2026/6/29
平成30年9月定例会では、「税の好循環社会を目指した、行政施設や設備の有効活用について」、そして「市民の健康管理について」一般質問を行いました。
一見すると、公共施設の活用と健康管理は別々のテーマに見えるかもしれません。 しかし、私の中では、この二つはつながっています。
それは、税金を使って整えたものを、どう市民の暮らしに返していくのかという視点です。
公共施設や設備は、つくって終わりではありません。
市民の健康も、病気になってから支えるだけでは不十分です。
今あるものを見直し、活かし、次の負担ではなく、次の力に変えていく。
この考え方が、当時の一般質問の大きな柱でした。

この一般質問では、まず行政施設や設備について取り上げました。
公立学校や市役所庁舎のように、収益を目的とせず、市民の負担を軽くするために必要な施設があります。 一方で、使い方によっては、収益や地域経済への効果を生み出せる施設や土地もあります。
しかし、利用が少ない施設、十分に活用されていない設備、長く空いたままの土地は、ただ持っているだけでも維持管理費がかかります。 目に見える赤字だけでなく、活用しないことで失っている可能性もあります。
そこで私は、当時の質問で「機会損失」という言葉を使いました。
機会損失とは、本来なら得られたはずの利益や効果を、判断や行動をしなかったことで失ってしまうことです。
行政の場合、これは単なる売上の話ではありません。
これらも、見方を変えれば機会損失です。
この回の質問では、具体的に5つの施設や設備、土地を取り上げました。
旧給食センターについては、単なる倉庫として使うだけではなく、創業者や小規模事業者向けのスタートアップオフィス、レンタルオフィス、事業者支援拠点として活用できないかと提案しました。
創業したばかりの人にとって、事務所や住所地の確保は大きな負担です。 自宅を法人登記の住所にすることに抵抗がある人もいます。
もし行政が、創業初期の事業者に対して場所や住所地を支援できれば、新しい産業や雇用につながる可能性があります。
また、旧重信町役場跡地については、駅、学校、病院、市役所、商業施設にも近い価値ある土地でありながら、長く空き地状態が続いていることに対して、もっと積極的な活用ができないかと問題提起しました。
ここで問いたかったのは、単に「土地を売るか、残すか」ではありません。
公共資産を、地域の暮らしや経済にどうつなげるのか。
この視点です。
後半では、市民の健康管理について質問しました。
私は、経済の健康と身体の健康は、どちらが欠けても良い状態ではないと考えています。 市民が健康であれば、外出する機会が増えます。 人と会う機会も増えます。 買い物や食事、地域活動にもつながります。
つまり、市民の健康は、医療や福祉だけの問題ではありません。
暮らしを支える土台であり、地域経済を支える土台でもあります。
この視点から、市に対して、健康管理の基本的な考え方、取り組み、効果、生活習慣病予防への独自支援について確認しました。
当時の答弁では、市としても、施設の老朽化や市民ニーズの変化に合わせて、利用方法や処分も含めた有効活用を検討する必要があるとの認識が示されました。
旧給食センターについては、公用文書、指定ごみ袋、災害対応資機材、備蓄物資、イベント資材などを保管する書庫兼倉庫として使われているとの答弁でした。
一方で、スタートアップオフィスなどとして活用するには、老朽化、耐震性、改修費、現在保管している物資の移転先などの課題があるとのことでした。
ここで見えてきたのは、問題意識は共有されているものの、実際に動かすには、施設の状態、費用、安全性、保管場所など、現実的な壁があるということです。
旧重信町役場跡地については、完全に使われていなかったわけではありません。
答弁では、近隣の学校行事や市の行事の臨時駐車場として使われ、平成29年度には年間76件、延べ7,150台の利用があったとの説明がありました。
また、除草作業に毎年4万8,000円の支出がある一方で、公共事業の現場事務所や住宅展示場の駐車場として期間限定の有料貸し出しを行い、204万6,000円の収入を得たとの答弁もありました。
この点は、行政側も一定の工夫をしていた部分です。
ただ、今振り返ると、さらに問うべきことがあります。
一時的な利用だけでなく、将来のまちづくり、交通、福祉、地域経済と結びつけた本格的な活用につながったのか。
ここは、今後も考え続ける必要がある課題です。
市民の健康管理については、健康増進計画に基づき、健康寿命の延伸、生活習慣病の発症予防と重症化予防、健康を支える社会環境の整備などが進められているとの答弁がありました。
具体的には、特定健康診査、各種がん検診、健診結果に基づく相談、栄養相談、健康講座、運動教室、訪問指導などが実施されていました。
また、健康診査を受けた方全員を対象に、医師、保健師、管理栄養士による健康相談を行っていることも、市独自の取り組みとして示されました。
つまり、健康管理については、単なる呼びかけではなく、制度として一定の取り組みが整えられていたと言えます。
これから大切なのは、公共施設や土地を持っているかどうかではありません。
それが市民の暮らしに役立っているか。
地域経済につながっているか。
次世代の負担を増やすだけのものになっていないか。
民間や地域の力と組み合わせる余地はないか。
この視点が必要です。
税金でつくった施設は、完成した時点がゴールではありません。 使われて、役立って、地域の力に変わってこそ、税金が生きたお金になります。
公共施設は、管理するだけのものではなく、地域の活動を生み出す拠点にしていく必要があります。
行政では、支出や赤字は数字で見えやすいものです。
しかし、何もしなかったことで失われたものは見えにくい。
これらは、帳簿上には出にくい損失です。
しかし、市民の暮らしにとっては大きな損失になることがあります。
止まっていることにも、コストがあります。
この考え方は、今の時代にこそ必要だと感じています。
市民の健康を守るには、健診や保健指導だけでは足りません。
歩きやすい道。
通いやすい交通。
使いやすい公共施設。
孤立しない地域のつながり。
買い物や通院に困らない生活圏。
外に出たくなるまち。
これらも、広い意味では健康管理です。
健康づくりを、医療や福祉だけに閉じ込めるのではなく、交通、公共施設、地域活動、経済政策とつなげて考える。
これが、これからさらに必要になる視点です。
平成30年9月定例会の一般質問は、公共施設の有効活用と市民の健康管理という二つのテーマを通じて、税金をどう使えば、次の負担ではなく、次の力になるのかを問うた質問でした。
施設を持つだけでは、まちは良くなりません。
健康診断を用意するだけでも、市民の健康は守りきれません。
大切なのは、今あるものを見直し、使える形に整え、市民の暮らしと地域経済がよく回る状態をつくることです。
当時の言葉で言えば、税の好循環社会。
今の言葉で言えば、暮らしを整えること。
税金を使って終わりにしない。
公共施設を眠らせない。
市民の健康を、地域の力として支える。
この考え方は、今も変わっていません。
これからも、過去の一般質問を振り返りながら、当時の問題提起が今の暮らしやまちづくりにどうつながっているのかを整理していきます。
暮らしを整える。
その視点で、これからも地域の課題を見つめ直していきます。
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