１．「政治家」には同姓同名やよくある名字もある？

いわゆる「政治家」と呼ばれる人々は全国に数多く存在します。衆参の国会議員や地方議員（都道府県議会議員、市区町村議会議員）の現職だけでも約35,000人ほどいるそうです。

当選を目指して活動中の予備軍を含めればさらに数は多くなるでしょう。

なかには政治家に多い名字や、同じ議会に同姓同名の議員がいるかもしれません。

２．国会議員に多い名字ランキング

それでは国会議員に多い名字を見てみましょう。

衆参両院のホームページから「議会における通称名」で同姓議員を調べてみました。

国会議員には本名（戸籍名）とは違う、芸名やリングネーム、ペンネームなどで活動していた人たちが当選後もその姓名（通称名）を使用する場合が少なくありません。また、女性議員に通称使用が多いのは旧姓で活動されているからでしょうか。

そういえば蓮舫議員は通称名に名字がありませんね。ちなみに本名は「村田蓮舫」さんとのことです。

それでは国会議員に多い名字のランキングの発表です。衆参両院の合計数と各院の人数を掲載しています。

最多は「山本」10人（衆５・参５）、２位は「鈴木」８人（衆８・参０）、３位は「金子」７人（衆・参）、

４位タイに６人の「井上」（衆４・参２）、「佐藤」（衆４・参２）、「わたなべ（渡辺、渡邉）（衆３・参３）、

７位タイに５人の「高木（たかぎ、たかき）」（衆５・参０）、「田中」（衆３・参２）、「山口」（衆３・参２）、「山田」（衆２・参３）、

１１位タイに４人の「石井」（衆０・参４）、「伊藤」（衆４・参０）、「加藤」（衆３・参１）、「さいとう（斎藤、斉藤）」（衆４・参０）、「中川」（衆４・参０）、「野田」（衆３・参１）、「古川」（衆３・参１）、「吉川」（衆２・参２）と続きます。

名字から有名な議員さんを思い浮かべたり、逆に誰も浮かんでこなかったりする名字もあるのではないでしょうか。ちなみに「伊東」２人、「左藤」１人を加えると、「いとう」、「さとう」は各々ランクが上がります。

３．一般人の名字ランキングは

日本全国の名字についての情報を網羅した「名字由来net」の「全国名字ランキング」では、1位「佐藤」、２位「鈴木」、３位「高橋」、４位「田中」、５位「伊藤」、６位「渡辺」、７位「山本」、８位「中村」、９位「小林」、１０位「加藤」、となっています。

全国ランキング上位１０位のうち、国会議員でのランキングには入らなかった名字は、「高橋」３人（衆２・参１）、「中村」２人（衆２・参０）、「小林」３人（衆２・参１）となります。

さすがに全国で多い名字ですから国会議員も0人ではありませんでした。

４．国会議員で同姓同名はいる？

衆参合わせて７人の金子議員いる中で、なんと衆議院には漢字で「金子恵美」と表記する議員が２人います。

自民党の金子「めぐみ」議員と、民主党の金子「えみ」議員です。

衆議院の公式ホームページには自民党の金子議員は「金子めぐみ」で、民主党の金子議員が「金子恵美」で掲載されています。所属政党や名前の読み方まで一緒だったら大変なことになったかもしれません。

衆義院と参議院には各々「なかがわまさはる」議員がいます。衆議院には「中川正春」元文部科学大臣（民主党）が、参議院には「中川雅治」議員（自民党）が在職しています。

５．選挙では同姓同名をどう扱うの？

同じ選挙に同姓同名の候補者が立候補した場合はどうなるのでしょうか。

選挙管理員会が投票所に張り出す候補者一覧に、各々の候補者の住所の地名や所属政党を補記したケースがあったようです。

では、開票時にどの候補者に投票したかわからない票がある場合はどうするのでしょうか。その時は各候補者の得票数の割合に応じてその票を分割して各候補者に分配します。これを「按分（案分・あんぶん）」といいます。

例えば、同じ選挙で立候補したA地区の選挙太郎さん（Aさん）が1,000票、B地区の選挙太郎さん（Bさん）が500票を、各々の候補者の得票として確認できて獲得していた場合、AかBかどちらの地区の選挙太郎さんに投票したかわからない票（按分票）は、得票の比率が２：１ですので、Aさんに２／３、Bさんに１／３ずつ加えられます。

按分票が１２票あった場合、Aさんには８票（＝１２票×２／３）が、Bさんには４票（＝１２票×１／３）が入り、得票の合計は各々1,008票と504票となります。

新聞報道では見かけませんが、選挙管理委員会の発表する選挙結果では小数点以下の数字を見かけることがあります。この按分によるものです。

もしかしたら、あなたの身近な選挙でも同姓同名の候補者が出馬するかもしれません！投票の際にはお間違いのないようにご注意ください。