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川村 のりあき ブログ

【若者会議・続編】子どもの声を「聞きっぱなし」にしない新宿へ

2026/8/20

自治基本条例第22条を、子どもが権利を実感できる仕組みへ

皆さま、こんにちは。新宿区議会議員の川村のりあきです。

前回の記事では、私が傍聴した「しんじゅく若者会議」で、小中学生から寄せられた声を紹介しました。

「公園でボール遊びがしたい」
「放課後、友達と話しながら勉強できる場所がほしい」
「住宅街の夜道が暗くて怖い」
「外国にルーツを持つ友達と、お互いの文化を学び合いたい」

子どもたちは、単に大人へ要望を伝えていたのではありません。
自分たちが暮らす新宿の課題を見つけ、どうすれば改善できるのかまで真剣に考えていました。

では、若者会議で寄せられた声を、一度限りの意見発表で終わらせないためには、何が必要でしょうか。

今回の記事では、前回紹介した子どもたちの声を出発点に、私がこれまで議会で取り上げてきた、まちづくり、放課後の居場所、特別支援教育、校則、意見のフィードバックなどの課題を振り返ります。

そのうえで、新宿区自治基本条例第22条の理念を、子どもが日々の生活の中で実感できる制度へと具体化する「子どもの権利条例」について考えます。

新宿区には、すでに大切な理念があります

新宿区では、2011年に「新宿区自治基本条例」が施行されました。
その第22条は、子どもが「社会の一員として自らの意見を表明する権利」を持ち、健やかに育つ環境を保障されると定めています。

新宿区がすでに子どもの意見表明を「権利」として位置づけていることは、大切な到達点です。

一方で、理念が条例に掲げられていることと、子どもが日々の生活の中で「自分の声が大切にされている」と実感できることは、同じではありません。

  • 子どもの意見を、いつ、どのように聴くのか
  • 寄せられた意見を、政策や施設運営にどう反映するのか
  • 実現が難しい場合、その理由をどう説明するのか
  • 権利が傷つけられたとき、どこに相談できるのか

こうした具体的な仕組みまで整えてこそ、第22条の理念が子どもの生活の中で生きたものになります。

1.まちづくりでも、子どもを大切な当事者に

西武新宿線の連続立体交差化や、鉄道が地下化された後のまちづくりは、これからの地域の姿を大きく左右します。

私は、中野区で開かれた鉄道立体化に関する催しに参加した際、子どもたちが「鉄道が地下化された後の土地を、どのように使いたいか」を考え、アンケートを行い、その結果を発表している姿に強く心を動かされました。

公園、道路、通学路、駅前広場、放課後の居場所などは、子どもの生活にも深く関わっています。

だからこそ私は、新宿区議会でも、西武新宿線の立体交差化や周辺のまちづくりを検討する際には、子どもに意見を聴くアンケートや意見交換の機会を設けるよう提案してきました。

前回の記事で紹介した「ボール遊びができる公園がほしい」という声も、子どもを公園利用の大切な当事者として位置づけてこそ、具体的な改善につながります。

自分たちの意見が、地域の公園や道路、まちの形に反映される。
すぐには実現できない場合も、何が課題なのかについて説明を受ける。
こうした経験は、子どもが自分も地域社会の一員であることを実感する大切な機会になります。

2.日々の声から進んだ、放課後の居場所の改善

子どもの権利を大切にすることは、身近な生活上の困りごとに丁寧に向き合うことから始まります。

長期休暇中のお弁当配送

保護者や現場からは、夏休みなどの長期休暇中、学童クラブや「ひろばプラス」を利用する子どもの昼食を毎日用意する負担について、切実な声が寄せられていました。

私はこうした声を受け、子どもが長期休暇中も安心して過ごせるよう、お弁当配送サービスの導入を議会で繰り返し求めてきました。

新宿区では、2024年度の夏季休業期間から区立学童クラブでお弁当配送サービスが始まり、現在は区立学童クラブ31所と「ひろばプラス」28所が対象となっています。

これは、保護者や子ども、現場で働く職員の皆さまから寄せられた声が、議会での提案と行政の検討を通じて、具体的な支援につながった一例です。

今後も、利用する家庭の意見とともに、受け入れを担う職員の業務や安全管理にも配慮し、より安心して利用できる仕組みにしていく必要があります。

3.一人ひとりに合った、安心して学べる環境を

私は、落合第二小学校の知的障害特別支援学級について、入級者数の推移や教室環境を確認し、必要な受け入れ環境の整備を求めてきました。

また、自閉症・情緒障害のある子どもが、地域の中で安心して学べる環境を整えることも重要です。

新宿区は、2026年度予算で、天神小学校と新宿中学校に自閉症・情緒障害特別支援学級を整備し、2027年4月から指導を開始する予定を示しています。さらに、2028年4月には、別の区立小学校でも開設する計画です。

必要な支援は、子どもによって異なります。

子ども本人と保護者の意向を丁寧に確認し、安心して相談できる体制を整えること。そして、教職員が専門性を十分に発揮できる人員配置や研修、相談体制を充実させることが欠かせません。

「子どもの意見を大切にする」ということは、言葉として表された意見だけでなく、子どもの表情や行動、日々の過ごし方から思いを受け止めることも含まれます。

4.子どもの人権という視点から、校則を考える

子どもの権利を考えるうえで、学校の校則や生活上の決まりも重要なテーマです。

私は議会で、中野区において、生徒自身の発信をきっかけに校則が見直された事例を紹介しました。

そのうえで新宿区でも、次のような取り組みを進めるよう求めてきました。

  • 校則を学校のホームページなどで分かりやすく公開する
  • 校則の内容だけでなく、その理由も丁寧に説明する
  • 児童・生徒、保護者、教職員が意見を交わす機会を設ける
  • 制服と私服の選択など、全国の取り組みを調査する
  • 人権、自己肯定感、子どもの権利の視点から定期的に見直す

新宿区でも、生徒会からの提案を受けて、校則や制服などを見直している学校があると説明されています。

大切なのは、子どもから意見が出ることを、学校への批判や対立として扱わないことです。

児童・生徒が不利益を心配することなく、安心して自分の考えを伝えられる環境をつくる。そのために、教職員が子どもの権利について学び、日々の教育活動に生かせる研修や相談体制を教育委員会が整える必要があります。

5.若者会議を「聞きっぱなし」にしない

新宿区では、2017年度から「しんじゅく若者会議」を実施しています。

2026年度は、小学校4年生から高校生までを対象に、新宿の未来について意見を交わす機会が設けられました。

また、第三期新宿区次世代育成支援計画の策定にあたっては、小学校5・6年生、中学生、15歳から17歳までを対象とした「子どもWebアンケート」が行われ、749人から回答が寄せられました。

こうした取り組みは、とても大切です。

しかし、意見を聴いただけで、その後の検討結果が伝えられなければ、子どもは「何のために意見を言ったのだろう」と感じてしまいます。

前回の記事で紹介した、公園、居場所、防犯、多文化共生などの意見についても、次の内容を子どもに分かる言葉で伝える必要があります。

  • どの意見を計画や政策に反映したのか
  • どのような検討を行ったのか
  • 実現が難しい場合、その理由は何か
  • 今後どのように取り組むのか

意見を聴くことと、検討した結果を返すことは、切り離せません。
若者会議を一度限りの発表の場で終わらせず、子どもと区との継続的な対話につなげる。この双方向のフィードバックは、「子どもの権利条例」を考えるうえで重要な論点です。

6.困ったときに、安心して相談できる仕組みを

家庭、学校、地域の中で、子どもが自分の置かれている状況を言葉にすることは、簡単ではありません。

虐待、不登校、いじめ、障害、生活困窮、ヤングケアラー、言葉や文化の違いなど、複数の困難が重なっている場合もあります。

新宿区は、区独自の児童相談所を設置する方針を変更し、東京都児童相談センター内の区分室を「児童相談都区連携拠点」として活用する方向に移りました。

今後は、東京都と新宿区の役割分担を明確にし、相談や支援が必要な子どもと家庭が、制度のはざまに置かれない体制をつくることが重要です。

同時に、行政の相談・保護機能とは別に、子どもが安心して相談できる、独立した第三者による権利救済の仕組みも検討する必要があります。

学校や家庭の中では話しにくいことも、子どもの立場に寄り添う第三者になら相談できる場合があります。

子どもの話を丁寧に聴き、必要に応じて学校、家庭、行政などとの調整を行う「子どもオンブズパーソン」のような仕組みを、新宿区でも具体的に検討すべきです。

新宿区の「子どもの権利条例」で検討したい5つの柱

自治基本条例第22条の理念を具体化するため、まずは次の5つを重要な論点として、皆さまと検討したいと考えています。

  1. 子どもが安心して意見を表明できること
  2. まちづくり、教育、福祉、公園などの政策に参加できること
  3. 意見をどのように検討したのか、子どもに分かる言葉で伝えること
  4. 困ったときに相談できる、独立した権利救済の仕組みを設けること
  5. 条例の実施状況を定期的に検証し、子どもの意見を踏まえて改善すること

条例をつくること自体が目的ではありません。

子どもが「自分の声には意味がある」「困ったときには相談できる」「地域や行政が一緒に考えてくれる」と実感できる新宿区にすることが目的です。

そして、子どもを支える保護者、教職員、保育・福祉の現場で働く皆さまが、それぞれの専門性を生かし、安心して子どもに向き合える環境を整えることも欠かせません。

結び――若者会議で出された声を、次の区政へ

前回の記事では、若者会議で語られた子どもたちの具体的な声をお伝えしました。

今回は、その声を聞きっぱなしにせず、継続的な参加と政策改善につなげる仕組みについて考えました。

お弁当配送、特別支援学級、校則の見直し、まちづくりへの参加、若者会議、相談と権利救済。

一つひとつは異なる課題に見えますが、根底にあるのは、「子どもの声を聴き、その声に応えて区政を改善する」という共通の考え方です。

私は、若者会議で寄せられた声を、2028年度から始まる新たな総合計画の検討にもつなげていきたいと考えています。

同時に、子どもの参加やフィードバック、権利救済を一時的な取り組みで終わらせないため、「子どもの権利条例」の必要性と新宿区にふさわしいあり方について、皆さまの声を伺いながら議会で議論していきます。

意見をまとめる前に、皆さまの声をお聞かせください。

子どもが安心して育ち、学び、遊び、自分の考えを伝えられる新宿区を、皆さまと一緒につくっていきたいと思います。

📌 これまでの歩み

  • 2011年:新宿区自治基本条例施行(第22条に子どもの意見表明権を規定)
  • 2017年度:「しんじゅく若者会議」開始
  • 2024年度夏季休業期間:区立学童クラブでお弁当配送サービス開始(現在は区立学童クラブ31所・「ひろばプラス」28所が対象)
  • 2026年7月18日:「しんじゅく若者会議」開催、小・中学生の声を傍聴(前回記事)
  • 2026年度予算:天神小学校・新宿中学校に自閉症・情緒障害特別支援学級を整備(2027年4月指導開始予定、2028年4月には別の区立小学校でも開設予定)

📖 あわせて読みたい

今回の記事の出発点となった、若者会議での小・中学生の声を紹介した前回記事です。あわせてお読みいただくと、子どもたちの率直な声と、それを制度につなげる考え方の両方をご覧いただけます。

▼関連記事

若者会議で聞いた子どもたちの声を含め、2028年度から始まる新たな基本構想・総合計画に向けた検討状況をまとめた記事です。「子どもの権利条例」の議論とも密接に関わっています。

📋 皆さまの声をお聞かせください

「子どもの意見を、区政にもっと具体的に反映してほしい」
「困ったときに相談できる場所を分かりやすくしてほしい」
「学校の決まりについて、子どもの声を聞く機会を増やしてほしい」

子どもたちだけでなく、皆さまの身近な経験やご提案もぜひお寄せください。

皆さまの声が、区政を動かす一番の原動力です。

💬 ご意見・ご相談

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川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」

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