2026/7/18
令和2年6月定例会では、一般質問として、次の5つのテーマを取り上げました。
この質問を行った令和2年6月は、新型コロナウイルスの影響により、働き方、暮らし方、地域活動、移動のあり方が大きく変わり始めた時期でした。
私はこのとき、単に「コロナ前の生活に戻る」のではなく、これからの時代に合わせて、自治体そのものが変化していく必要があると考えていました。
今回の一般質問の根底にあったのは、市民の時間とお金の負担を減らし、暮らしを前に進める仕組みを整えることです。
最初に取り上げたのは、お金の教育です。
お金の教育というと、子どもたちだけの話と思われがちですが、私は子どもから高齢者まで、すべての世代に必要なものだと考えていました。
特殊詐欺、金融商品投資詐欺、個人間融資詐欺など、暮らしの中にはお金に関するリスクがたくさんあります。
そのため、単に「詐欺に気をつけましょう」と呼びかけるだけではなく、金融リテラシーそのものを高める必要があるのではないかと質問しました。
また、私はこの質問の中で、魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えるという考え方にも触れました。
一時的な支援も大切です。しかし、それだけでは使えば終わってしまいます。これからの時代には、お金を守る力だけでなく、お金を生み出す力、つまり「稼ぎ方」についても学ぶ必要があるのではないかと問題提起しました。
次に取り上げたのは、自主財源の開拓です。
行政サービスを続けていくためには、当然ながら財源が必要です。
歳出を見直すことも大切ですが、削るだけでは地域は前に進みません。市民サービスをより良くするためには、歳入をどう増やすかという視点も必要です。
そこで、既存の税収や使用料だけでなく、新たな自主財源をどう開拓していくのかを質問しました。
ただし、ここで大切なのは、市民負担を増やすことではありません。
私が求めたのは、税金を単に上げるのではなく、地域の資産、公共施設、遊休地、企業誘致、移住定住、地域経済の循環などを通じて、まち全体の稼ぐ力を高める発想です。
3つ目は、自治会のスリム化です。
自治会や地域コミュニティは、防災、見守り、地域行事など、暮らしを支える大切な役割を担っています。
一方で、昔から続いている役職や委員、会議、回覧、行事の中には、今の生活スタイルに合わなくなっているものもあるのではないかと感じていました。
共働き世帯が増え、高齢化も進み、地域活動の担い手も減っている中で、地域の役回りが過度な負担になってしまえば、本来大切な地域活動そのものが続かなくなってしまいます。
だからこそ、自治会をなくすのではなく、必要な役割は残しながら、負担を減らす見直しが必要ではないかと質問しました。
4つ目は、移住の促進です。
コロナ禍をきっかけに、テレワークや在宅ワークが広がり、住む場所と働く場所の関係が変わり始めました。
これまでの移住促進は、自然環境、子育て環境、暮らしやすさを前面に出すものが中心でした。
もちろん、それも大切です。
しかし、働き世代が移住を考えるときに最も重要なのは、継続的な収入が得られるかどうかです。
そこで私は、在宅ワークやテレワークなど、場所に縛られずに収入を得られる人たちに的を絞った移住戦略が必要ではないかと提案しました。
最後に取り上げたのは、テクノロジー公共交通です。
自動運転、シェアリング交通、MaaSなど、交通のあり方は今後大きく変わる可能性があります。
公共交通が整えば、高齢者の免許返納後の生活、通院、買い物、通学、観光、移住定住にも大きく関わってきます。
私は、駅、病院、スーパー、市役所、川内インターバス停などに、誰もが公共交通だけでスムーズにアクセスできるまちを目指す必要があるのではないかと質問しました。
答弁では、小中学校において、学習指導要領に基づき、消費生活、契約、支払い方法、電子マネー、クレジットカード、インターネット取引などについて学んでいることが確認できました。
つまり、子どもたちが「賢い消費者」になるための教育は、すでに一定程度行われていました。
一方で、私が再質問で確認した「稼ぐ側としてのお金の教育」については、当時の学習指導要領には位置づけられておらず、学校教育の中では行っていないという答弁でした。
ここは、今後に向けた大きな課題だと感じました。
大人向けのお金の学びについては、東温カレッジでの防犯講座や、放課後子ども教室での金融教育の取り組みが紹介されました。
また、愛媛県金融広報委員会や金融アドバイザーなど、外部の専門家と連携しながら、市民が気軽にお金について学べる環境づくりを進める考えも示されました。
金融教育は、一度講座を受ければ終わりというものではありません。
暮らしの変化、働き方の変化、物価や金利の変化に合わせて、継続的に学べる環境が必要です。
自主財源の開拓については、法定外税やネーミングライツといった手法については、導入には研究と検討が必要であり、当時は実施していないとの答弁でした。
一方で、田窪工業団地や新たな工業団地の整備計画、企業誘致、志津川土地区画整理事業、移住定住総合窓口、空き家バンクなど、将来的な税収確保につながる取り組みが進められていることが確認できました。
また、市有地の貸付や遊休土地の駐車場活用、国債などによる資金運用も行われているとの答弁がありました。
財源確保は、派手な政策ではありません。
しかし、暮らしを支える行政サービスを続けるためには、非常に重要な土台です。
自治会については、市内に35の自治会があり、それぞれ歴史や運営のあり方が違うため、一律に見直すことは難しいとの答弁でした。
また、防災や地域活動において、自治会や地域コミュニティは金銭や時間だけでは判断できない重要な役割を果たしているという考えも示されました。
これはその通りだと思います。
ただし、重要だからこそ、続けられる形に整える必要があります。
答弁では、平成28年度、平成29年度に区長会と協議し、自治会役員の負担軽減に取り組んできたことも確認できました。
コロナ禍によって多くの行事や会議が中止・延期になったことで、本当に必要なものと、見直せるものが見えやすくなった面もあります。
この経験を、自治会運営のスリム化、オンライン化、負担軽減につなげていくことが大切です。
移住促進については、当時、テレワーク移住に特化した戦略は推進していないとの答弁でした。
一方で、新型コロナウイルスの影響により、場所にとらわれない多様な働き方が今後広がる可能性があることは認識されていました。
そして、県主催のオンライン移住フェアへの参加や、移住体験ツアーをオンラインで疑似体験できる動画制作など、ICTを活用した発信を進める予定であることが示されました。
これは、今後の移住政策を考える上で重要な一歩だったと思います。
テクノロジー公共交通については、自動運転が高齢者の免許返納や環境問題にも貢献する技術であり、近い将来、そうした社会が実現する可能性が高いとの答弁がありました。
また、MaaSについても、公共交通と多様なサービスをデータでつなぐ新たな移動の考え方として、国でも検討が進められていることが示されました。
東温市では、5年ごとに公共交通計画の見直しを行っており、当時はその改定作業の年でした。
すぐにマイカーなしで生活できる自動運転社会が実現するわけではないものの、将来の技術革新を見据えながら、次期計画の検討材料にしていくとの答弁でした。
今後必要なのは、お金の教育を「使い方」だけで終わらせないことです。
もちろん、契約、支払い方法、消費者トラブルを学ぶことは大切です。
しかし、それだけでは不十分です。
これからは、家計管理、生活設計、詐欺被害の予防、資産形成、働き方、稼ぎ方まで含めた、暮らしを守るためのお金の教育が必要です。
子どもたちに対しても、大人に対しても、難しい専門用語ではなく、生活に直結した学びの場を増やしていく必要があります。
自主財源を増やすというと、すぐに税金を上げる話に聞こえるかもしれません。
しかし、私が考える自主財源の開拓は、市民負担を増やすことではありません。
未利用資産の活用、公共施設の有効活用、企業誘致、移住定住、観光、地域経済の循環などを通じて、まち全体の稼ぐ力を高めることです。
歳出を削るだけでは、まちは小さくなっていきます。
必要なのは、無駄を見直しながら、同時に新しい収入の道をつくることです。
自治会は、地域にとって大切な仕組みです。
特に、防災、見守り、地域のつながりという面では、行政だけでは担いきれない役割があります。
だからこそ、負担が重くなりすぎてはいけません。
会議の回数、紙の回覧、役職の数、行事の持ち方、委員のあり方などを見直し、必要なものは残し、負担になっているものは軽くする。
そうした整理が必要です。
自治会のスリム化とは、地域を弱くすることではありません。
むしろ、地域活動をこれからも続けていくために、現代の暮らしに合わせて整えることだと考えています。
移住促進では、「東温市は暮らしやすいまちです」と発信するだけでは弱くなっていきます。
これからは、誰に来てほしいのかを明確にする必要があります。
テレワークができる人、子育て世代、地域で仕事をつくれる人、二拠点生活を考えている人、自然と利便性の両方を求める人。
対象を分ければ、必要な情報発信も支援策も変わります。
移住は、人口を増やすためだけのものではありません。
地域の担い手を増やし、経済を動かし、税収を生み、結果として福祉や教育、インフラの維持にもつながる大切な政策です。
公共交通は、単なる移動手段ではありません。
通院、買い物、通学、通勤、観光、免許返納後の生活、中心市街地のにぎわい、移住定住。
あらゆる暮らしの土台です。
自動運転やMaaSは、今すぐすべてが実現するものではありません。
しかし、技術が整ってから考え始めたのでは遅くなります。
どこに住んでいても、車がなくても、必要な場所へ移動できるまちをどうつくるのか。
これは、高齢者だけでなく、子ども、子育て世代、働き世代、観光客にとっても重要な課題です。
令和2年6月定例会の一般質問は、コロナ禍の真っただ中で行った質問でした。
あのとき、多くの人が「元の生活に戻りたい」と考えていたと思います。
しかし私は、元に戻るだけではなく、変化に合わせて暮らしの仕組みを整える必要があると考えていました。
お金の教育も、自主財源も、自治会も、移住も、公共交通も、別々の話に見えるかもしれません。
しかし、根っこは同じです。
市民の時間を奪わないこと。
市民のお金の不安を減らすこと。
地域の負担を軽くすること。
未来の暮らしに合わせて、まちの仕組みを整えること。
これが、このときの一般質問で伝えたかったことです。
まちは、変化を避けることはできません。
人口減少、高齢化、働き方の変化、交通の変化、地域活動の担い手不足、財源の課題。
これらは、どれか一つだけを解決すればよい問題ではありません。
だからこそ、全体を見ながら、暮らしに近いところから一つずつ整えていく必要があります。
令和2年6月定例会での一般質問は、当時の東温市に向けた質問でした。
しかし、そこで考えていたことは、今の私の活動にもつながっています。
暮らしを整える。
市民の時間とお金の負担を減らす。
そして、誰もが自分の未来を選べる地域をつくる。
これからも、その視点を大切にしていきます。
令和2年6月定例会 一般質問テーマ
お金の教育について/自主財源の開拓について/自治会のスリム化について/移住の促進について/テクノロジー公共交通について
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