2026/4/17
金融庁が自賠責保険料を約6%引き上げる見込みを示しました。
人件費や医療費の上昇が理由とされていますが、多くの国民が感じているのは単なる値上げへの不満ではありません。「なぜ今なのか」「本当にそれしか手段はないのか」という、極めて当然の疑問です。

そもそも自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的とした強制保険です。すべての車両所有者に加入が義務付けられており、自由に選べる民間保険とは性質が異なります。だからこそ、そこに求められるのは「透明性」と「信頼性」です。
今回の値上げ議論で、多くの人が思い出しているのが、2021年に一般会計へ繰り入れられた約6000億円の積立金問題です。

本来この積立金は、事故被害者の救済や保険制度の安定のために蓄えられてきたものです。それが別用途に使われた経緯について、十分な説明がなされたとは言い難いまま、時間だけが経過しています。
その状態で「費用が増えたので値上げします」と言われても、納得できる人は多くありません。仮に本当に財源が不足しているのであれば、まず過去の資金の扱いを明確にし、その上で必要性を丁寧に説明するのが筋ではないでしょうか。場合によっては、繰り入れた資金の返戻を含めた議論があって然るべきです。

問題の本質は「値上げそのもの」ではなく、「説明責任の欠如」にあります。強制加入という制度のもとで国民に負担を求める以上、行政側にはそれ以上の誠実さが求められます。過去の判断を曖昧にしたまま、新たな負担だけを積み重ねていくやり方では、制度そのものへの信頼が揺らぎかねません。
物価高が続き、あらゆる分野で負担が増している今だからこそ、こうした一つひとつの政策判断が国民の感情に直結します。「仕方ない」で済ませるのではなく、「なぜそうなるのか」を丁寧に示すこと。それこそが、これからの行政に求められる最低限の姿勢ではないでしょうか。
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