
その土地に長く住む人が多い地方では同じ苗字の人ばかりということもあります。実際に、同じ苗字の人が何人も立候補した町村議会選挙も過去、たくさんあります。
そんな選挙で、投票用紙に苗字だけが書かれている票が投じられた場合、「按分(あんぶん)」という処理が行われます。
例えば、「山本A」候補と「山本B」候補が出馬している選挙で投じられた「山本」とだけ書かれていた票は、それぞれの得票数に合わせて分けられます。
「山本A」と書かれた票が800票、「山本B」と書かれた票が200票あったとすると、「山本」とだけ書かれた票は「山本A」候補に0.8票、「山本B」候補に0.2票と按分されます。
今週末、29日に投開票を迎える佐賀県唐津市の市議選では2人の「青木茂」さんが立候補するという珍しい事態が起こっています。同姓同名の場合はどうなるのか…
2004年に2004年に行われた沖縄県北中城村長選挙では、現職の喜屋武馨(きゃん・かおる)氏と、元村議会議長の喜屋武薫(きゃん・かおる)氏が出馬しました。漢字は異なるものの、読み方は一緒です。
そこで、2人の喜屋武氏は、混同を避けるためそれぞれ「キヤン村長」「ギチヨカオル」(ギチヨは議長の意味)とポスターに書いて選挙を戦いました。このように、同姓同名の場合は「肩書」や「職歴」、他には「居住地域」「年齢」などを併記してもらうような対応を取ります
今回の佐賀県唐津市では、両方の「青木茂候補」は自分の支持者たちに、投票の際に「年齢」や「新人か、現職」などを書いてもらうように告知をしています。
候補者のみならず選挙管理委員会からも「青木茂さんは2名いるのでお気をつけて下さい」と告知してもらいたいものですが、他の候補者たちよりも2人の名前が目立ってしまう可能性もあり、注意を呼びかけることも難しい状況となっています。
同姓同名の方が立候補したケースは、全国でこれまで数件しか見られていません。1997年9月の神奈川県 真鶴町議選挙でも同姓同名の方が立候補しているのですが、こちらも「青木」さんでした(青木透)。
さらに同じ真鶴町で2001年の選挙の際には、候補者のうちなんと6人の苗字が「青木」さんでした。これは割合にして35%。3人に1人が「青木」さんという珍しい事態が起こっていました。
真鶴町は元から「青木」さんが多い地域だそうですが、今回佐賀県で起きている同姓同名の立候補も「青木」さんと青木続きとなっています。
先日行われたアメリカ大統領選挙では、一部の候補を除いて選択式になっている投票用紙を使用していますし、台湾の総統選挙では候補者につけられた番号を投票することで知られています。一方、日本では「鉛筆で紙に、候補者の名前を書く」ため、書き間違えなども多数起こっていると思われています。
日本でも一部地域で始まっている選択式の投票用紙や電子投票の普及が進めば按分票での泣き笑いや開票所での煩雑な処理は少なくなるかもしれないですね。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします