2026/8/5
こんにちは、練馬区議会議員高橋しんごです。
来年度予算に向け、各種団体の皆様からご意見やご要望を伺う「予算要望懇談会」が行われています。
この予算要望懇談会について、さまざまな考え方があることは承知しています。
「予算を編成するのは行政であり、議員ではない」
「会派ごとに同じ説明をするのは、団体側の負担が大きい」
「議員全員が一堂に会して話を聞いた方が効率的ではないか」
こうした問題提起には、今後の議会運営を考える上で、耳を傾けるべき部分もあると思います。
一方で、予算要望懇談会の役割について、少し整理しておく必要があります。
確かに、予算案を編成し、議会に提出する権限を持っているのは区長をはじめとする行政側です。
しかし、提出された予算案を審議し、議決するのは議会です。
議会は、行政から提出された予算案をそのまま承認するだけの機関ではありません。
区民生活に必要な施策が盛り込まれているのか、優先順位は適切なのか、限られた財源が有効に配分されているのかを検証し、必要な意見や提案を行政に伝える責任があります。
だからこそ、予算案が固まる前の段階で、地域の現場を担う皆様から直接お話を伺うことには、大きな意味があります。
予算要望懇談会で伺う内容は、単なる「お願い」ではありません。
制度上の課題、現場で生じている矛盾、人材不足、物価高騰の影響、施設の老朽化、利用者から寄せられる切実な声など、行政資料や統計だけでは把握しきれない現実が数多く含まれています。
また、「年間を通じて話を聞くべきだ」という意見にも異論はありません。
私自身、予算要望の時期だけでなく、日頃から地域を歩き、区民や団体の皆様からご相談やご意見を伺っています。
年間を通じて声を聴くことと、予算編成前の重要な時期に集中的に要望を伺うことは、どちらか一方を選ぶものではありません。
両方が必要です。
会派ごとに懇談を行うことについても、単に同じ説明を繰り返していただくことが目的ではありません。
同じ要望であっても、それぞれの会派や議員によって、問題意識や政策上の視点、質問する内容、行政への働きかけ方は異なります。
福祉の視点から掘り下げる議員もいれば、財政、教育、防災、まちづくりなど、異なる角度から課題を検討する議員もいます。
多様な立場の議員が、それぞれの視点で話を伺うことは、議会の多様性を確保する上でも重要です。
もちろん、団体の皆様に大きなご負担をおかけしていることについては、改善を検討すべきです。
例えば、基礎資料を事前に共有すること、オンラインを併用すること、共通事項について合同説明の場を設けることなど、負担を軽減する方法は考えられます。
議会改革とは、これまで行われてきた活動を一律に否定することではなく、その意義を維持しながら、より良い方法へ改善していくことだと考えています。
そして、予算要望懇談会を議員や会派の「実績づくり」や「やった感」のための活動であるかのように捉えることには、慎重であるべきです。
酷暑の中、貴重な時間を割いて区役所まで足を運び、現場の課題を懸命に説明してくださる団体の皆様がいます。
その声を受け止め、所管部署へ確認し、会派内で議論し、必要な施策として行政へ求めていく。
さらに、予算案が示された後には、実際に要望がどのように反映されたのかを確認し、議会審議を通じて問いただしていく。
そこまで取り組んで、初めて予算要望懇談会の意味が生まれます。
大切なのは、懇談会を開催したという事実ではありません。
そこで伺った声を、どのように政策や予算へ結び付けたのかです。
私たちは、要望を受けたことを成果とするのではなく、その後の調査、議論、行政への働きかけ、そして結果について責任を持たなければなりません。
今後も、団体の皆様の負担軽減や、より効率的で開かれた運営について検討を続ける必要があります。
同時に、効率性だけを優先することで、現場の声を丁寧に伺う機会や、議員が課題を深く理解する過程を失ってはなりません。
予算要望懇談会を「聞いて終わり」の場にせず、現場の声を具体的な政策へとつなげていく。
その責任を自覚し、一つひとつのご要望に真摯に向き合ってまいります。

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