2026/5/22
保育園に入れたら、それで子育てと仕事の両立は安心なのでしょうか。
決してそうではありません。小学校に入学したあと、放課後に安心して過ごせる場所がなければ、保護者は働き続けることができません。練馬区でも、いわゆる「小1の壁」、そして学年が上がっても続く放課後の居場所の問題は深刻です。
5月19日の文教児童青少年委員会で、令和8年4月1日現在の区立学童クラブの在籍・待機児童数が報告されました。
区立学童クラブの在籍児童数は6,757人。昨年度より219人増えました。一方で、待機児童は52人。昨年度より1人増えています。学年別では、2年生10人、3年生42人。1年生ではなく、2・3年生に集中しています。その背景は、1年生が選考の時に1年生が優先されることにあります。
委員会の資料はこちらをご覧ください。
04【資料4】区立学童クラブ在籍・待機児童数および待機児童対策について

(出典:練馬区)
練馬区の学童クラブの待機児童は、令和5年度には299人でした。それが令和6年度に164人、令和7年度に51人、そして今年度は52人となっています。数字だけを見れば、大きく改善したように見えます。
しかし、待機児童問題はまだ解決していません。

(出典:練馬区)
資料にも明記されていますが、東京都の待機児童解消支援事業として位置付けられている「ねりっこプラス」やランドセル来館事業を利用せず、特定の学童クラブで待機を選択した場合は、待機児童数から除かれています。
さらに、4月の段階で申請をあきらめたり、別の方法で対応した家庭も数字には表れにくくなります。つまり、公式の52人という数字の外にも、希望する学童クラブに入れなかった子ども達が非常に多く存在します。
区は待機児童対策として、ねりっこプラスを実施しています。ねりっこ学童クラブで待機となった児童を対象に、ひろば事業終了後のひろば室を活用し、学童クラブに準ずる保育を提供するものです。
今年4月1日現在、ねりっこプラスは41校で実施され、805人が登録しています。さらに、児童館や地区区民館などに学校から直接来館するランドセル来館事業には、15館で33人が登録しています。

(出典:練馬区)
この数字は非常に大きいものです。ねりっこプラスが多くの子どもたちを支えていることは事実です。しかし同時に、非常に多くの子どもたちが、本来希望していた学童クラブに入れていないということでもあります。
学童クラブとねりっこプラスの大きな違いの一つが「おやつ」です。
学童クラブでは補食としておやつが提供されます。しかし、ねりっこプラスでは提供されません。委員会で区は、ひろばの一般利用時間と重なること、当日どの子が来るか把握しにくいこと、アレルギー管理や職員体制の課題があることを理由に、提供は難しいと説明しました。
課題があることは理解します。
しかし、子どもたちは給食を食べてから、夕方6時、7時近くまで過ごすことになります。成長期の子どもにとって、長時間何も食べられないことは決して小さな問題ではありません。
学童に入れなかったことで、同じように保護者の就労を支えるために利用しているにもかかわらず、補食がない。この違いは、子どもの生活の質に関わる問題です。
持参を認める、時間を分ける、アレルギー対応のルールを整えるなど、改善の余地はあるはずです。
委員会では、ねりっこプラスにも上限があることが確認されました。ひろば室を使うとはいえ、学童に準じる事業であるため、部屋の面積に応じた受入上限があります。
実際、今年度はねりっこプラスにも入れなかった児童が、1校で18人いるとの答弁もありました。
「ねりっこプラスがあるから大丈夫」ではありません。学童クラブに入れず、ねりっこプラスにも入れない子どもがいます。放課後の安心できる生活の場をどう保障するのか、区の責任が問われています。
私はこれまで何度も、学童クラブの待機児童対策について取り上げてきました。
2020年には、ねりっこプラスについて、見守りであるひろば事業に保育機能を一部加えるものであり、学童保育の代わりにはならないと指摘しました。行っても行かなくてもよい「居場所」と、保護者の就労を支える「保育」は違います。
2023年には、学童待機児童が299人に達し、8年連続で200人を超えていることを踏まえ、児童館や地区区民館の学童クラブは廃止ではなく増設すべきだと訴えました。
2024年にも、ねりっこプラスの児童が617人に達していることを取り上げ、学校外も含めて学童クラブを増やすしかないと訴えました。
今回、ねりっこプラスは805人にまで増えています。この数字は、過去の指摘が今もなお解決していないことを示しています。
施設別に見ると、待機児童は一部の学校に集中しています。泉新小ねりっこで21人、大泉東小ねりっこで13人、開進第三小ねりっこで5人、早宮さくら学童クラブで13人です。
区は、早宮小については令和9年度に向けて、定員135人のねりっこ学童クラブ棟を整備するとしています。これは必要な対応です。
一方で、泉新小や大泉東小については、今後の見通しを整理したうえで対応を検討するとの説明にとどまっています。
また、障害のある子どもの受入れも増えており、令和8年度は349人、前年度より41人増えています。受入枠を増やすなら、面積、人員、静かなスペース、専門研修もセットで考える必要があります。
練馬区はこれまで、学校内のねりっこクラブを中心に待機児童対策を進めてきました。学校内で子どもが安全に過ごせることには、大きな意味があります。しかし、学校内だけでは限界があります。
児童館、地区区民館、民間施設、民間学童などを組み合わせ、学校外の選択肢も本格的に広げるべきです。
学童クラブは、子どもの放課後の居場所であると同時に、保護者の就労を支える社会インフラです。すべての子どもが安心して放課後を過ごせるよう、練馬区には、学校内外を問わず、具体的な整備計画を示すことを求めます。これまでの訴えはこちらをごらんください。

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