2026/7/10
令和元年12月定例会では、次の4つのテーマについて一般質問を行いました。
一見すると、それぞれ別々のテーマに見えるかもしれません。 しかし、根っこにある問題意識は共通しています。
暮らしを支える制度を、これからも続けられる形にできるのか。
そのために、市はどのように財源を確保し、公共資産を活用していくのか。
この視点から、当時の一般質問を振り返ります。
まず取り上げたのは、長寿祝金支給事業です。 東温市では、米寿を迎えられる方に3万円、百寿を迎えられる方に5万円の祝い金が支給されていました。
長寿をお祝いすることは、とても大切なことです。 一方で、人生100年時代を迎える中で、対象者は今後増えていくことが見込まれます。
当時の答弁では、令和元年度の対象者は米寿203人、百寿8人、合計211人。 20年後には、米寿315人、百寿21人、合計336人と推計されていました。
そこで私は、制度そのものを否定するのではなく、 お祝いの気持ちと、制度を続けていくための財源をどう両立するのか という点を確認しました。
また、100歳を迎える方の場合、申請や受け取りそのものが負担になることもあります。 制度を知らない方がいる可能性もあります。
そのため、申請方法、支給方法、未申請者への対応、万が一亡くなられた場合の扱いについても確認しました。
次に、学校制服・体操服の購入費助成について質問しました。
私の政治活動における大きな視点の一つに、 世帯所得の向上と、世帯支出の削減 があります。
所得を増やす政策は、市単独では難しい部分もあります。 しかし、家庭から出ていくお金を減らすことについては、市として工夫できる余地があるのではないかと考えていました。
当時の答弁では、中学校の標準服は男子で約3万4,000円、女子で約3万9,000円、体操服は約1万3,000円という金額が示されました。 家庭にとって、決して小さな負担ではありません。
特に、東温市へ転入してくる家庭の場合、引っ越し費用や住居費に加え、子どもの制服・体操服の買い替え費用が発生する可能性があります。
これは、移住定住を考える家庭にとって、見えにくい負担になる場合があります。
3つ目は、新たな公園の利活用についてです。
公園は、市民が自由に使える大切な公共空間です。 一方で、夜間など、あまり使われていない時間帯もあります。
そこで、民間企業によるイルミネーション事業や、民間イベントの誘致について質問しました。
目的は、公園を単に管理するだけではありません。 公共空間を活用し、交流人口を増やし、地域経済や自主財源につなげられないか という問題提起です。
行政がすべてを主催するのではなく、民間の力を活かしながら、公園の新しい使い方を考える時代に入っているのではないかと考えていました。
最後に、自主財源比率アップ及び自主財源確保について質問しました。
当時の答弁では、平成30年度決算ベースで、東温市の自主財源比率は41.4%と示されました。
自主財源とは、市が自ら確保できる財源です。 市独自の福祉、教育、公共施設整備、地域活性化などを進めるためには、自由度の高い財源が必要になります。
そこで私は、 支出を削るだけでなく、どう財源を生み出すのか という視点から質問しました。
長寿祝金については、財源が一般財源であること、対象者数の今後の見通し、申請方法、支給方法などが確認できました。
対象者には申請書を郵送し、申請後に指定口座へ振り込むこと。 未申請者には再通知を行うこと。 対象者が亡くなられた場合には、ご遺族の代表者に支給される場合があることも確認できました。
制度は、存在しているだけでは不十分です。 必要な人にきちんと届く仕組みになっているかどうかが大切です。
制服・体操服の購入助成については、市としては現在のところ実施予定はないとの答弁でした。 標準服や体操服を含む学用品は、基本的に保護者負担という考え方です。
一方で、経済的な事情を抱える家庭に対しては、就学援助制度の周知や利用案内を行っていることも確認されました。
また、中古制服の売買についても確認しました。 教育委員会としては、個人の判断で行うことは自由であり、リサイクルや、まだ使えるものを活用する考え方は時代に合っているという見解でした。
これは、今後の制服リユースや子育て支援を考えるうえで、大切な確認だったと思います。
民間企業によるイルミネーション事業については、ごみ、騒音、地域住民の理解、公園利用者への影響などの課題があり、管理上は困難との答弁でした。
一方で、公園を活用したイベントについては、すでに動きがありました。
重信川かすみの森公園を活用したフリーマーケットや、スラックライン、自転車レースなど、公園利用の多様化が進みつつあることが示されました。
つまり、公園は単なる遊び場ではなく、 交流人口を生み、地域のにぎわいにつながる公共空間 として活用できる可能性があります。
自主財源確保については、移住・定住促進、企業誘致、市税収入の安定確保、債権管理、口座振替の推進、市税徴収体制の強化、基金運用などの取り組みが示されました。
また、自主財源だけが自由に使えるお金ではなく、地方交付税のように、依存財源であっても一般財源として使えるものがあるという財政上の整理も示されました。
この点は、非常に重要です。 財源を考えるときには、単に自主財源か依存財源かだけではなく、 どれだけ自由度があり、どのように将来のまちづくりに活かせるのか という視点が必要です。
長寿祝金は、長寿をお祝いする温かい制度です。 しかし、対象者が増えていく時代には、制度を続けるための財源設計も必要になります。
今後は、祝い金の金額だけでなく、表彰、見守り、地域とのつながり、申請手続きの簡素化なども含めて、 高齢者にやさしく、かつ持続可能な制度 に整えていく必要があります。
子育て支援というと、給付金や所得支援が注目されがちです。 もちろん、それも大切です。
しかし、制服、体操服、学用品、通学費など、家庭から出ていくお金を減らすことも、立派な子育て支援です。
すぐに購入助成が難しいとしても、制服リユース、譲渡会、転入生への柔軟な対応、標準服のあり方の見直しなど、できることはあります。
暮らしを整えるとは、こうした小さな負担を見逃さないことだと考えています。
公園は、維持管理にお金がかかる公共施設です。 しかし、使い方を工夫すれば、健康づくり、スポーツ振興、観光、イベント、交流人口の増加にもつながります。
これからは、禁止事項を並べるだけでなく、
こうした視点で、公共空間の使い方を整えていく必要があります。
財政運営では、無駄を削ることも大切です。 しかし、削るだけでは、まちは元気になりません。
これから必要なのは、 公共施設、土地、イベント、観光、企業活動、市民活動を組み合わせて、財源を生み出す発想 です。
行政が自ら稼ぐというより、地域の中にある価値を見つけ、それを循環させる仕組みをつくること。 それが、これからの自治体運営に必要だと考えています。
令和元年12月定例会では、長寿祝金、学校制服・体操服、公園活用、自主財源という4つのテーマを取り上げました。
それぞれのテーマは違います。 しかし、共通しているのは、 市民の暮らしを支える制度を、これからも続けられる形にできるのか という問いです。
高齢者を祝う制度。
子育て世帯の負担を減らす仕組み。
公園をもっと活かす考え方。
市独自の政策を進めるための財源確保。
どれも、これからの自治体に必要な視点です。
単に「お金がない」で終わらせるのではなく、 暮らしを守りながら、まちの価値を生み出す。
この一般質問は、その方向性を問いかけたものだったと振り返っています。
これからも、暮らしの中にある小さな負担や、地域の中に眠っている可能性を見つけながら、制度と財源の両方を整える視点を大切にしていきます。
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