2026/6/24
5月28日に公開された監査報告の中では、契約書には相手方がJV(共同企業体)ではなく、単社名で記載されている旨が書かれています。これは以前から議会も指摘をしている点であり、監査報告で新たに発覚した問題ではありません。しかし、相手方の記載ミスが生じた大きな背景として、契約検査課が用意している契約書作成支援ツールを利用しなかったということが判明しています。
契約相手方の記載は、契約事務における基本事項の一つです。今回の一般質問では、この記載誤りそのものだけではなく、なぜ誤りが生じ、なぜ発見されなかったのかについて確認を行いました。
市の答弁によると、契約検査課では契約書作成時の誤り防止や事務負担軽減のため、契約検査課が「契約書作成支援ツール」を用意しています。芦屋市が作成する契約書は、ひな形通りの部分が多く、案件ごとに変更しなければならない部分は限られているからです。
通常の契約事務では、このツールに契約相手方を入力することで契約書へ反映されます。つまり、契約の相手方は市が予め入力しておくという運用になります。相手方は社印を押印することで、契約の意思と、確認済みであることを表します。これはミス予防という観点から、合理的な運用だと思います。
しかし今回は、そのツールが利用されませんでした。利用しなかった理由を質したところ、「JV契約には対応していなかったため、利用しなかった」との答弁がありました。
本来の運用であれば、相手方の名称については、市が予め入力したものを相手に渡すことになっています。しかし今回はツールを使用せず、手入力で契約書を作成した。その結果「契約書の相手方の名称を空白にして相手方に渡す」という従来の運用と異なる対応を行っています。そして、その結果、JVではなく単社名のみが記載されました。
「この事象はツールを使わなかったが故に生じたミスですね?」と質したところ、市は「ツールを使っていなかったことによって確認が漏れていた」と答弁しました。
また、ツールを使用した場合、単社と契約する際の契約書のひな形が出力されることから、今回はツールを使用しなかったという答弁もありました。
しかし実際には、道路・公園課が作成した契約書は単社と契約する際のひな形でつくられたものでした。これは12月には、JVを想定したひな形になるよう修正されています。「ツールでは出力されるひな形が異なるから使えない」と判断したにもかかわらず、結果的にはツールで出力されるひな形を使用しています。
この疑問についても「チェック漏れが原因ですか?」と質したところ、「ツールを使うにしても使わないにしても行うべきだった確認が漏れていた」との答弁がありました。
すっきりするやり取りであるとは言い難い部分はありますが、少なくとも、芦屋市は以下の関係については認めたと評価しています。
本来、ミス防止のための仕組みを利用できないのであれば、その分だけ慎重な確認が必要になるのではないでしょうか。確認に特別な専門知識や長時間の作業を要するものであるならばまだしも、契約相手方の確認はそうしたものではありません。
確かに民法上は、双方の合意があるならば契約は成立します。しかし「間違いなく書く」ということはとても重要です。
契約相手方の誤りは後々の説明や修正、場合によっては紛争の原因になる可能性があるからです。民法を持ち出せば解決はできるでしょうが、いらぬトラブルによっていらぬ時間、お金を浪費することは避けるべきであり、避けたいことです。だからこそ、官民や個人・組織を問わず、契約事務では最初に確認する項目の一つであると言えます。
官民、組織・個人を問わずに契約を行う際のごく当たり前の認識であるが故に本会議では発言していませんが、個人的には違和感を感じています。
芦屋市では、「芦屋市公印規則」において公印を押印する際には管守者が「審査」を行った後に押印を承認するルールを定めています。つまり、いずれのケースであっても然るべき「審査」が行われる運用であるということです。
「今回のケースにおいて審査は行われたのか?」と質したところ、市は「審査は行ったが、確認不足があった」と答弁しています。
確認不足の理由を質したところ「4月1日は承認依頼が多かったために確認不足があった」との答弁。「では、他にも多く出されている承認も全て確認不足の可能性があるということか?」と質したところ、「本件はJV契約だったため」という答弁がありました。
しかし「契約の審査」を行う上で「契約の相手方」は最優先で確認する事項だと思います。最優先確認事項を見落とす「審査」は、規則で定められている審査として有効なのか。という疑問が残りました。
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