2025/6/25
令和7年第2回宗像市議会定例会の一般質問で、「基金の運用について」を取り上げました。市が保有する基金約254億円のうち152億円を国債等で運用し、多額の含み損が発生している問題です。今回は率直に申し上げて、かなり厳しい指摘をさせていただきました。その内容をご報告します。これまでの経緯、資料は下記の記事をご参照ください。
宗像市 基金運用と含み損について
https://go2senkyo.com/seijika/163698/posts/1076149
市は財政調整基金をはじめとする基金の約6割にあたる152億円を国債等で運用しています。令和6年12月末時点で購入額152億円に対し含み損約44億4,000万円、そして今回の議会答弁では、6月9日時点の時価は約98億円、含み損は約54億円にまで拡大していることが明らかになりました。金利上昇が続けば、この含み損はさらに膨らむ可能性があります。
市は「満期まで保有すれば額面全額が戻るので問題ない」と説明しています。理屈としては誤りではありません。しかし、問題はそこではなく、運用そのものが市の定めた運用基準に沿って適切に行われてきたのかという点です。
質問にあたり、私は個別の取引記録を精査しました。明らかになったのは次のような事実です。


運用基準には債券ごとの記録・管理が明記されているにもかかわらず、資料要求の当初段階では「一括してまとめた資料でよいか」との打診があったことも、私は問題視しています。
市は顧問弁護士に相談し、「一括売却して全体で原資を確保し、利益を出せているので問題ない」との回答を得たと説明しています。しかし、質疑を通じて、この相談が「個々の損切りを含めてよいか」という核心部分まで踏み込んだものだったのかは曖昧なままでした。
さらに、地方自治法第210条が定める総計予算主義の原則(収入・支出はすべて歳入歳出予算に計上し、相殺してはならない)との整合性についても質しましたが、市は「複数本を一括した契約として、トータルの収益を計上している」との答弁に終始し、個々の損失を明確に認識・計上する姿勢は見られませんでした。
先進自治体(大分県国東市、山口県防府市など)では、売却損失の扱いについて要綱や条例で明確に規定されており、「1年間の運用収益を限度に損失を償却できる」といった具体的なルールが定められています。宗像市にはこうした明文規定がなく、「解釈」で運用されてきたこと自体が、今回の問題の根本にあると私は考えています。
これらの指摘に対し、経営企画部長からは「問題ないと判断している」との答弁が繰り返されました。一方で、基準が「解釈に違いが生じ得る」「分かりにくい」ことは認め、8月をめどに第三者を交えた新たな資金管理運用委員会で基準の見直しを行うとしています。
しかし、私が申し上げたいのは、基準が分かりにくかったから曖昧に運用してよかった、という話ではないということです。5億円単位の公金取引において、事務手続き上の確認不足で基準超過の購入をしてしまった、というのは看過できる話ではありません。
今回の質問は、正直なところ、私自身も心苦しい思いで臨みました。この一般質問の冒頭で触れた女子ゴルフツアーの盛り上げ策のような質問と違い、行政の過ちを指摘する質問は決して楽しいものではありません。しかし、議会には二元代表制のもと、行政をチェックする役割があります。
私は個人的に、この基金運用の問題は、一般質問での質疑応答にとどまらず、地方自治法第100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置し、記録の提出や関係者の証言を求めた上で、徹底的に事実関係を検証すべき案件だったと考えています。
理由は次のとおりです。
一般質問という限られた時間と手法では、こうした点を尽くしきれない限界があります。百条委員会であれば、記録の提出や関係者の出頭・証言を求める強い権限のもとで、当時の判断プロセスをより正確に検証できたはずです。今回それが行われなかったことについては、議会としての対応も含め、私自身、忸怩たる思いがあります。
河野副市長からは、「市民の皆様に不安とお騒がせをしたことについて申し訳なく思っている」との答弁があり、8月をめどに第三者を入れた運用委員会で基準を見直し、議会・市民への丁寧な説明を行っていく考えが示されました。
今、目の前で「問題ない」と繰り返すのではなく、組織として何が起きていたのかを正面から検証し、再発防止につなげることこそが、市民の信頼回復への唯一の道だと考えています。私は今後も、基準見直しの内容や運用の実態を厳しく注視していきます。
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