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合理だけでは割り切れない。チームみらい「国旗損壊罪賛成」という選択について

2026/6/28

2026年6月26日、衆院内閣委員会で国旗損壊罪法案が可決されました。自民・維新・国民・参政の提出4党に加え、チームみらいも賛成に回ったとのことです。

そして同党は本法案を「所属議員が自身で判断する自由投票とする」としたうえで、幹事長の高山聡史氏が会派を代表して上記の討論に立たれました。

私としては、この一連の対応に少なからず引っかかるものを感じています。

テクノロジーで分断ではなく対話を、イデオロギーではなく合理を、という旗印で支持を集めてきた政党が、表現の自由と内心の自由に直接関わるこの法案で、結果として賛成という選択をした

これは「チームみらいに期待した層が本当に望んだ姿だったのか?」という点が、SNS上でも盛んに議論されています。

チームみらいは結党以来、「テクノロジーで誰も取り残さない日本をつくる」を理念に掲げ、属性で分断を煽る政治への対抗軸として自らを位置づけてきました。

安野代表は選挙戦を振り返って、レッテル貼りで「あちらは敵だ」と決めつける言説が民主主義の土台を崩すと繰り返し述べてきたわけです。

そうした姿勢に共感し、既存政党のしがらみのない合理性に一票を投じた支持層が一定数いたことは間違いないと思います。

その文脈で見たとき、表現の自由・思想良心の自由をめぐって賛否が鋭く分かれる国旗損壊罪法案に賛成するという判断は、支持層の期待と必ずしも一致しないのではないでしょうか。

多くの有識者が内心の自由・表現の自由の侵害のおそれと罪刑法定主義上の問題を指摘し、少なくない政党が完全な反対に回った法案です。

リベラル寄りの自由を重視する有権者からすれば、「テクノロジーで合理的に」というブランドと、この賛成という結論との間には、距離を感じる部分があるはずです。

ただ、高山氏の討論全文を読むと、単純に「真逆」と切って捨てられない構造になっているのも事実です。

会派として自由投票としたうえで、賛成・反対いずれの立場も「否定し得るという確信には至っていない」と率直に認め、萎縮効果への不安が完全には払拭されていないとまで述べている。

そのうえで個人としては賛成し、政府に抑制的な運用を強く求める、という組み立てです。

これは、合理性を標榜する政党なりの誠実な逡巡の表現とも読めます。

割り切れないものを割り切れないまま開示し、党議拘束をかけずに個々の議員の判断に委ねる。分断を避けたいという理念とも、少なくとも形のうえでは矛盾していません。

それでもなお、私の中に疑問が残るのは、「自由投票」という形式が、結局のところ判断の重さを引き受けきれていないようにも見えるからです。

賛否のいずれも包摂したいという願いは美しいものですが、法案は最終的に可決か否決かの二択であり、議員一人ひとりは賛成か反対かを選ばざるを得ない。

その局面で「いずれも代表したい」と語ることは、見方によっては、態度を明確にすることからの留保とも受け取られかねません。

イデオロギーなき合理的政党という理想は、価値が衝突する争点ほど難しさを増します。

財政や社会保障のように、数字とエビデンスで最適解を詰めていける論点であれば、合理性は強い武器になります。

実際、チームみらいは消費減税に乗らず社会保険料の引き下げを掲げるなど、独自の合理路線で存在感を示してきました。

しかし国旗損壊罪のように、保護法益が「国民の感情」という社会的法益であり、自由という別の憲法価値と正面から衝突する争点では、合理的計算だけでは答えが出ません。

最後は価値の選択、すなわち一種のイデオロギー的判断が避けられないのではないでしょうか。

私としては、チームみらいの今回の対応を「裏切り」だとか「期待外れ」だとか断じるつもりはまったくありません。

むしろ、合理性を掲げる新興政党が改めて本格的な価値衝突に直面し、その難しさを露呈した事例として受け止めています。

イデオロギーを脇に置くという立場は、争点が技術的なうちは強みになりますが、社会の根幹的な価値が問われる場面では、かえって判断の軸を失わせるリスクをはらんでいる。

今回の自由投票は、その難しさを正直に映し出したのだと思っています。

期待した支持層が望んだ行動だったかと問われれば、「必ずしもそうではなかった」とは言えると思います。

同時に、その難しさにどう向き合うかこそが、これからのチームみらいの真価を測る試金石になるのではないでしょうか。

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著者

おときた 駿

おときた 駿

選挙 第27回参議院議員選挙 2025年 (2025/07/20)
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東京選挙区 382,996 票

肩書 日本維新の会 参議院東京都選挙区 第1支部 支部長
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