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束村 はるき ブログ

平成30年3月定例会を振り返る。ごみ、広報、選挙、地域通貨から見えた「暮らしのインフラ」

2026/6/27

平成30年3月定例会では、地域環境問題、広報紙、選挙ポスター看板、地域通貨について一般質問を行いました。

一見すると、それぞれ別々のテーマに見えるかもしれません。

しかし、今振り返ると、そこには一つの共通した問題意識がありました。

暮らしを支える仕組みは、時代に合わせて整っているのか。

ごみを出すこと。
行政からの情報を受け取ること。
選挙情報に触れること。
地域の中でお金や価値を回すこと。

どれも派手な政策ではありません。
しかし、市民生活を支える大切な土台です。

今回は、当時の一般質問を振り返りながら、何を問題提起したのか、その後どのような方向性が見えたのか、そして今後さらに何を整えていく必要があるのかを整理します。


目次

  • 1. 当時、何を問題提起したのか
  • 2. この質問で見えてきたこと
  • 3. 今後さらに整えなければならない課題
  • 4. まとめ

1. 当時、何を問題提起したのか

ごみ処理は、暮らしの基本インフラである

まず取り上げたのは、地域環境問題です。

ごみ処理に係る予算、資源ごみ集積所、区の収益となる資源ごみ、ごみ分別表、そして野良猫に対する不妊・去勢手術補助について質問しました。

ごみ処理というと、普段はあまり意識されないかもしれません。

しかし、ごみをきちんと出せること、回収されること、分別方法が分かることは、暮らしを支える基本的なインフラです。

特に問題提起したかったのは、資源ごみや粗大ごみの集積所が遠い地域の方への配慮です。

燃やすごみの集積所は比較的身近にあっても、資源ごみや粗大ごみは離れた場所まで持っていかなければならない場合があります。

車を運転できる人にとっては大きな負担ではなくても、高齢者、免許を返納した方、一人暮らしの方にとっては、日常生活の大きな困りごとになります。

つまり、当時の問題提起は、単なるごみの話ではありません。

ごみ出しという日常行動が、誰にとっても無理なくできる仕組みになっているのか。

そこを問うた質問でした。

ごみ分別は「分かる人だけが分かる」ではいけない

ごみの分別についても質問しました。

東温市では10種類分別が行われていましたが、慣れている人には当たり前でも、転入者や一人暮らしを始めた人、これまで家族に任せていた人にとっては、分かりにくい場合があります。

ペットボトルのフィルムをはがすのか。
割れたグラスはどう出すのか。
陶器はどの分類になるのか。

こうした小さな迷いは、実際の暮らしの中ではよく起きます。

そのため、紙の分別表だけでなく、ネット上で品目を検索すれば分別方法が分かる仕組みが必要ではないかと提案しました。

今の言葉で言えば、これは行政情報のデジタル化です。

ただ情報を持っているだけではなく、市民が必要な時に、すぐに使える形にすることが大切だと考えていました。

野良猫対策は、地域環境と動物愛護の両方から考える

野良猫に対する不妊・去勢手術補助についても質問しました。

野良猫のふん尿被害に困っている住民の方がいる一方で、所有者不明の猫を勝手に捕獲して処分することはできません。

だからこそ、感情論ではなく、現実的な対策が必要です。

これ以上、飼い主のいない猫を増やさない。
地域住民の生活環境を守る。
同時に、猫の命もむやみに失わせない。

そのための方法として、不妊・去勢手術への補助を提案しました。

これは、地域環境と動物愛護の両方を考えた質問でした。


広報紙は、紙ではなく「情報インフラ」である

次に取り上げたのが、広報紙についてです。

当時、東温市には約1万4,000世帯があり、広報紙がどの程度配布されているのか、どのような方法で届けられているのかを質問しました。

広報紙は、市民にとって重要な情報源です。

行政手続き、地域行事、健診、イベント、求人、入札、ごみ出し日など、市民生活に関わる情報が多く載っています。

だからこそ、広報紙は単なる紙ではなく、市民のための情報インフラだと考えていました。

一方で、紙の広報紙をPDFにしてホームページに掲載するだけでは、スマホ時代の情報提供としては十分ではありません。

紙面をそのままネットに載せても、スマートフォンでは見づらく、情報も共有しづらい。

そこで、アプリでの閲覧、プッシュ通知、SNSでの共有、さらにカレンダー機能との連携など、情報を市民が使いやすい形にする必要性を提案しました。

特に、イベントや健診、ごみ出し日などは、スマホやパソコンのカレンダーと連携できれば、市民生活の中でより使いやすくなります。

行政情報は、載せるだけではなく、届いて、使われて、暮らしに役立つ形にする。

それが当時の問題意識でした。


選挙ポスター看板は、民主主義の情報インフラである

選挙ポスター看板についても質問しました。

当時、東温市内には選挙ポスター掲示場が88カ所設置されていました。

しかし、場所によっては人通りが少なく、掲示されている内容が見られにくい場所もありました。

一方で、新しい住宅地や人通りの多い場所には設置されていない場合もあります。

選挙ポスター掲示場は、候補者のためだけのものではありません。

有権者が選挙情報に触れるための大切な場所です。

住宅地の変化、人口の移動、通勤・通学の動線、買い物の動線に合わせて、掲示場所も見直していく必要があります。

選挙情報に自然に触れられる環境を整えることは、民主主義の土台を整えることでもあります。


地域通貨は、地域経済を回す仕組みとして考える

最後に取り上げたのが、地域通貨です。

地域通貨については、単なる商品券や一時的な消費喚起ではなく、地域の中で価値を循環させる仕組みとして考えるべきだと提案しました。

当時の質問では、お金の持つ3つの機能、つまり交換機能、価値保存機能、価値尺度機能を整理したうえで、地域通貨に必要な役割について述べました。

地域通貨に大切なのは、地域内で使われ、地域内で回り、地域外にお金が流れ出しにくくなる仕組みです。

また、当時からブロックチェーンやデジタル通貨の可能性にも触れました。

今でこそキャッシュレス決済やデジタル地域通貨という言葉は広がっていますが、平成30年当時に議会でこの視点を出したことには、大きな意味があったと感じています。

地域通貨とは、発行することが目的ではありません。

地域経済をどう回すのか。
地域の中で価値をどう循環させるのか。
住民、事業者、行政がどう関わるのか。

そこまで含めて設計する必要があります。


2. この質問で見えてきたこと

平成30年3月定例会の一般質問を振り返ると、当時の問題提起には、いくつかの共通点がありました。

1つ目は、暮らしの中の小さな不便を見逃さないこと

資源ごみ集積所が遠い。
ごみの分別が分かりにくい。
広報紙が届かない、または読まれにくい。
選挙ポスターが見えにくい場所にある。

これらは一つひとつを見ると、小さな問題に見えるかもしれません。

しかし、日々の暮らしの中では、こうした小さな不便の積み重ねが、市民生活の負担になります。

政治や行政に必要なのは、大きな計画だけではありません。

生活の中にある「少し困る」を見つけて、仕組みとして整えていくことです。

2つ目は、情報を届けるだけでなく、使える状態にすること

広報紙、ごみ分別表、選挙ポスター、地域通貨。

どれも共通しているのは、情報や仕組みが存在していても、市民に届かなければ意味がないということです。

さらに、届くだけでも足りません。

分かりやすいこと。
使いやすいこと。
必要な時に見つけられること。
生活の中で自然に活用できること。

これが大切です。

3つ目は、時代に合わせて仕組みを更新すること

社会は変化しています。

高齢化が進み、免許を返納する方も増えます。
スマートフォンで情報を得る人も増えます。
新しい住宅地ができ、人の流れも変わります。
現金だけでなく、キャッシュレスやデジタル決済も広がります。

だからこそ、昔からある仕組みをそのまま続けるだけでは、市民の暮らしに合わなくなることがあります。

ごみ、広報、選挙、地域通貨。

どのテーマも、時代に合わせて見直し、整えていく必要があります。


3. 今後さらに整えなければならない課題

高齢化に対応したごみ出し支援

今後、さらに重要になるのは、ごみ出しが困難な方への支援です。

高齢者、免許返納者、障がいのある方、一人暮らし世帯にとって、資源ごみや粗大ごみを出すことは大きな負担になる場合があります。

環境政策と福祉政策を別々に考えるのではなく、暮らしを支える仕組みとして一体的に考える必要があります。

ごみを出せることは、健康で安心して暮らすための基本です。

行政情報を「読ませる」から「使える」へ

広報紙やホームページは、情報を掲載するだけでは不十分です。

これからは、必要な人に、必要な情報が、必要なタイミングで届く仕組みが求められます。

イベント情報をカレンダーに登録できる。
ごみ出し日を通知できる。
健診や手続きの締切を見逃さない。
スマホで見ても分かりやすい。
SNSで共有しやすい。

こうした仕組みが整えば、行政情報はもっと暮らしに役立つものになります。

選挙情報に触れやすい環境づくり

選挙ポスター掲示場も、地域の変化に合わせて見直す必要があります。

昔から同じ場所だからという理由だけではなく、人の流れ、住宅地の変化、買い物や通勤の動線を考えることが大切です。

有権者が候補者情報に触れやすい環境を整えることは、投票率や政治参加にもつながります。

民主主義は、制度だけでは成り立ちません。

市民が情報に触れ、自分で判断できる環境があってこそ、機能します。

地域通貨は「使われる設計」が必要

地域通貨は、作ることが目的ではありません。

使える場所があること。
使う理由があること。
事業者にとっても参加するメリットがあること。
地域内でお金が回ること。
行政サービスや地域活動とつながること。

こうした設計がなければ、地域通貨は一時的な取り組みで終わってしまいます。

地域経済を本気で回すのであれば、地域通貨を単なるイベントではなく、地域内循環の仕組みとして考える必要があります。


4. まとめ

平成30年3月定例会で取り上げた、ごみ、広報、選挙ポスター看板、地域通貨。

これらは、どれも派手なテーマではありません。

しかし、どれも市民の暮らしを支える大切な仕組みです。

ごみを出せること。
必要な情報が届くこと。
選挙情報に触れられること。
地域の中でお金や価値が回ること。

これらは、暮らしの見えにくいインフラです。

当時の一般質問で問うたのは、まさにこの部分でした。

暮らしを支える仕組みは、時代に合わせて整え続けなければならない。

大きな建物や目立つ事業だけが、まちづくりではありません。

日々の暮らしの中で、困りごとが少しでも減ること。
必要な情報が届くこと。
自分で判断し、行動できる環境があること。
地域の中で価値が回り続けること。

そうした一つひとつの積み重ねが、暮らしやすいまちをつくります。

これからも、目立ちにくいけれど大切な暮らしの土台を見つめながら、地域の仕組みを整える視点を大切にしていきたいと思います。


暮らしを整える。
そのためには、見えにくいインフラにも光を当てる必要があります。

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著者

束村 はるき

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