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大原 ゆうき ブログ

地域クラブの安全管理として、子ども性暴力防止法の考えを組み込む必要があるのでは

2026/7/11

6月17日の一般質問では、子ども性暴力防止法への芦屋市の対応について質疑が行われました。

子ども性暴力防止法は、性犯罪歴の確認だけを目的とした法律ではありません。職員研修や相談体制の整備、子どもと大人が一対一になる場面への対策、私物端末による撮影やSNSでの私的なやり取りの防止など、子どもへの性暴力が起こりにくい環境を整えることが求められています。法律として定められた以上、市立学校園や保育所などの対象施設については、芦屋市として必要な対応が行われるものと思います。

個人的に特に重要だと考えているのが、中学校部活動の地域展開によって設置される地域クラブの安全管理です。

善意だけに依存した制度にしてはならない

地域クラブには、子どもたちのために力を貸したいという善意から関わる方が多くおられると思います。その善意そのものを否定するつもりは全くありませんが、子どもを預かる制度については善意のみを前提として設計することがあってはならないと思います。

地域クラブは、「地域のために活動してくれている」「子どものために協力してくれている」という善意のフィルターに守られやすい仕組みです。そのため、指導者を疑うこと自体が失礼だという空気が生まれ、悪意を持って子どもに近づこうとする者を遠ざけにくくなる可能性があります。

これは、現在地域クラブで活動されている方やこれから活動される方を疑うという話ではありません。子どもを預かる教育委員会として、最悪の事態を想定し、性悪説に立って制度を設計するべきだという、リスクマネジメントの話です。

性犯罪は、大人が被害を受けても心に大きな傷を残します。心身が発達途上にある子どもが被害を受ければ、その後の人生により深刻な影響を及ぼす可能性があります。子どもへの性犯罪は極めて重大であり、取り返しのつかない被害を生じさせる犯罪です。

だからこそ、被害が起きてから対応するのではなく、一件も起こさないための制度設計が必要です。

民間事業者とは抑止力の構造が異なる

学習塾や習い事など、子どもを対象とした民間サービスについても、当然、安全対策は必要です。

ただし、こうした事業者には市場の原理が働きます。子どもや保護者からの信頼そのものが商売の基盤であり、盗撮や性被害が生じれば、保護者は一斉に離れます。特に個人経営の塾や教室であれば、一件の不祥事がそのまま廃業につながりかねません。

一人の関係者の行動によって事業全体が終わる可能性があるため、経営者や組織には強い抑止力が働きます。内部での自浄作用も働きやすい構造です。

一方、地域クラブは必ずしも市場原理の中にあるとは限りません。事業者が本業の一環として運営するクラブもありますが、地域の有志や競技経験者などが、ボランティアや地域貢献として関わるクラブもあります。

仮に問題が起きれば、そのクラブ自体は継続できなくなるでしょう。しかし、運営者や講師にとって地域クラブが本業でなければ、民間事業者のように生活や事業基盤そのものを失うとは限りません。

つまり、地域クラブは民間ビジネスと比べて外部から働く抑止力が弱い可能性があります。その分を、教育委員会による明確なルールと監督で補う必要があると考えます。

普通に活動している人には、当たり前のルール

必要なルールは、特別に厳しいものではないと思います。例えば以下のようなものが考えられます。

  • 子どもと密室で一対一にならない
  • 私的なSNSやメッセージアプリで連絡を取らない
  • 私物のスマートフォンで子どもを撮影しない
  • 送迎、更衣、個別指導などの場面ごとに安全基準を定める
  • 相談や通報の窓口を明確にする
  • 問題が生じた際に、指導者を速やかに外せる仕組みを設ける
  • 指導内容や子どもとの接触について、必要な記録を残す

まっとうに活動している方からすれば、「まあ当たり前ですよね」で済む内容だと思います。こうしたルールは、指導者を疑うためのものではありません。子どもを守ると同時に、適切に活動している指導者を不当な疑いから守るためのものでもあります。

逆に、子どもを守るための基本的なルールに強く反発する人がいるのであれば、なぜそのルールでは困るのか、慎重に確認する必要があります。

写真撮影やSNS発信も公式管理の下に置くべき

写真撮影やSNS発信についても、明確なルールが必要だと思います。

保護者の許可がない子どもは、原則として撮影してはなりません。また、撮影の許可と、ホームページやSNSへの掲載の許可は別に確認するべきです。

顔が映っていなければ問題ないとも限りません。後ろ姿であっても、服装、活動場所、曜日、所属、投稿内容などを組み合わせれば、本人を特定できる場合があります。

また、講師や指導者が個人のSNSアカウントで地域クラブの活動風景を発信することについても慎重であるべきです。地域クラブの活動は講師個人のものではありません。活動の様子についても、クラブという組織の管理下に置かれるべきです。

個人のアカウントで発信されれば、講師が退任した後も投稿が残り、クラブ側が削除や修正を管理できません。子どもたちが講師個人の活動実績やSNS発信の素材として扱われることも避けなければなりません。

撮影や発信はクラブの公式アカウントに限定し、保護者の同意、掲載基準、投稿前の確認、保存期間、削除方法などを定めるべきだと思います。

地域展開と安全管理は一体で考えるべき

部活動の地域展開は、教員の負担軽減や地域人材の活用という面だけで進めてよいものではありません。

学校の中で行われていた活動を学校の外へ移すのであれば、これまで学校が担ってきた安全管理を、誰が、どのような責任で担うのかを明確にする必要があります。市や教育委員会が制度を設計し、学校部活動の受け皿として地域クラブを位置づけるのであれば、子どもの安全に対する行政の責任まで地域に移すことはできません。

善意を信じることと、善意だけに依存しない制度をつくることは両立します。

子どもを預かる以上、最悪を想定し、悪意を持つ者が入り込みにくく、問題が起きにくい仕組みをあらかじめ整えることが必要です。子ども性暴力防止法の趣旨についても、地域クラブに盛り込む必要があると思います。

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