2025/12/9
こんにちは、練馬区議会議員高橋しんごです。
今定例会で提出されております、議案の一部をご紹介。
議案第126号「練馬区立青少年キャンプ場条例を廃止する条例」について、区としての考え方と、私自身の率直な思いを整理しておきたいと思います。
令和7年12月4日、こども家庭部青少年課から示された本議案は、練馬区立秩父青少年キャンプ場を廃止するために条例を廃止するという内容です。施行期日は令和8年4月1日(2026年4月1日)。根拠となるのは「練馬区公共施設等総合管理計画〔実施計画〕(令和6年度~令和10年度)」です。
キャンプ場は昭和52年4月に開設され、区内の青少年育成団体等に野外活動の場を提供してきました。開設当初は年間延べ約3,000人が利用していたものの、民間キャンプ場の増加など環境の変化もあり、利用者数は長期的に減少傾向にあります。令和6年度の利用者数は延べ1,148人。宿泊利用も開設日数183日のうち32日(17.5%)にとどまっています。
さらに、この施設は交通アクセスや安全確保の面で課題が大きいという指摘が重なってきました。最寄り駅から徒歩90分、バス便の少なさ、バス停からの距離。加えて、駐車場から施設までの道路は急傾斜で幅員2メートル程度と狭く、救急車など緊急車両の進入が困難な状況。事故や急病の際に迅速な対応が難しいという点は、現代の安全基準や危機管理の観点から見過ごせない問題です。
青少年育成団体を中心に貸し出されてきた施設だからこそ、安心・安全の担保は最優先でなければなりません。そう考えると、現在の状況を踏まえた見直しの結果としての廃止は、一定程度やむを得ない判断だと受け止めています。
しかし一方で、これは単なる“施設整理”という言葉だけでは片付けられない話でもあります。
多くの練馬っ子たちが、ここで火を囲み、仲間と寝食を共にし、自然の中で学び、挑戦し、成長してきた。秩父青少年キャンプ場や、これまで親しまれてきたベルデのような施設が少しずつ役割を終えていくことに、一抹の寂しさを覚えるのも正直な気持ちです。
大切なのは、廃止を決めること自体で終わらせないこと。
子どもたちの体験は、予算や施設の有無だけで測れない“未来への投資”です。
だからこそ、安全を理由に閉じるなら、その分だけ安全で質の高い新しい学びの場を用意する。この視点を忘れてはいけないと思っています。
思い出のある場所に区切りがつくとき、寂しさは当然あります。
けれど、その寂しさを“前に進む力”に変えて、次の時代の子どもたちにふさわしい体験の場を守り、広げていく。
私はそのために、廃止後の具体的な受け皿や事業設計についても、しっかりと注視し、必要な提案を続けていきます。
追伸と言う名の余談
これだけ酷評するこの場所どうして導入したのだろうか。
たぶん理由はシンプルで、「当時の目的と時代感覚なら成立していた場所」だったからだと思います。
昭和52年(1977年)開設という前提に立つと、いま“酷評ポイント”になっている点が、そのまま当時はむしろ特徴や許容範囲だった可能性が高いです。
当時は公共の野外活動拠点が貴重
いまほど民間キャンプ場が多くなく、自治体が“体験の場を持つ”こと自体に意義があった。
土地コストと確保の現実
区外に設ける場合、自然環境が良くてまとまった土地を比較的確保しやすい場所が選ばれやすい。
つまり“理想のアクセス”より“取得できる現実の土地”。
アクセスの価値観が違った
「最寄り駅から歩く」「バスが少ない」ことが、
体験型活動としては“不便さも学びの一部”という発想で受け止められていた時代。
安全基準・危機管理の水準が今と別物
緊急車両の進入性やリスク評価は、令和の水準から見ると当然厳しくなる。
逆に言えば、当時の基準や想定では問題化しにくかった。
要するに、
「昭和の目的・民間施設の少なさ・土地事情・体験観」の中で選ばれた場所が、
「令和の安全要求・利用ニーズ・選択肢の増加」の中で限界を迎えた、
という構図だと理解すると腑に落ちます。
だから今回の廃止は、
“昔の判断が全部間違いだった”というより、
社会条件が変わった結果としての役割終了に近い気がします。

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