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牧島 かれん ブログ

デジタル、行革、行政改革、規制改革、AI、DX、AX、デジタル庁

2026/7/23

自民党行政改革推進本部のデジタルPTではAI時代に考えるべき規制改革について議論をしてきました。ドローンや自動運転の分野では日本が米中に並ぶことができるようスピードを上げてAIテクノロジー産業と自動車産業等を繋ぐべきと考えています。さらに法務、医療の分野でもAIの活用検討が進みつつあります。既存のルールや通達、慣習によってAIの利用を躊躇することがないように通知等を整理する必要があります。既に国会ではAI源内が国会答弁を書き始めています。アナログ規制の見直し、インフラ管理と共に地方自治体がDX、AXを進められるようデジタル庁のリーダーシップを期待しています。

松本尚デジタル大臣・行政改革担当大臣、城内実規制改革担当大臣、小野田紀美AI担当大臣に提言をお届けしています。

大空議員がデジタル庁初来庁だったため、デジ庁ツアーもしていただきました。オープンな空間の中でクリエイティブな発想で仕事を進める役所であることを伝えられたと思っています。

 

デジタルに関するプロジェクトチーム提言(概要)

~法務分野、医療分野などにおけるAI等の社会実装の加速化にむけて~

令和8年7月14日

自由民主党行政改革推進本部

デジタルに関するプロジェクトチーム

 

はじめに

デジタルに関するプロジェクトチームは、新体制(座長:稲田朋美、事務局長:牧島かれん、補佐:山本左近、大空幸星)のもと、我が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、直面する社会課題の解決、強い日本経済の実現や持続可能な地域経済社会の再構築の鍵となるデジタル技術の利活用、とりわけ、ドローン、自動運転等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、我が国が米国や中国等に大きく先行されていることに強い危機感をもって、2025年5月に取りまとめた規制改革等に関するプロジェクトチーム提言のフォローアップも兼ねて関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ねてきた。これらの議論を踏まえ、2026年6月4日、今夏閣議決定を目指す「経済財政運営と改革の基本方針2026」に向けた提言として、「デジタルに関するプロジェクトチーム提言~ドローンと自動運転等の社会実装の加速化にむけて~)」(以下、第1弾の提言)を取りまとめた。

本プロジェクトチームは、並行して、とりわけ、法務分野や医療分野などにおけるAI等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、我が国が海外に大きく先行されていることに強い危機感をもって、関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ねてきた。これらの議論を踏まえ、第2弾の提言として、以下の提言を取りまとめる。

 

1 基本的考え方

○我が国において、担い手不足をはじめとする地域や企業における課題の解決、さらに、我が国の国際競争力強化及び経済成長の観点から、法務分野、医療分野などにおけるAIの利活用促進等の社会実装の加速化が喫緊の課題である。

〇我が国が将来にわたって世界最高・最先端の技術立国を実現するため、また、人口減少・高齢化が進む地域の活力を維持するため、政府は、今こそ強い危機感をもって、「経済財政運営と改革の基本方針2026」に盛り込まれる内容にとどまることなく、法務分野、医療分野などにおけるAI等の社会実装の加速化に必要な規制・制度改革等の各種施策を大胆かつ迅速に進めるべきである。

〇あわせて、政府は、2026年6月の規制改革推進会議において高市早苗内閣総理大臣が示されたAI・AXの規制・制度改革や体制整備を速やかに実施するべきである。

 

2 重点項目に係る提言

(1)弁護士法におけるAI活用の更なる明確化

〇弁護士法第72条は不適切な法律サービスから国民を保護するための規定である趣旨に照らし、AIリーガルテックの活用を過度に制約し、その結果として、国民や企業の恩恵が失われる事態や、我が国の国際競争力を低下させてはならない。

〇人材不足、国際競争、企業の法務機能の高度化・複雑化など、我が国が抱えるこれらの課題に対し、これまでの弁護士法第72条の構成要件(いわゆる非弁行為)の該当性等の解釈論から脱却し、AIリーガルテックの活用を促進するための規制・制度の見直しを早期に実現すべき。

〇具体的には、新法の制定も含め、AIリーガルテック活用サービスの安心・安全・信頼の確保を図りつつ、サービス提供者及び利用者双方にとって予見可能性が高まる新たな法的枠組みを早急に構築すべき。まずは、企業法務部門について対応しつつ、企業法務部門以外の領域についても、ソフトローで対応するべき。ソフトローで不十分なときは、弁護士法第72条の別の定めとして、新法を制定すべき。また、AIエージェントの普及など今後の技術進展をも見据えた将来にわたって有効な枠組みとなるよう、法務省は基本的な方向性を規定しつつ、業界団体による自主規制に委ねる部分を積極的に設けるなど、官民共同の枠組みを構築すべき。

〇「主要な製品・技術等」の一つである「バーティカルAI(領域特化型AI)」の官民投資ロードマップにおける重点領域として、「法務」を追加し、領域別戦略を策定し、官民で集中投資を行うべき。

 

(2)医師による画像読影等におけるAI活用の促進

〇深刻化する医師の地域偏在、高齢化等の課題を克服しつつ、市区町村が行うがん検診におけるエックス線検査の精度を維持・向上させていくため、医師1名がAIの支援により異常の見落とし防止を目的として2名以上の医師による検査画像の読影(二重読影)に相当する精度を担保して読影することが可能となるよう、がん検診指針を見直すべき。

〇がん検診指針の見直しに向け、読影支援AIのがん検診への実装に向けたエビデンスの蓄積を加速することが必要。特に、読影支援AIを用いた医師1名による読影の判定結果と、読影支援AIを用いない医師2名による読影の判定結果とを比較する方法による検証を早急に実施すべき。

〇画像読影や問診の支援をはじめ、医療分野への適切なAIの実装を一層推進すべき。現時点での技術水準のみに基づいた制度的な整理に留まらず、将来の技術水準の進展に対し、制度面の対応が後追いとなり製品開発やその活用が不必要に抑制されることのないよう、AIを利用した診療の在り方を整理し、AI通知を含めた必要な見直しをすべき。

〇「主要な製品・技術等」の一つである「バーティカルAI(領域特化型AI)」の官民投資ロードマップにおける重点領域「医療・介護・福祉」の領域別戦略に、医師による画像読影等におけるAIの利活用や、AI通知を含めた必要な見直しなどを位置づけ、官民で集中投資を行うべき。

 

(3)オンライン診療の推進

〇地域における外科医療の確保に資する遠隔手術について、技術課題の克服に係るエビデンスの更なる蓄積に努め、2028年度の保険収載に向けた検討を加速するとともに、臨床研修への支援、通信環境の整備や必要な運営体制について引き続き支援すべき。

○郵便局等を活用したオンライン診療、遠距離の病院間のオンライン診療など、地域医療を確保するため、2025年の改正医療法において新たに規定されたオンライン診療受診施設に係る制度の普及・活用の推進、同制度の下で患者が看護師等といる場合のオンライン診療(D to P with N)における、医師の指示に基づく看護師等による診療の補助行為についての診療報酬上の取扱いを早急な明確化を含め、オンライン診療の拡充に取り組むべき。

〇令和6年能登半島地震の際の石川県における取組(オンライン資格等確認システム(災害モード)の活用等)も踏まえ、災害時における避難所等での円滑なオンライン診療が可能となるよう、関連制度の整備、運用の明確化、研修の受講環境の整備等を行うべき。

 

(4)インフラ維持管理DX

○インフラの維持管理を取り巻く環境は、老朽化施設の増加や職員の減少等により厳しさを増している。上下水道においては、DX技術の標準実装を進めるため、DXカタログの周知活動や定期的な改訂・内容の充実、各種DX技術導入に向けた技術資料等の作成の検討を実施すべき。

○デジタル化によるデータ管理が一層必要であることから、標準仕様書等の改訂、水道・下水道及び集落排水の各共通プラットフォーム等の全国普及を図るとともに、「水道事業等の経営状況に関するダッシュボード」の改訂や効果的な活用方法の検討など、経営状況等の可視化に係る取組も実施すべき。

 

(5)アナログ規制見直し

○人口減少・少子高齢化が進む中、効率化・省人化等を通じて社会機能を維持していくためには、デジタル技術の活用を阻む「アナログ規制」を見直すことが不可欠である。

こうしたアナログ規制の見直しによる果実を全国の現場にくまなく届ける観点から、各規制所管省庁は、必要に応じてデジタル庁の協力を得つつ、規制見直しの内容や技術実装に関する好事例等についての情報発信をはじめとした、各所管分野における現場のデジタル化に向けた支援に積極的に取り組むべき。

○デジタル庁は、アナログ規制の見直しに自主的に取り組む地方公共団体への支援を引き続き提供すべきである。特に、各自治体における見直し作業の効率化・省力化に資するデジタル・ツールを開発・高度化し、使いやすい形で提供することや、特に小規模自治体に寄り添った説明会の実施などに取り組むべき。

 

(6)行政のAI利活用とBPR

○旧来の行政運営を根底から問い直し、AI時代にふさわしい行政能力の抜本的な再設計に取り組むことが不可欠。「源内」の活用を通じて蓄積された実践的な知見を礎として、世界に先んじて確固たる方向性を見出していくべき。

○「源内」のオープンソースソフトウェア化によって民間企業の手による普及拡大の道が開かれる。デジタルマーケットプレイスの積極的な活用をはじめ、地方自治体の調達を後押しするための取組を行うべき。

○高度な利活用環境の下、AIが持つ力を最大限発揮できるようにするためには、「業務」と「データ」両方のAI-ready化を、行政能力の再設計の根幹をなす取組として強力に推し進めなければならない。霞が関発で、我が国のデータカルチャーを変える取組を着実に進めるべき。

○「生成AI時代の国家公務員像の検討」を精力的に進めAI時代における公務員の育成モデルを世界に先んじて構築・提示すべき。

デジタルに関するプロジェクトチーム提言

~法務分野、医療分野などにおけるAI等の社会実装の加速化にむけて~

 

令和8年7月14日

自由民主党行政改革推進本部

デジタルに関するプロジェクトチーム

 

はじめに

デジタルに関するプロジェクトチームは、新体制(座長:稲田朋美、事務局長:牧島かれん、補佐:山本左近、大空幸星)のもと、が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、直面する社会課題の解決、強い日本経済の実現や持続可能な地域経済社会の再構築の鍵となるデジタル技術の利活用、とりわけ、ドローン、自動運転等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、が国が米国や中国等に大きく先行されていることに強い危機感をもって、2025年5月に取りまとめた規制改革等に関するプロジェクトチーム提言(以下、前回提言)のフォローアップも兼ねて関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ね、これらの議論を踏まえ、2026年6月4日、今夏閣議決定を目指す「経済財政運営と改革の基本方針2026」に向けた提言として、「デジタルに関するプロジェクトチーム提言~ドローンと自動運転等の社会実装の加速化にむけて~)」(以下、第1弾の提言)を取りまとめた。

本プロジェクトチームは、並行して、とりわけ、法務分野や医療分野などにおけるAI等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、が国が海外に大きく先行されていることに強い危機感をもって、関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ねてきた(開催実績:別紙1参照)。これらの議論を踏まえ、第2弾の提言として、以下の提言を取りまとめる。

 

1 基本的考え方

   が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、深刻化する人手不足等の社会課題を克服し、更なる経済成長を通じ、強い日本経済の実現につなげるため、また、どの地域に住んでいても、住民が安全で豊かな生活を営むことができる持続可能な地域経済社会の再構築につなげるため、国民生活や企業活動の前提となる規制・制度等の各種施策を不断に見直し、スピード感をもった大胆な改革を進めなければならない。

   そして、が国の社会課題の解決の鍵となるのが、AIをはじめとするデジタル技術の利活用である。

   とりわけ、担い手不足をはじめとする地域や企業における課題の解決、さらに、が国の国際競争力強化及び経済成長の観点から、法務分野、医療分野などにおけるAIの利活用促進等の社会実装の加速化が喫緊の課題である。

   しかし、法務分野、医療分野におけるAIの利活用促進等に取り組んでいる関係者からのヒアリング等を通じて、AI技術が急速に進展する中で、従来の規制・制度やその解釈運用を維持することやそれらの整合性を確保することを重視するあまり、新たなテクノロジーによる社会課題の解決がいわば「規制の壁」に阻まれ、国民や地域経済社会への恩恵が行きわたらないとともに、が国がキャッチアップするどころか世界標準からも取り残されかねないと改めて強く認識したところである。

が国が将来にわたって世界最高・最先端の技術立国を実現するため、また、人口減少・高齢化が進む地域の活力を維持するため、政府は、今こそ強い危機感をもって、「経済財政運営と改革の基本方針2026」に盛り込まれる内容にとどまることなく、法務分野、医療分野などにおけるAI等の社会実装の加速化に必要な規制・制度改革等の各種施策を大胆かつ迅速に進めるべきである。

あわせて、政府は、2026年6月の規制改革推進会議において高市早苗内閣総理大臣が示されたAI・AXの規制・制度改革や体制整備、具体的には、以下の事項などを速やかに実施するべきである。

  AIに関するイノベーションが急速に進展する中、こうした技術の社会実装を迅速化させるため、規制・制度改革に向けた情報収集・分析の効率化、調査・実証の早期化、サンドボックス制度などの積極活用、検討期限の事前設定などによる制度改正の迅速化など、AI時代に対応する規制・制度改革を推進すること。

  デジタル行財政改革会議をAI・デジタル改革推進会議に改組し、同会議を中心として、府省庁横断でAIを前提とした規制・制度や運用ルールの抜本的な見直しを行うことで、社会全体のAX(AI・トランスフォーメーション)を推進すること。

  内閣官房にAI・デジタル改革推進チームを設け、府省庁の垣根を超えて総合調整を行うこと。

 

2 重点項目に係る提言

(1)弁護士法におけるAI活用の更なる明確化

企業の法務部門においては、ビジネスのグローバル化、イノベーションの加速、コーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの強化等に伴い、業務が増大するとともに、高度化・複雑化し、企業経営の根幹を支える重要な機能を発揮することが強く期待されている。企業の法務力は、企業の競争力のみならず、我が国の国際競争力を左右すると言っても過言ではない。

一方、日本の弁護士数は対人口比で米国の約1/10であり、また、企業内弁護士も全弁護士の7.6%にとどまり、我が国企業の法務部門において、当該業務の担い手が慢性的に不足しているという深刻な現実がある。

こうした中、AIを用いたリーガルテック(以下「AIリーガルテック」という。)は、限られた人材で高度化・複雑化する法務業務に対応するための有力な手段であり、2023年8月に法務省ガイドラインが公表され、契約書自動レビューサービス等の開発・提供・利用が進んでいる。

しかし、LLM(大規模言語モデル)やAIエージェント等の急速な技術進展により、契約書の自動作成・更新等、より高度なサービスの提供が現実のものとなりつつある中、こうしたサービスが弁護士法第72条に抵触せず実施可能であるかは必ずしも明らかではなく、事業者は常に法的リスクにさらされながらサービスの開発・提供を行わざるを得ない状況にある。

さらに、2025年8月のグレーゾーン解消制度における法務省回答を受け、AIを用いたサービスの提供を断念する事業者が発生しているほか、適法に運営可能なサービスまでも自粛する「誤解と萎縮」が広がっており、我が国のAIリーガルテックの発展が深刻に停滞しかねない状況にある。

このままでは、海外のAIリーガルテックは急成長を遂げ、我が国企業にとって、海外の競合企業が急速にAIリーガルテックを活用し、AIを軸とした経営改革(AX:AIトランスフォーメーション)を進める中、我が国企業だけが取り残されることになりかねない。他国への過度な依存を避け、バーティカルAI(領域特化型AI)の官民投資を促進する上で、こうした深刻な現状を放置するわけにはいかない。

本 PT において、関係者へのヒアリングを行った結果、法務省において、「規制改革推進に関する中間答申」(2026年2月26日規制改革推進会議決定)を踏まえ、AIリーガルテックの活用推進に向けた規制・制度の在り方の検討を進めているものの、従来の解釈との整合性の確保を重視するあまり、新たな技術やサービスへの対応に苦慮しており、AI技術の急速な進展を踏まえると、更なる柔軟かつ大胆な検討が急務である。AIリーガルテックの活用推進に向けた規制・制度の在り方を議論している間にも、技術は想像を超えた速度で進化し続けており、検討に要する時間そのものが我が国の国際競争力を損なっているという強い危機感を持たなければならない。

弁護士法第72条は、不適切な法律サービスから国民を保護するための規定である。その趣旨に照らせば、同条の目的達成に必要な範囲を超えてAIリーガルテックの活用を制約し、その結果として我が国のAIリーガルテック産業の発展が阻害され、国民や企業が享受できるはずの恩恵が失われる事態は、同条の趣旨にも反するものであり、看過できない。

また、我が国においてのみAIリーガルテックの活用が困難であるという状況は、海外企業の対日投資・ビジネス展開の障壁となるとともに、我が国企業が海外企業と対等に競争できない環境を生み出すものであり、国際競争力の観点から避けなければならない。

さらに、汎用型AIと法務特化型AIリーガルテックとの間で弁護士法第72条の適用に関するイコールフッティングの問題が生じており、AIリーガルテックと名乗ったがゆえに規制に服し、海外AIサービスに市場を奪われるという事態もまた、避けなければならない。

弁護士法が国民を守るための規定であるにもかかわらず、AI技術の発展、時代や環境の変化に応じず、法制度やその運用が結果として国民や企業の利益を損ない、我が国の国際競争力を低下させるようなことがあってはならない。

人材不足、国際競争、企業の法務機能の高度化・複雑化など、我が国が抱える大きなこれらの課題に対し、政府は、今こそ強い危機感をもって、AIの技術進展のスピードに応じた規制・制度とするため、これまでの弁護士法第72条の構成要件(いわゆる非弁行為)の該当性等の解釈論から脱却し、AIリーガルテックの活用を促進するための規制・制度の見直しを早期に実現すべきである。

具体的には、新法の制定も含め、AIリーガルテック活用サービスの安心・安全・信頼の確保を図りつつ、AIエージェントの普及など今後の技術進展を見据えた、サービス提供者及び利用者双方にとって予見可能性が高まる新たな法的枠組みを早急に構築すべきである。

その際、まずは、企業法務部門について対応しつつ、企業法務部門以外の領域についても、ソフトローで対応するべきである。ソフトローで不十分なときは、弁護士法第72条の別の定めとして、新法を制定すべきである。

ソフトローでの対応については、具体的には、例えば、弁護士法の趣旨に沿いつつも、技術の進展に柔軟に対応するため、政府は基本的な方向性を規定しつつ、業界団体による自主規制に委ねる部分を積極的に設けるなど、官民共同の枠組みを構築すべきである。技術の進展に応じて不断に見直しが行われる仕組みを整えることが、我が国のAIリーガルテック産業の持続的な発展を支える基盤となる。

また、海外主要国におけるAIリーガルテックに関する規制・制度及びサービスの提供状況を比較検討し、汎用型AIと法務特化型AIリーガルテックとの間のイコールフッティングを確保した上で、我が国のAIリーガルテック産業が国際競争において不利な立場に置かれることのないよう、必要な制度整備を迅速に行うべきである。

さらに、AIリーガルテックについては、暗黙知を含めた各現場の経験や知識をデータとして集積しAIに活用でき、市場性、公共性、戦略性の観点からバーティカルAIの適用による産業や行政の革新が期待される。このため、「主要な製品・技術等」の一つである「バーティカルAI(領域特化型AI)」の官民投資ロードマップにおける重点領域として、「法務」を追加し、領域別戦略を策定し、官民で集中投資を行うべきである。

 

(2)医師による画像読影等におけるAI活用の促進

我が国において、がんは現在も最大の死因であり、国民の生命と健康にとって依然として重大な問題であることから、がん検診受診率の向上をはじめ、各種がん対策を引き続き推進していく必要がある。

肺がん、胃がん及び乳がん等の治療や検診において、エックス線検査は不可欠なプロセスであるが、現行制度では、市区町村が行う住民検診においては、2008年に厚生労働省通知として出された「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(がん検診指針)に基づき、がんの見落とし防止を目的として、2名以上の医師による検査画像の読影(二重読影)が求められている。しかし、この読影を行うことができる医師の絶対数は少なく、医師の地域偏在や高齢化の問題も相まって、二重読影のための体制確保が困難な状況が生じており、医師の読影に係る業務負担も増大している。

一方、AIを活用した医用画像の読影支援を目的としたコンピュータ診断支援プログラム(読影支援AI)については、医薬品医療機器等法に基づく製造販売の承認(薬事承認)を受けた製品が既に医療の現場で実用されている。肺がんに係るエックス線検査画像に対応した読影支援AIについては、熟練医師と同等以上の感度を実現していることが薬事承認時の単体性能試験で確認されており、また、大学と民間企業による共同研究において、読影支援AIを用いた医師1名による感度及び特異度が医師2名によるものを統計的に有意に上回るとする研究成果も発表されている。

こうした高い技術レベルが確保された読影支援AIの活用により読影精度を担保しつつがん検診における二重読影を見直し、医師の負担軽減、がん検診の均てん化、ひいては国のがん対策の一層の充実につなげていくことが重要である。そのためには、まず、政府は、がん検診指針の改正を視野に、読影支援AIのがん検診への実装に向けたエビデンスの蓄積を加速することが必要である。特に、読影支援AIを用いた医師1名による読影の判定結果と、読影支援AIを用いない医師2名による読影の判定結果とを比較する方法による検証を早急に実施すべきである。

しかし、我が国におけるAIを利用した診療に関しては、2018年に厚生労働省通知として出された「人工知能(AI)を用いた診断、治療等の支援を行うプログラムの利用と医師法第17条の規定との関係について」(AI通知)において、「AIは診療プロセスの中で医師主体判断のサブステップにおいて、その効率を上げて情報を提示する支援ツールに過ぎない」、「判断の主体は少なくとも当面は医師である」等と整理しており、薬事承認もその整理に基づき審査がなされているが、上記の読影支援AIを用いた医師1名と、読影支援AIを用いない医師2名の読影の比較による検証が、二重読影を行う2名の医師のうちの一方の判断がAIに置き換わることにつながるためAI通知に抵触するとの見方もあり、エビデンスの蓄積の制約となっている。また、海外においては、AIがスクリーニングを行い、異常の可能性がある画像のみ医師が診る(自律型AI)事例がある一方で、こうした事例はAI通知に抵触するとの見方もあるため、薬事承認に向けた自律型AIを用いた読影機器等の製品開発が進められないという状況も存在する。このような誤った認識が解消され、医療分野への適切なAIの実装が着実に推進されるべきであり、政府は、現時点での技術水準のみに基づいた制度的な整理に留まらず、将来の技術水準の進展に対し、制度面の対応が後追いとなり製品開発やその活用が不必要に抑制されることのないよう、AI通知を含めた必要な見直しをすべきである。

さらに、医療分野においては、暗黙知を含めた各現場の経験や知識をデータとして集積しAIに活用でき、市場性、公共性、戦略性の観点からバーティカルAIの適用による産業や行政の革新が期待される。また、政府は、「主要な製品・技術等」の一つである「バーティカルAI(領域特化型AI)」の官民投資ロードマップにおける重点領域「医療・介護・福祉」の領域別戦略を今後策定予定である。このため、医師による画像読影等におけるAIの利活用を含め、AI通知を含めた必要な見直しなどを当該領域別戦略に位置づけ、官民で集中投資を行うべきである。

 

(3)オンライン診療の推進

本PTにおいて、前回提言のフォローアップを行った結果、一定の進捗が見られる(進捗状況:別紙2参照)一方、残る課題が確認された。

①遠隔手術のエビデンスの蓄積への支援

医療資源が限られる中、医師の地域偏在・診療科偏在によって地方の医師不足は深刻さを増している。一方、情報通信技術の進展によって、医療資源の不足の解消策として、オンライン診療の有用性が高まっている。

遠隔手術についても、情報通信技術の発達と新規手術ロボットの開発により技術的に可能な時代を迎えている。そして、2019年の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改訂により「情報通信機器を用いた遠隔からの高度な技術を有する医師による手術等」に係る記載が整備されたところである。

遠隔手術は、ロボット手術技術、通信技術、情報処理技術の3つの技術革新によって可能となる。現在、日本外科学会が中心となって、国産技術を結集した遠隔手術の技術検証等が進められている。遠隔手術の最大の課題は、通信回線の安全性と経済性の確保、映像の圧縮伝送に伴う遅延時間の短縮であるが、総務省の支援のもとに実施した最近の実証研究では、高速大容量通信ネットワークの活用によって、遠隔手術の社会実装が可能な水準まで伝送遅延が短縮されたとの成果が得られた。これを踏まえ、⽇本外科学会は、2025年12月、遠隔⼿術に必要となる通信環境の要件を含む「遠隔⼿術ガイドライン(第2版)」を公表した。引き続き、高難度微細手術や、より先進的な通信サービスでの遠隔手術の実証を推進することにより、遠隔手術や通信環境の多様化を進め、遠隔手術に必要な通信サービスの経済性の確保を図るべきである。

遠隔手術は、緊急時の対応など安全性を確保した上で行うことが重要であり、それが実現できれば、技術革新によって外科治療を十分に受けられる体制の確保のみならず、外科医不足が顕著な地方の医療体制確保につながるとともに、外科医の育成と働き方改革にも貢献するものと期待されている。

一方、遠隔手術支援のロボットはPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の承認申請に向けて研究が進められている段階であるが、今後、遠隔手術が保険収載されるためには、情報通信技術を用いた手術技術のエビデンスが十分に蓄積されていない点が最大の課題の一つとなっている。

このため、情報通信技術を用いた遠隔手術技術についても、安全性·有効性が担保されれば、通常のロボット手術と同等にみなす方向で、2028年度の保険収載に向けて検討を加速させるべきである。

また、この分野に関係する国産技術の強化も念頭に、遠隔医療の推進に向けてエビデンスを蓄積するための臨床研究に対して、国は引き続き積極的な支援を行うべきである。さらに、社会実装が実現するまでは、遠隔手術を行う際の通信環境の整備や必要な運営体制についても支援を行うべきである。

 

②郵便局等におけるオンライン診療の拡充

オンライン診療については、総務省の2023年度「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」における「へき地の郵便局でのオンライン診療」に関する実証事業が行われ、患者の移動負担の軽減等に加え、郵便局社員がオンライン診療のサポートを行うことで住民の医療に対するアクセスの改善に寄与する等、へき地を含む地域医療を補完する一方策として、郵便局におけるオンライン診療の有用性が示されたところである。

医療資源の乏しい過疎地域等においては、オンライン診療を含む遠隔医療が有用であり、郵便局に限らず、オンライン診療を受診するに当たり適切な環境が担保されると考えられる場所を更に拡大することが不可欠であることから、国は、2025年の医療法改正により新たに法定されたオンライン診療受診施設の制度の普及・活用を推進するとともに、同制度の下で患者が看護師等といる場合のオンライン診療(D to P with N)における、医師の指示に基づく看護師等による診療の補助行為についての診療報酬上の取扱いを早急に明確化すべきである。さらに、オンライン診療に使用するブースの設置等の初期投資費用等を含め、へき地における住民の医療を確保するための医療活動費等を支援する、へき地医療拠点病院運営事業等により引き続き支援を行うなど、過疎地域等におけるオンライン診療の普及を図るべきである。

また、医療資源の乏しい過疎地域等においては、遠距離の医療機関への受診による患者負担を軽減する観点から、病院間のオンライン診療など、地域医療の確保につながるオンライン診療を対面診療と同等の扱いにすることを検討すべきである。

 

③災害時におけるオンライン診療の取扱いの明確化

令和6年能登半島地震に対する非常時の対応として、患者又は医療機関等が被災したことにより通常の診療が困難な場合であって、災害救助法の適用対象市町村の医療機関に所属する医師又は被災地に派遣されている医師が速やかにオンライン診療を提供する必要がある場合には、厚生労働省が定める研修を受講していない医師であっても、オンライン診療を実施しても差し支えないこととされたが、こうした対応を含め、災害時に通常診療が困難となった場合において、避難所等で円滑にオンライン診療を受けることが可能となるよう、災害時におけるオンライン診療の取扱いを明確化すべきである。また、現在は、災害ごとにオンライン診療を実施するための研修受講の取扱いについての特例が通知されることとされているが、予め必要性が想定される地域については事前に通知することや、研修を受講する機会を拡充するなど、平時からの備えが必要と考えられる。

特に、オンライン資格等確認システム(災害モード)等の活用による被災者の服薬情報の把握及び治療の継続、携帯電話通信キャリアとの連携による被災地のかかりつけ医と広域避難先の避難者を繋いだオンライン診療、並びに災害支援活動のスキルを持つケア専門職(看護師、介護福祉士、社会福祉士等)による災害支援チーム(DC-CAT)等の協力の下での公民館等における近隣の住民を対象としたD to P with Nでのオンライン診療などが、石川県において令和6年能登半島地震後に実施された。

これらの経験を広く共有し、全国各地において災害時に同様の取組が円滑に進められるよう必要な制度の整備、運用の明確化・周知を実施すべきである。

また、災害時のオンライン診療の実施については、災害時に直ちにオンライン診療が実施可能な医師を確保するため、関係団体の協力を得つつ、平時から円滑にオンライン診療研修を受講できる環境を整えるとともに、その研修の受講状況を定期的に把握するなど、平時からの備えを強化すべきである。

 

(4)インフラ維持管理DX

  インフラの維持管理を取り巻く環境は、老朽化施設の増加や職員の減少等により厳しさを増している。特に、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、上下水道施設の老朽化対策は喫緊の課題となっている。また、電気・ガス・通信等の地下インフラの埋設状況の把握とそのデジタル化を進めることが喫緊の課題となっている。

  上下水道においては、DX技術の全国での標準実装を2027年度までに実現するための取組の一環として、2025年3月に公表された「上下水道DX技術カタログ」について、全国の地方自治体を対象に、DXカタログの利活用に係る説明会が実施されるとともに、実証段階の技術や活用補助金に係る情報等を追加し、利用者の利便性の向上を図る改訂版が2026年3月に公表された。また、全国の地方自治体において共通で実施されている「漏水調査・管路診断のスクリーニング業務」についてDX技術の導入に向けた手引きが策定されるなどの取組が進められた。今後もDX技術の標準実装を進めるため、DXカタログの周知活動や定期的な改訂・内容の充実、各種DX技術導入に向けた技術資料等の作成の検討を実施すべきである。施設の適切な維持管理や広域連携に資するデータ共有の円滑化等に向け、デジタル化によるデータ管理が一層必要であることから、標準仕様書等の改訂、水道・下水道及び集落排水の各共通プラットフォーム等の全国普及を図るとともに、「水道事業等の経営状況に関するダッシュボード」の改訂や効果的な活用方法の検討など、経営状況等の可視化に係る取組も実施すべきである。さらに、下水道の基盤強化に向け、「下水道法等の一部を改正する法律案」が第221回特別国会に提出されているところであり、改正法案に基づき、国の基本方針において、広域連携や先端的技術の活用等を位置づけ、事業運営の一体化やDXカタログ、技術カタログに掲げられる新技術の活用などを推進すべく、国が技術的・財政的支援を行うべきである。

また、地下インフラの埋設状況については、「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づき、公益事業者等の関係主体が合意可能なデータの整備・管理・提供の在り方に関する検討が2025年度に行われ、収集するデータ要件やシステムの運用規則等を含むガイドライン素案が作成された。今年度中を目途に、本ガイドラインの正式版を取りまとめるとともに、空間IDも活用しながら、全国の主要都市10箇所以上におけるデータ整備を目指すべきである。

 

(5)アナログ規制見直し

人口減少・少子高齢化が進む中、効率化・省人化等を通じて社会機能を維持していくためには、デジタル技術の活用を阻む「アナログ規制」を見直すことが不可欠である。国の法律等に存在するアナログ規制については、2021年に設置された「デジタル臨時行政調査会」にて決定した一括見直しプランの下、デジタル庁及び各規制所管府省庁の間で見直しの作業が進められ、今春までに約99%について必要な規制の見直しが完了している。また、アナログ規制の見直しをきっかけとして、従来は人手をかけて対応してきた業務について、デジタル技術を活用して業務効率化や現場における業務負担の大きな軽減に繋がっている好事例も各分野において着実に生まれてきている。

今後は、こうしたアナログ規制の見直しによる果実を全国の現場にくまなく届ける観点から、各規制所管省庁は、必要に応じてデジタル庁の協力を得つつ、規制見直しの内容や技術実装に関する好事例等についての情報発信をはじめとした、各所管分野における現場のデジタル化に向けた支援に積極的に取り組むべきである。

また、アナログ規制は、地方自治体が所管する条例等にも一定程度存在している。先行自治体を中心に、全国的にもアナログ規制の見直しの取組が進みつつあるが、町村など小規模自治体においては未だ十分な進捗が見られないのが実情である。

条例等の見直しは地方自治体が自主的に取り組む必要があるが、各自治体においてそれぞれが所管する条例等を見直す作業の負担は決して小さくない。このため、デジタル庁は、アナログ規制の見直しに自主的に取り組む地方公共団体への支援を引き続き提供すべきである。特に、各自治体における見直し作業の効率化・省力化に資するデジタル・ツールを開発・高度化し、使いやすい形で提供することや、特に小規模自治体に寄り添った説明会の実施などに取り組むべきである。

 

(6)行政のAI利活用とBPR

日本型行政AXモデルの確立~AI時代の行政能力の再設計~

行政AXの目的は、人口減少に伴う深刻な人手不足という構造的制約の下にあっても、公共サービスの質を断じて低下させないことにある。この使命を果たすためには、旧来の行政運営を根底から問い直し、AI時代にふさわしい行政能力の抜本的な再設計に取り組むことが不可欠である。

約18万人の政府職員が利用可能な生成AI利用環境「源内」を最大限に駆使し、定型的・反復的業務のBPRを断行するとともに、そこから創出された貴重な時間をクリエイティブで戦略的な業務へと振り向けることにより、霞が関のみならず地方自治体を含む行政機関全体の政策立案能力・業務遂行能力の飛躍的な向上を実現すべきである。

業務の省力化を推進するだけではなく、AIの質を左右するデータのAI-ready化も同時並行で進めていくことが必要である。緻密さや正確さといった我が国の行政が培ってきた強みをAI時代も最大限に発揮し得るよう、高い信頼性を確保した日本独自の「行政AXモデル」を確立し、その知見と成果を広く世界に向けて発信・展開してくべきである。

さらに、この日本型モデルには、AI時代における公務員の育成方法も織り込むべきである。AIによる業務代替の進展が人間の成長機会を奪いかねないという懸念は、未だに世界的にも解が見出されていない本質的な課題である。この点についても「源内」の活用を通じて蓄積された実践的な知見を礎として、世界に先んじて確固たる方向性を見出していくべきである。

 

①行政AXの目的の明確化

我が国の特性を活かした信頼性の高いAI利活用モデルを確立し得るならば、我が国がAXで世界をリードすることができる。海外事例の模倣に終わることなく、AIの力を活用して築く日本社会や行政の将来像を、自らの考え方と言葉で世界に示していくことが肝要である。

例えば、業務処理の正確さや制度設計の緻密さなど我が国の行政が持つ強みをAIによってどのように支え、伸ばしていくかという観点からは、生成AIの宿命であるハルシネーションを制御して信頼できる質の高いアウトプットを出すための工夫が必要になる。

また、単なる業務省力化で終わらせず、それによって生み出された時間をクリエイティブで戦略的な仕事に充てることにより、霞が関の職員が本来有する能力を余すところなく発揮できる環境を整え、行政能力の飛躍的な向上を目指すことも目標として掲げるべきである。

社会全体のAXを推進するために新設されるAI・デジタル改革推進会議は、このような観点も踏まえつつ、我が国のAXの目的を明確にして取組を推進すべきである。

 

②行政におけるAI利活用環境整備の拡充(「源内」の地方展開)

我が国の行政におけるAI利活用の最大の特徴は、約18万人もの政府職員が利用可能となる生成AI利用基盤「源内」の存在である。このアドバンテージを活かすためにも、AIアプリケーションの開発環境の整備を進め、国の行政機関における徹底的な活用と更なる高度利用を促進すべきである。

「源内」の地方展開も進めていく必要がある。今後、地方自治体が安心してAI基盤を実装していくためにも、セキュリティやコストに関する不安を取り除く丁寧な普及啓発が重要となる。

さらに、「源内」のオープンソースソフトウェア化によって民間企業の手による普及拡大の道が開かれる。デジタルマーケットプレイスの積極的な活用をはじめ、地方自治体の調達を後押しするための取組を行うべきである。

 

③「業務」と「データ」のAI-ready化

高度な利活用環境の下、AIが持つ力を最大限発揮できるようにするためには、「業務」と「データ」両方のAI-ready化を、行政能力の再設計の根幹をなす取組として強力に推し進めなければならない。

「業務のAI-ready化」には、AIの利活用を前提とした業務プロセスの見直しが欠かせない。政府が進めている「ガバメントAIワークスペース」の取組においても、単なるツールの開発で終わらせるのではなく、制度や運用ルールの見直しを進め、共通的な業務については業務処理方法の標準化にもつなげていくべきである。

また、人手不足は官民を問わず等しく直面する構造的課題であり、国の行政機関内部にとどまらず、地方自治体・独立行政法人・民間企業等の国以外の多様な主体が担う領域も含め人手不足が業務継続に及ぼすリスクを予測し、国の業務プロセスの上流から下流までを俯瞰した上でAIによる業務代替の可能性を検討すべきである。

「データのAI-ready化」は、AIの推論で期待される精度が得られないという問題や、データの前処理に無用な負担が生じるという問題を解決するために不可欠な取組である。データの利用主体が「人」のみであった時代とは異なり、「AI」が正確に認識し得る機械可読性を確保したデータ提供が今や死活的に重要となっている。

特に法令データ等の行政が保有するデータは信頼性が高く、日本固有の社会実態を反映しているという特性を有しており、AIエージェントが利活用できる状態にしておくことは日本社会に適合した高精度な国産のAIサービスの開発の加速化にも寄与すると考えられることから公共データのマネジメントに取り組む重要性が高まっている。

政府は、「行政データにおける機械可読性に関するルール」を策定し、本年4月から運用を開始しているが、各府省庁における運用状況をフォローアップし、技術進化を踏まえた継続的な改定を行い、ルールを遵守するために必要なコストを負担できる体制整備等、実効性を高める取組を進めていかなければならない。ルールを作り、これを担う人材と組織を育成し、文化として定着させる。霞が関発で、我が国のデータカルチャーを変える取組を着実に進めるべきである。

 

④AI時代の公務員の育成

AIによる業務代替の進展は、行政の効率化という恩恵をもたらす一方で、人間が業務を通じて経験を積み重ね、判断力・洞察力等を涵養する機会を損なうおそれがあるという、未だ世界的にも解が見出されていない本質的な課題を内包している。

この困難な課題に対し、我が国は源内の活用を通じて蓄積された実践的知見を礎としてAI時代における公務員の育成モデルを世界に先んじて構築・提示すべきである。AI時代の霞が関の仕事内容の変化や求められる人材像などを検討する公務の再設計の必要性については、既に2026年6月18日に「公務員制度に関するPT」の提言において示したところであるが、AI・デジタルと公務員制度を立体的に検討できる我が国の強みを活かし、内閣人事局・人事院は、デジタル庁・総務省と緊密に連携しつつ、「源内」を始めとする具体的な活用事例から得られた教訓を踏まえ、「生成AI時代の国家公務員像の検討」を精力的に進めるべきである。

 


 

デジタルに関するプロジェクトチーム 開催実績

 

 

【第3回】2026年5月13日(水)16:00~ @704号室

 議題:①「遠隔手術のエビデンスの蓄積への支援の現状」

(説明)厚生労働省、総務省

②「郵便局におけるオンライン診療の有用性」

         (説明)総務省、厚生労働省

(ヒアリング)日本郵便株式会社

③「災害時におけるオンライン診療の取扱いの明確化」

(説明)厚生労働省

(ヒアリング)石川県(リモート出席)

 

    (質疑対応)内閣府(規制改革推進室)、デジタル庁

 

 

【第4回】5月27日(水)16:00~ @101号室

※デジタル社会推進本部 デジタル基盤小委員会と合同

議題:①「インフラ維持管理DX」

     (説明)内閣官房 デジタル行財政改革会議事務局

    ②アナログ規制見直し」

     (説明)デジタル庁

(ヒアリング)福岡市

ジオ・サーチ株式会社

 

    (質疑対応)内閣府(規制改革推進室)、デジタル庁、経済産業省、国土交通省

 

 

【第5回】6月10日(水)16:00~ @101号室
 ※デジタル社会推進本部 AI・web3小委員会と合同

 議題:「弁護士法におけるAI活用の更なる明確化」

(説明)法務省

(ヒアリング)一般社団法人 日本経済団体連合会、

一般社団法人 AIリーガルテック協会

 

   (質疑対応)内閣府(規制改革推進室、科学技術・イノベーション推進事務局)、

         デジタル庁

 

 

 

 

【第6回】6月17日(水)16:00~ ~ @101号室
 ※デジタル社会推進本部 AI・web3小委員会と合同

議題:「医師による画像読影等におけるAI活用の促進」

(説明)厚生労働省 

    (ヒアリング)大日本印刷株式会社

一般社団法人 日本画像医療システム工業会

AI医療機器協議会

           Ubie株式会社

 

    (質疑対応)内閣府(規制改革推進室、科学技術・イノベーション推進事務局)、

デジタル庁、経済産業省

 

 

【第7回】6月24日(水)16:00~ @101号室

※デジタル社会推進本部AI・web3小委員会と合同

 議題:「行政のAI利活用とBPR」

    (説明)デジタル庁、総務省

 

   (質疑対応)内閣官房(内閣人事局、デジタル行財政改革会議事務局)、

内閣府(規制改革推進室、科学技術・イノベーション推進事務局)、

デジタル庁、総務省

 


 

2025年規制改革等に関するPT提言(オンライン診療部分)の進捗状況

 

提言項目

進捗状況(2026年7月現在)

残る課題

地域における外科医療の確保に資する遠隔手術についての保険収載に向けた検討

ž 厚生労働省及び総務省は、日本外科学会等による遠隔手術の実現に必要な通信環境等の条件整理のための研究開発事業を支援し、これまでの成果を踏まえ、同学会は「遠隔手術ガイドライン」を改訂。

ž 厚生労働省において、東京科学大等によるMRデバイスを用いた歯科インプラント手術に係るデータベース構築に向けた研究開発事業を支援。

ž 遠隔手術や通信環境の多様化

ž MRを用いた新しい手術支援システムについての臨床的評価

ž 上記を含む関連技術についての保険収載に向けた更なるエビデンスの蓄積

臨床研修への支援、通信環境の整備や必要な運営体制についての支援

・厚生労働省及び総務省は、日本外科学会等による遠隔手術の実現に必要な通信環境等の条件整理のための研究開発事業を支援。(再掲)

ž 遠隔手術に必要な通信サービスの経済性の確保

ž 医療関係者、通信事業者等の間での通信環境に関する認識・課題の共有

郵便局等を活用したオンライン診療、遠距離の病院間のオンライン診療など、地域医療を確保するためのオンライン診療の拡充

ž 総務省は、地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業により、郵便局を活用したオンライン診療等の実証事業を実施。

ž 総務省は、人口減少地域の郵便局等を活用した行政サービス等の確保に対する特別交付税措置により、オンライン診療のためのシステム整備費等を支援。

ž 厚生労働省は、2025年の医療法改正に基づきオンライン診療受診施設等の制度を施行。

ž 厚生労働省は、へき地医療拠点病院運営事業により、オンライン診療に使用するブースの設置等の初期投資費用等を含む医療活動費等を支援。

ž 医療資源の乏しい過疎地域等におけるオンライン診療による医療へのアクセス確保に向けた、関係機関への継続的支援

ž 改正医療法に基づくオンライン診療受診施設等に係る制度の適切な施行(同施設におけるD to P with Nの診療報酬の明確化を含む)、活用拡大

ž 医療資源の乏しい過疎地域等における病院間のオンライン診療の診療報酬の在り方の検討

災害医療を確保するためのオンライン診療の拡充・厚生労働省は、オンライン診療を実施するための医師の研修受講の取扱いについて、災害ごとに特例の要否を通知する旨を「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に記載。

ž 想定される災害時の対応の事前通知、オンライン診療に係る医師の研修受講機会の拡充など、災害に対する事前の備えの強化。

ž 令和6年能登半島地震後の石川県の取組等の経験を踏まえ、全国各地において災害時に同様の取組が円滑に進められるよう必要な制度の整備、運用の明確化・周知

 


 

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著者

牧島 かれん

牧島 かれん

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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