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牧島 かれん ブログ

モンゴル、ユニセフ、議員外交

2026/9/11

モンゴル訪問は2018年に人口問題の国際会議でご挨拶をした以来8年ぶりです。この時はアジア各国で高齢化が進んでおり、地方でも核家族化の減少が起きていること、介護サービスの将来像などがトピックでした。今回は私が事務局長を務めるユニセフ議員連盟の視察で訪問するモンゴルなので、こどもがテーマです。


モンゴルでは、教育へのアクセスも比較的高く、基本的な水・衛生サービスへのアクセスも一定程度確保されています。しかし、「距離」による格差が存在しています。5歳未満児死亡率は全国で9.7であるのに対して西部では2.3倍の22.2、安全に管理された飲料水も地方に行くとアクセスしづらく(30.6%対9.3%)、高校修了率も全国76.2%に対して西部は53.3%と差が歴然としています。
人口の4割は現在も移動しながら暮らしています。それが、サービスが届くにくい理由に直結しています。予防接種を完了させるのも、移動して暮らす人々に対しては簡単ではありません。
鍵になるのはデジタルです。デジタルヘルスシステムを導入しています。ヘルスケアカードでこどもの健康状態、医療ニーズを把握できるようになっています。日本の支援「ラストワンマイルサポート」でドローンで医療配送網の構築も進めています。モンゴルにはE-Mongolia(イー・モンゴリア)という行政サービスの総合電子ポータルサイト、公式アプリが基盤として整っていおり、時間と場所を問わずスマホから政府サービスを利用できるようになっています。
水と衛生の施設を視察しました。2024年に日本政府の資金協力でUNICEFが作ったスマート給水設備です。24時間安全な飲料水を利用できるようになり、約2000世帯が水を汲みに来ています。以前は学校帰りに遠くまで水を汲みに行っていたこどもたちも、その時間を勉強に充てることができるようになりました。わずかな金額ではありますが、給水料を支払うことで故障した時の修理代に充てています。


つづいて「一時保護施設」へ。家庭内暴力、性的虐待、ネグレクトなどからこどもたちを守っている施設で場所は明かされていません。最大20人のこどもたちが保護されており、今日も0歳児から14歳までのこどもたちが一時保護されており、ユニセフの支援によりソーシャルワーカーやスタッフからあたたかいサポートを受けていました。ソーシャルワーカーのアセスメントによって家庭内の状況が改善されれば家に戻っていきます。通報は日本の189に匹敵する「108」というダイヤル番号が設定されており、ソーシャルワーカーの人数が増えてきたことで対応体制も強化されつつあるとのことでした。


3箇所目は幼稚園の視察です。ユニセフではゲル地区における幼稚園の環境向上にも取り組んでいます。4歳のゲル組を見せていただきました。
このゲルはCHIPという(調理・暖房・断熱製品パッケージ)を採用しています。石炭や薪のストーブだとこどもが火傷をするリスクがありました。CHIPにすると電気ヒーターに置き換えられ、IHヒーターで調理し、床と屋根に断熱材を入れることができます。
ゲル制作会社も訪問しました。障害者雇用のほか、子育て世帯、母子家庭世帯も支援しています。伝統的なゲルに比べてCHIP型のゲルは1.5倍の値段ではありますが、壊れにくくニーズが高まっているそうで、働いている人たちの月収は25万円を超えてきています。CHIP型ゲルは日本のKDDIの支援によるもので、安全でクリーンに暖を取ることを可能にしています。

「1村1学校ブロジェクト(ワンバク・ワンスクール)」の学校を視察しました。首都ウランバートルからでこぼこ道を車で揺られること1時間半。都心部から離れたところにモデル校があります。

かつては学校まで長距離通わなければならず、通学の道のり10キロの間で野犬に襲われたり、極寒の冬は通うのも困難だったり、またこどもたちが親と離れて寮生活を強いられたりしていたそうです。

ユニセフとモンゴル教育省が進める遠隔地域の教育支援が始まり、今回視察した小学校では6歳から10歳のこどもたちを75人受け入れています。GIGAスクールはスターリンクでインターネットに接続してYouTubeでモンゴルの物語を観て、英語の字幕を理解し、感想文を書く4年生の授業を見せてもらいました。

各家庭にはインターネットの接続がなくても学校に来ればネットに繋がります。安全に使いつつ(オンライン・セーフティー)キャリア形成に繋げるプログラムも作られています。教師のAIスキルアップも進められており、地方部の教師の給料を都市部より40パーセント高い設定することで教師の確保もしています。

「学校は災害時の避難所にもなるのですか」と校長先生に尋ねましたら、「地震の防災訓練も含め災害対応もできるようになっている」とのこと。ソーラーパネルから電力は供給され、夏は全体の60パーセント、冬は30パーセントの電力は自然エネルギーでまかなえますし、余ったら売電もしています。綺麗な水もあり、近代的なトイレにシャワー、洗濯機が備え付けられているのも特徴です。これは、ゲルに住んでいるこどもたちが家でシャワーや洗濯がなかなか出来ないことへの対応になります。

給食用のレタスは水耕栽培です。

日本からのデレゲーションが訪ねてくるということで、桜の絵を飾ってくれました。

ご近所の家庭訪問へ。男の子3人を育てているお母さんの話を聞きました。長男は鉄道会社勤務、次男は医学部、三男が今家で21頭の牛の世話をしています。お父さんは冬の支度で牧草などを仕入れるために遠くまで出かけており、牛の乳搾りや石炭くべなどは三男の役目です。どうやら三男は大学に進学したいようなのですが、モンゴルでは酪農や農業は末っ子が継ぐのが伝統らしく、悩んでいる様子が伝わってきました。

2軒目、ゲルのご家庭には中学生と小学生とおばあさんとお母さんが住んでいました。5年前に1,500キロメートルを移動してきたそうです。「どのように移動されたのですか」と質問してみたところ「車にゲルを乗せて、牛を20頭連れ、その後ろを馬が追いかける形で1ヶ月かけて移動してきた」とのこと。おばあさんもお母さんも揃って話されたのが「家から通える良い学校があるところに住みたかった」ということ。「孟母の三遷」を思い出させるエピソードでした。

かつては出発する馬に旅の安全を祈念してかけていたという牛乳をおばあさんが車のタイヤにかけてくれて次の視察地へ。

保健センターでは、ちょうど、こどもが乳幼児健診をうけていました。

遊牧民の妊婦さんたちも病院で出産するようになっているそうで、長期の入院スペースもあります。課題は、空気汚染由来の肺炎などの予防です。ユニセフでは定期的なスクリーニングで早めの治療に繋げていますが、モンゴルの保険の予算制約で1人のこどもが診察に来れるのが月2回に制限されるなどの問題も起きています。

予防接種は電子的にも管理されています。EーMongoliaを通じて各自が確認することも可能です。パソコンには「日の丸」がつけられていました。

国立輸血センターを訪問し、日本のドローン物流企業であるエアロネクストの取り組みを見せていただきました。ウランバートルの渋滞は空港からや地方への移動でも経験しましたが、迅速な保健ケアにはスムーズな物流、都市部での血液製剤の輸送用ドローンが必要です。救急車だと看護師を同乗させて往復1時間かけて血液を受け取りに来る距離を、ドローンでは片道7分で運んでしまいます。最大1日で8病院へ12回ドローンで手術用の血液製剤を届けたこともあるそうです。ちなみにドローンは「魔女の宅急便」から取って「キキ」と名付けられていました。

活躍しているのは高知高専出身のドローンパイロット。学校や市場などを避けてより安全なルートを設定するなど医療アクセスに不可欠な存在になっています。

日本留学経験のあるモンゴルの方々の存在は大変心強いものです。モンゴルでは第一外国語は英語ですが、第二外国語は日本語と中国語から選ぶそうで、日本への信頼感から日本語選択は人気があるとも聞きました。親戚のうち誰かは日本に留学経験があると言われるほど、日本はモンゴルにとって身近な国です。

今回の視察では、ウランバートル市ダンバダルジャーにある日本人志望者慰霊碑も訪問しました。シベリア抑留者のうち、約1万4000人がモンゴルに移送され、強制労働に従事しましたが、そのうち約1700名がモンゴルで亡くなりました。モンゴル赤十字社の依頼を受けた地元の方に慰霊碑を守っていただいています。黒の石は悲しい歴史を表現し、その上に明るい未来を期待する思いが乗せられています。3段の階段にも、過去、現在、未来のメッセージが込められています。

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著者

牧島 かれん

牧島 かれん

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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神奈川17区 106,966 票 [当選] 比例 南関東ブロック 自由民主党

肩書 衆議院議員
党派・会派 自由民主党
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