2026/7/19
先週金曜日、衆議院の議院運営委員会で見過ごせない決定がありました。
会期が25日まで延長されたことに伴い、延長期間中に海外渡航を予定していた自民党議員11人が承認を申し出たところ、野党側の反発を受けて、小林鷹之政調会長ら党幹部4人の渡航が認められなかったのです。
小泉防衛相や茂木外相ら閣僚の渡航は認められましたが、党幹部はまかりならん、という整理です。
結論から申し上げます。これは日本の国益を損なう、極めて残念な結論だったと思います。
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野党側の言い分はこうです。
中道改革連合の重徳国対委員長は「与党の都合で延長しようという話だったにもかかわらず、与党幹部が海外渡航する予定を既に組んでいた。これは職場の放棄と言える態度だ」と批判。
国民民主党の玉木代表も「よく野党に対して審議拒否と言うが、これは職場放棄ではないか」と続きました。
まず押さえておきたいのは、今回の会期延長は「与党の都合だけ」で行われたものではない、ということです。
延長を余儀なくされた大きな要因の一つは、一部野党が法案審議に応じず、日程闘争を仕掛けたことにあります。
お互いに言い分はあるでしょう。しかし「与党が勝手に延長したのだから、与党議員は国会に残って当然だ」という前提そのものが、実態と合っていません。
そして国会開会中の海外渡航に議運委の承認が必要なこと自体は、当然のルールです。私も否定しません。
問題は、その承認権限を「相手のメンツを潰す道具」として使ってよいのか、ということです。
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もう一つ、どうしても看過できない投稿がありました。
国民民主党の向山好一衆院議員は、この渡航についてXで「無責任すぎる!しかも行き先はパプアニューギニア。まさかバカンス?」と投稿しました。
パプアニューギニアがいま、どういう場所か。
南太平洋の島嶼国は、中国が虎視眈々と勢力圏の拡大を進めている、安全保障上きわめてセンシティブな地域です。米国やオーストラリアがこれに対抗し、日本も自由主義陣営の一員として存在感を発揮しなければならない最前線です。
しかも渡航予定の直前、7月16日には、パプアニューギニア政府が台湾の大使館に相当する「台北経済弁事処」の閉鎖を発表したばかりでした。中国はこの決定を歓迎し、台湾は強く抗議している。まさに綱引きの真っ最中です。
このタイミングで日本の与党幹部が現地に赴き、関係を深めることに、外交的な意味がないはずがありません。むしろ大きな意味がある。
それを「バカンス?」と揶揄するのは、相手国に対してあまりに礼を失していますし、南太平洋をめぐる外交の現実への理解を疑わざるを得ません。
我が党の藤田文武共同代表も「パプアニューギニア関係各位にも失礼。政府も党も、外交は常に休みなく動いています」と指摘したとおりです。
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「国会があるのだから残るべきだ」という理屈も、実務を知れば成り立ちません。
こうした渡航は当然、職務代行を立て、不在中も業務が回るよう調整を整えた上で行われます。小林政調会長ら4人を国会に縛りつけたところで、審議が一日でも早く進むわけではありません。
つまり今回の決定で得られたものは、何もないのです。
あるのは「与党幹部の渡航を止めてやった」という達成感だけで、失ったのは外交の機会という実利です。相手を批判して態度を改めさせれば気持ちがいいのかもしれませんが、実利ゼロで国益だけを損なう行為を、私は賢明とは思えません。
かねて野党の中からも、議員外交の重要性や、大臣・議員が国会に過度に縛られる慣行への問題提起はあったはずです。今回の対応は、そうした問題意識とも逆行しているのではないでしょうか。
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議員の海外渡航には、とかく厳しい目が向けられます。物見遊山の視察が過去に批判されてきた歴史を踏まえれば、それ自体は健全なことです。
しかし、だからこそ「意味のある外交」と「メンツの張り合い」は区別しなければなりません。今回止められたのは前者でした。
国会の会期は25日まで。残る日程では、こうした足の引っ張り合いではなく、法案の中身の議論に力を注いでいただきたいと思います。
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ホーム>政党・政治家>おときた 駿 (オトキタ シュン)>「まさかバカンス?」ではない。いま与党幹部がパプアニューギニアに行くべきだった理由