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大原 ゆうき ブログ

福祉サービスが充実すれば、楽しい交流の機会はなくしてよいのか

2026/7/14

6月17日の一般質問では、コロナ禍以降開催されていない「芦屋市障がい児・者とのふれあい市民運動会」など、障がい児者との交流事業についての質問がありました。

芦屋市障がい児・者とのふれあい市民運動会は、障がいのある方やその家族、一般市民、学生ボランティア、市職員などが参加してきた行事です。市の答弁によると、参加者は約350人。2019年度に開催された第31回を最後に、開催されていません。

コロナ禍を契機に「休止」ではなく終了

コロナ禍で開催を見送ったこと自体は理解できます。屋外の開催であり、密をつくるような機会ではなかったように思いますが、障がいのある方の中には基礎疾患がある方もおられます。当時は感染症対策を優先し、慎重な判断を行う必要がありました。

しかし、市の答弁によると、ふれあい市民運動会は単に休止しているわけではないようです。

感染症対策に加え、2020年度の実行委員会において「障がいのある人との触れ合いの場としての使命が果たせていないのではないか」との意見があったことや社会情勢の変化を踏まえ、事業を終了したとのことでした。

市は、同様の事業を再開することも検討していないと答弁しています。

しかし、高齢者を対象とした運動会や学校園の運動会をはじめ、コロナ禍で中止されていた多くの行事は既に再開しています。それにもかかわらず、なぜ障がいのある方々の運動会だけは再開されないのでしょうか。

従来と全く同じ形での開催が難しいとしても、規模や内容の見直しや再開に向けた検討など、関係者とともに模索している様子も答弁からは見えてきませんでした。

参加者は「福祉サービス」を受けに来ていたのか

市は、障がいのある方の社会参加の手法について、多様な意見を聞いていると説明しています。また、答弁を聞く限り、福祉サービスや社会参加の機会が以前より増えていることを従来の運動会を再開しない理由の一つとして捉えているようにも感じました。

しかし、福祉サービスが充実していることとふれあいや楽しみの機会が確保されていることは、同じではありません。

参加者は福祉サービスを受けるという意識で運動会に参加していたのでしょうか。

競技を楽しみ、知っている人と会い、一緒に笑って一日を過ごす。そんなごく普通の「楽しい行事」として参加していた方も多かったのではないかと思います。

僕も、コロナ禍以前には議員としてふれあい市民運動会に参加していました。すべての障がいのある方が参加できる行事ではなかったと思います。また、一度の運動会によって市民の障がいへの理解が飛躍的に深まるというほど大きな効果があったとは思いません。

それでも、参加者が「楽しそうだった」というのは実際に感じ取れていました。

参加した方が楽しい時間を過ごし、翌年の開催を楽しみにしている人たちがいる。それだけでも、事業を続ける価値はあったのではないでしょうか。障がいのある方が楽しむことにまで、大きな福祉的成果や社会的使命を求める必要はないと思います。

31回続いた行事を終える判断として十分なのか

ふれあい市民運動会は、短期間だけ実施された試行的な催しではありません。2019年度の第31回まで、30年以上にわたって続けられてきた歴史のある恒例行事です。長く続いてきたということは、参加を楽しみにしていた方や関係者、ボランティアがおり、市としても継続する意義を認めてきたということです。

それほどの行事を終了するのであれば、「社会情勢が変化した」「福祉サービスが充実した」という一般的な説明だけでは足りません。これまで、どのような話し合いをしてきたのかを丁寧に示す必要があると思います。

当事者や当事者団体が開催に後ろ向きなのであれば、市が再開しない判断にも一定の理解はできます。しかし、実際には当事者や関係団体から再開を望む声や代替事業を求める声が上がっています。市も、芦屋市障害団体連合会から代替事業の要望があったことを認めています。

問われているのは、すぐに再開するかではなく、対話する姿勢

もちろん、「再開を望む声があるのだから、直ちに以前と同じ運動会を開催すべきだ」とは言いません。会場の確保、人員、運営体制、安全管理、関係者の負担など、開催に向けて整理しなければならない課題はあると思うからです。

だからこそ、市が一方的に「終了」と結論づけるのではなく、当事者や家族、関係団体と丁寧に対話する必要があります。

従来どおりの開催が難しければ、規模や競技内容、開催方法を変えることはできないのか。まずは、その可能性を関係者と一緒に探るべきではないでしょうか。

福祉サービスが充実しているとしても、かつて存在したふれあいの機会や楽しい機会は失われたままです。問いたいのは、なぜ今すぐ再開しないのかということだけではありません。31回続いてきた行事の再開を望む声に対して市は本当に向き合い、当事者とともに可能性を模索してきたのか。今回の答弁には、その点で強い違和感が残りました。

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