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ドッグランが開設。しかしそれだけで終わって良いのか

2026/7/16

6月17日の一般質問で、ミラタップパーク芦屋(芦屋市総合公園)に開設されたドッグランについての質問がありました。

長年にわたって設置を求める声があり、ようやく実現した施設です。設置そのものを否定するつもりはありません。犬を飼っている方にとって、ノーリードで犬を遊ばせられる場所ができたことは喜ばしいことだと思います。

一方で、行政が公有地を使って設置する施設として考えたとき、今の位置づけのままでよいのかという疑問があります。

市内にあるだけでは強みにならない

総合公園の近隣に住み、普段の散歩の延長で利用できる方にとっては便利な施設だと思います。一方で、同じ市内でも山手など遠方の人が利用する場合は、犬を車に乗せて訪れることになります。近隣の神戸市や西宮市などにもドッグランがあるため、どのみち車で移動するのであれば、芦屋市内の施設に固執する必要はありません。

市民は行政区域ではなく、自宅からの距離、施設の広さ、駐車場、利用時間や利用条件などを比べ、使いやすい施設を選びます。そのため、芦屋市内にドッグランがあるというだけで、市内全域から利用が広がるとは限りません。

ペットとの共生という政策が見えない

ペットが生活に彩りを与え、家族の一員として大切な存在になっていることは事実です。ペットとの共生を進めること自体を否定するものではありません。

しかし、現在のドッグランは、ペットとの共生という大きな政策の中に位置づけられているようには見えません。「長年要望があったため、総合公園の一角にようやく設置した」という位置づけにとどまっていると思います。

本来であれば、まず芦屋市としてペットとの共生をどのように進めるのかを整理し、その実現策の一つとしてドッグランを位置づけるべきではないでしょうか。

市民の中には散歩の折に放置される犬の糞に迷惑している人もいます。犬が苦手な方や、アレルギーがある人もいます。また、犬以外のペットを飼っている人もいます。

また、動物という話に目を向けると、野良猫や地域猫などの課題もあります。災害時には、ペット同行避難や避難所での受け入れが難しいということも課題とされています。つまり、芦屋市にはドッグラン以外にも取り組むべき課題があります。

こうした問題がある中、ドッグランだけをつくっても、ペットとの共生を進めたことにはならないと思います。

犬を飼わない人にも意味のある施設へ

公共がドッグランを設置するのであれば、犬を飼わない人にも何らかの効果が及ぶ仕掛けが必要だと思います。

例えば、以下のようなことが想定されます。

  • ドッグランを活用して、飼育マナーやしつけに関する講習を行う
  • 糞尿の始末に関するマナー啓発を行う
  • ペット防災の講習や同行避難訓練を行う

こうした取り組みを実施することで街中での迷惑行為が減り、災害時の混乱も抑えられるのであれば、犬を飼わない市民にも公共的な効果があります。

ドッグランを単なる犬の遊び場で終わらせず、飼い主の責任や地域との共生を学ぶ拠点にする。そこまで展開して初めて、行政が関わる意味が生まれるのではないでしょうか。

施設を廃止してきた市としての説明も必要

芦屋市では、三条デイサービスセンターやあしや温泉など、長年利用されてきた施設を廃止してきました。

それぞれ維持費や老朽化の問題があり、ドッグランと単純に比較できるものではありません。ドッグランは指定管理者の自主事業であり、維持管理に伴う市の負担も大きくないと考えられます。

それでも、施設を失った方からすれば、自分たちが利用してきた施設は廃止された一方で、新たに一部の愛犬家が利用する施設がつくられたことになります。誰の要望を拾い、誰のための施設を残すのかという点について、市はもう少し敏感であるべきです。

費用が小さいから問題がないというだけではなく、なぜこの施設を公共が持つのか。その意味を丁寧に示す必要があります。

つくったことを目的にしてはいけない

長年の要望が実現したことは、素直に喜べばよいと思います。ただし、そこで議論を終わらせてはいけません。

施設の愛称や案内板、利用時間などを考えることも必要です。でもそれより先に、ドッグランを芦屋市のどの政策につなげるのかを考えるべきです。

公共のドッグランは、芦屋市の特徴や強みになる可能性もあります。しかし、施設があるだけでは強みにはなりません。ペットとの共生を進め、犬を飼う人にも飼わない人にも暮らしやすい街をつくる。その政策を具体化する施設として活用してこそ、初めて意味があります。

ドッグランをつくったこと自体を否定するものではありません。ですが、せっかくつくったのであれば、単発の要望実現で終わらせずにペットとの共生という政策につなげるべきです。

今のままの位置づけでは、公共施設としてあまりにも弱いと思います。

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