2025/9/25
令和7年第3回宗像市議会定例会の一般質問で、「就学相談の適切な実施について」を取り上げました。今回は、率直に申し上げて、市の対応にはかなり厳しい言葉を投げかけさせていただきました。その内容についてご説明いたします。
令和7年第3回定例会(9月)一般質問を行いました
https://go2senkyo.com/seijika/163698/posts/1463817
何が起きていたのか
就学相談とは、発達に不安のあるお子さんについて、次年度の適切な学びの場(通常学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校)を判断するための、保護者にとって非常に重い意味を持つ相談です。市はそのために「宗像市教育支援委員会」を設置し、大学教員や校長、医師など22名の専門家が丁寧な面談・審議を行っています。
ところが今年度、5月7日の説明会で「申込みは8月29日まで」と案内していたにもかかわらず、実際には締切りを待たずに枠が埋まり、それ以降の申込みを受け付けないという対応が取られていたことが明らかになりました。
就学相談を希望する保護者にとって、これがどれほど不安なことかおわかりでしょうか。子どもの将来の学びの場が決まる大切な相談の入り口で、「もう受け付けられません」と言われてしまうのです。この事実を保護者からの申出で知り、執行部の対応を確認したうえで、一般質問で取り上げました。
数字で見る実態
相談者数は年々増加
令和2年度216人 → 令和6年度251人 → 今年度は7月1日時点で294枠に対し296件と、すでに枠超過
申込みを受け付けられなかった保育所等は9園、対象児童17人
(※市が正確な人数を把握できていない中での、8月の相談会申込み実績)
枠不足で申込み・相談ができなかった件数について、市は資料要求に対し「資料なし」=把握していないと回答
私が特に問題視した点
1. 「把握していない」という答弁そのものが問題
真に支援を必要とする子どもが確実に相談を受けられるようにするのが制度の目的だと市自身が答弁しながら、その制度から漏れた人数すら把握していないというのは、看過できません。困っている市民の数も分からずに、どうやって適切な対応ができるのでしょうか。
2. 見通しの甘さ
枠は前年度より大きく広げていたにもかかわらず、それでも申込みが上回ったこと自体はやむを得ない面もあります。しかし、枠が埋まった時点で「受付停止」という、いわば門前払いに近い対応を取ったことは別問題です。予算や日程調整に時間がかかるのは理解できますが、それならば「調整に時間がかかるが必ず対応する」と伝えるべきで、「受け付けられません」と突き放すような案内では、保護者を不安に陥れるだけです。教育部長からも「見通しが甘かった」「申し訳なく思っている」との答弁がありましたが、当然の反省だと思います。それが保護者に与える影響を考えていただきたいと思います。
3. 「キャンセル待ち」という言葉の不誠実さ
受付を停止された保護者への説明で、市は「キャンセル待ち」という言葉を使っていました。しかし実態は、予備日やキャンセル分の枠を活用して対応を検討している段階に過ぎず、確保された枠に対する待機とは意味が異なります。これは保護者に誤解と不安を与える、不適切な言葉の使い方だったと言わざるを得ません。この点は教育部長も「適切ではなかった」と認めています。
4. 情報発信の不十分さ
市のホームページを確認しましたが、就学相談に関する情報は非常に手薄です。福岡市や北九州市では電子申請や説明動画まで整備されている中、宗像市は在園・在籍校からの案内が中心で、自ら情報を得たい保護者への対応が不足しています。この点も改善を強く求めました。

一定の評価は出来るが…
宗像市の就学相談・教育支援委員会は、有識者・校長・医師が直接丁寧に面談を行うなど、他市に比べても手厚い体制であることは事実です。委員の皆様が多忙な中でこの役割を引き受けてくださっていることには敬意を表します。しかし、その丁寧さゆえに1件あたりの審議時間が長くなり、結果的に対応できる件数に限界が生じ、増え続ける申込みに追いつけなくなっている。この構造的な課題を、市はもっと早く直視すべきでした。
教育長・市長からの答弁
猿樂教育長からは、不安な思いをさせた保護者への謝罪があり、来春開校する県立むなかた特別支援学校や福岡教育大学との連携強化、相談体制の充実に取り組む考えが示されました。伊豆市長からも、特別支援学校の開校を「始まり」と位置づけ、そこから自立支援・就労支援へとつなげていく決意が語られました。
制度自体は手厚く、関係者の努力も理解しています。しかし、「真に支援が必要な子どもが確実に相談を受けられる」という制度の根本目的が、運用の甘さによって揺らいでいたのは事実です。しかも、それを裏づける基礎的なデータすら把握していなかったことは、行政としての説明責任を果たせていないと言わざるを得ません。
就学相談は、保護者にとって人生の重い決断に関わるものです。動揺し、不安を抱えながら相談の扉をたたく保護者に対して、行政が「枠が埋まったので」の一言で門前払いをするようなことは、二度とあってはなりません。来年度に向けた制度見直しでは、必要な人数を正確に把握する仕組みと、余裕を持った体制整備、そして誠実な情報発信を、今後も強く求めていきます。
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ホーム>政党・政治家>石松 修 (イシマツ オサム)>「枠が埋まったので受け付けません」でいいのか ― 就学相談の申込み停止について