について、寄付をされた方が残念に感じるのは当然のことです。
区の文化行政を応援し、将来の子どもたちや地域のために役立ててほしいと託した善意が、今回の判断によってどのように扱われるのか。
行政には、寄付をされた方々に対して、これまで以上に丁寧で誠実な説明を行う責任があります。
私自身も、今回の行政判断については、十分な検証と説明が尽くされたのか、疑問を感じています。
もちろん、物価高騰や建設費の上昇を踏まえ、事業費を厳しく精査することは必要です。
しかし、費用が増加したという理由だけで、それまで積み重ねてきた計画や区民の期待、寄付者の思いを事実上白紙に戻すのであれば、その判断には極めて高い説明責任が伴います。
公共事業は、単なる行政支出ではありません。
設計、建設、設備、資材、運送をはじめ、多くの事業者や、そこで働く方々の雇用と生活につながっています。
そこで得られた収入が、子育てや教育、地域での買い物や消費に回り、再び地域経済を支えていく。
公共事業には、そのような経済の循環を生み出す側面もあります。
事業を中止するのであれば、減少する支出だけでなく、失われる雇用、地域経済への波及効果、そして将来世代が受け取るはずだった文化的価値についても、併せて示すべきです。
最近では、何かに反対すること自体が強く注目される傾向があります。
しかし、行政は声の大きさだけで判断してはなりません。
事業に反対する方の意見に耳を傾けることは当然ですが、事業の実現を願ってきた方、寄付をしてくださった方、工事や業務を担う予定であった方々の声も、同じように重く受け止めなければなりません。
行政に求められるのは、単純な賛成か反対かではなく、区全体の将来にとって何が最善なのかを、客観的な根拠と責任ある判断によって示すことです。
今回の判断に至った経緯、事業費の精査、縮小や段階整備などの代替案、寄付金の今後の取扱い、地域経済への影響、そして練馬区の文化行政を今後どのように進めていくのか。
これらについて、区は区民に対して明確に説明する必要があります。
善意で託された寄付や、将来への期待を、行政の都合によって置き去りにすることがあってはなりません。
私も区議会議員として、今回の判断をそのまま受け入れるのではなく、区に対して必要な説明を求め、区民の皆様の声をしっかりと届けてまいります。
区民の皆様から集めた大切なお金が、一部のためではなく、より多くの区民の暮らしや未来に還元される行政であること。
その原点を、改めて問い直していかなければならないと考えています。

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