2026/4/14
レアアースの確保が、現代の国際社会において大きな課題となっています。私が子どものころ、日本は加工貿易によって成り立つ国であると教わりました。国土は決して広くはなく、資源にも乏しい――その前提は、今も大きくは変わっていません。
ところで私は、ささやかながらコインの収集を趣味としています。飛鳥の世から江戸時代にかけて長く使われた、中央に四角い穴の開いた銭貨、いわゆる穴銭は鋳造によって作られたものです。現代のようなプレス製造とは異なり、一枚一枚にわずかな違いがあり、そこに何とも言えない味わいがあります。今では、その穴銭や関連する文献にゆっくり向き合う時間もあまりありませんが、折にふれて思い起こすことがあります。それは、西暦958年、皇朝銭の最後とされる乾元大宝が発行されて以降、1636年に寛永通宝が公鋳されるまで、およそ700年にわたり、朝廷や幕府による本格的な公鋳通貨がほとんど存在しなかったという事実です。恩賞用など例外はあったものの、国家としての通貨発行が長く途絶えていた時代があったのです。
その端緒には、貨幣価値の下落によるインフレや物品経済への一時的な回帰など、いくつかの要因が指摘されていますが、とりわけ国内での銅の産出が容易ではなかった事情があるとも言われています。しかし、公鋳通貨がなかった間も貨幣経済そのものは決して停滞していたわけではありません。大陸からもたらされた渡来銭が広く流通し、人々の経済活動を支えていたのです。
この姿は、現代における資源確保の問題とどこか重なって見えます。最近では、海底資源の開発など、自国に眠る可能性を探る取組みも進められています。しかしなお、必要な資源のすべてを国内で賄うことは容易ではありません。自国の乏しい資源に固執するのではなく、それを外に求め、柔軟に受け入れながら社会を回していく――それは、古代から江戸中期にかけて、わが国が世界有数の銅産出国となるまでの間に採られていた、今でいう「レアアース対策」だったのではないでしょうか。
自国資源の開発と、国際的な資源確保。その両輪をいかに調和させるか――そこに、現代の私たちが向き合うべき課題があります。そう考えると、国際協調や世界平和に向けた努力の重要性を、あらためて感じずにはいられません。同時に、限られた条件の中でも、したたかに道を切り開いてきたわが国先人たちの知恵とたくましさ、そして忍耐力に、深い共感を覚えるのです。
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ハットリ マサヤ/57歳/男
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